あるテレビ番組がきっかけで有名になった名曲「ゴーストライター」
「ゴーストライター」は2ndフルアルバム「Chime(チャイム)」に収録されています。
全14曲収録の内、13曲目が「ゴーストライター」です。
「ゴーストライター」は番組「スカッとジャパン」のテーマソング。
その中の「ファミリースカッと」のコーナーで流れたことで有名になりました。
そもそも、タイトルになっている「ゴーストライター」という意味はなんでしょうか。
ゴーストと聞くとネガティブなイメージを感じるかもしれません。
しかし作家の中には耳が聞こえないなどの理由で、自分で著作物を制作できない人もいます。
ゴーストライターとは、その人の脚本や記事を代わりに制作する人のことなのです。
実はこのタイトルは、ゴーストライターの意味と歌詞の内容が大きくかかわっています。
そしてこの歌詞は一体何を求めているのでしょうか。
また、もがく「あなた」という相手を覗く理由とは何でしょうか。
これらを独自の視点で考察していきます。
この曲の特徴とは?
作詞したのは、優しそうなルックスでイケメンとして人気絶頂なsumikaのメンバー・片岡健太さん。
通称「おがりん」と呼ばれる方です。
この曲は全体的に優しく落ち着いた空気感が特徴的。
「弱々しい光だけど大切な人を守りたい」というコンセプトで作詞作曲されています。
曲の前半は大切な人が何かに苦しんでいて、それを主人公が見守っている…というイメージです。
そして後半にかけて迫力が出てそんなあなたを私が守りたいという強い意思がみられます。
片岡健太さんの優しい声が、なおさら雰囲気を出していますね。
ネット上でも、「心に響くものがある」などといった意見がありました。
番組では家族の物語で流れていたので、恋愛というよりは親子や兄弟などの家族愛といえるでしょう。
「あなた」と主人公の関係性とは?
薬で保つような
笑顔ならもう作らなきゃいい
大人らしいあなたを
見上げるように覗いています
出典: ゴーストライター/作詞:片岡健太 作曲:黒田隼之介・小川貴之
この歌詞は、大切な人に向けての言葉です。
大切な「あなた」は病気なのでしょうか、薬で治療をしています。
しかし主人公は薬で元気を保てたとしても、その偽りの笑顔はもう見たくないようです。
そんな「あなた」を近くではなく、遠くのほうから見守るしかできない主人公がいます。
「あなた」は薬で笑顔を保てていようが、主人公にとって大切な人なのです。
ちなみにこれは、片岡健太さん自身のことでもあります。
片岡健太さんは2015年で4ヵ月の間、喉の不調・頭痛・眩暈のために活動休止をしていました。
今では完治していますが、そんな状況はアーティストにとって辛くて悔しいことだったでしょう。
自分のせいで周りの仲間やファンに迷惑をかけてしまったと思ったのかもしれません。
そんな状況を乗り越えたからこそ、書けた歌詞ではないかと思われます。
深い海のような「あなた」
暗い暗い暗い
海の中であなたはもがいて
暗い暗い暗い
闇の中で疼いて
出典: ゴーストライター/作詞:片岡健太 作曲:黒田隼之介・小川貴之
これは英語の「cry(叫ぶ)」と日本語の「暗い」を掛けていると考えられます。
暗くて深いブルーな海。
「あなた」は海のように深い所まで落ち、息もできないほど苦しく叫びもがいている状況です。
これはその相手が何かに悩み、かなり落ち込んでいる状態ととらえられます。
主人公の気持ち
笑わせて
眠らせて
包ませて
愛させて
満たされた
あなたがいいのに
まやかし
出来ないまま
出典: ゴーストライター/作詞:片岡健太 作曲:黒田隼之介・小川貴之
「あなた」は主人公にとって、楽しくて温もりを与えてくれる大きな存在のようです。
その上愛してもいるでしょう。
しかし主人公は、その愛をごまかしてしまったようです。
そのためなのか、「あなた」に対して何もできずにいました。
そんな自分を悔やんでいる状態です。
落ち込んでいる「あなた」と、それを傍から覗き見ることしかできなくて悔やんでいる主人公。
これは誰もが一度は経験していることなのではないでしょうか。