amazarashiについて

「メーデーメーデー」(amazarashi)に見る社会の闇...!聴く人の心を掴む歌詞の意味を解釈!の画像

まず、『メーデーメーデー』を生み出したamazarashiについて簡単に紹介します。

amazarashiは青森県に住んでいる秋田ひろむを中心とする日本のロックバンドです。彼らは「アンチニヒリズム」をコンセプトとしています。

悲しみや絶望を鋭く描きながらもそれを抱えて生きるという希望が感じられる胸に響く歌詞が最大の魅力です。

歌詞の意味をしっかりと捉えてほしいという想いから、メディアに顔を出さない独自のスタンスを貫いています。

唯一無二の存在として認めれれている注目すべきバンドamazarashiです。

『メーデーメーデー』とは

「メーデーメーデー」(amazarashi)に見る社会の闇...!聴く人の心を掴む歌詞の意味を解釈!の画像

まず、amazarashiの楽曲である『メーデーメーデー』の収録作品など、概要について紹介します。

ミニアルバム『虚無病』収録

『メーデーメーデー』は2016年10月に発売されたamazarashiのミニアルバム『虚無病』の最後に収録されている楽曲です。

タイトルとなっている『虚無病』とは、このミニアルバムのために描き下ろした物語の中で秋田ひろむが考えた架空の病名です。

中島美嘉への提供曲である『僕が死のうと思ったのは』や、タイトル曲の『虚無病』などが収録された聴きごたえのある内容となっています。

楽曲は全5曲ですが、amazarashiの唯一無二の世界観を存分に楽しめるおすすめのミニアルバムです。

初回限定盤にはライブDVD・小説・ダウンロードコードが付属する豪華な仕様となっていました。

この『虚無病』のために書き下ろされた小説は下記の特設サイトでも読むことができます。ファンの方は必見ですよ。

amazarashi NEW MINI ALBUM 「虚無病」 2016.10.12 RELEASE

エッジの効いた歌詞が魅力

『メーデーメーデー』は、ヒップホップのテイストが感じられるサウンドとエッジの効いた歌詞が魅力です。

まくしたてるように連なる言葉の塊が、社会の闇を的確にあらわしています。

そして、この曲は現代に社会に対する怒りや疑問を投げかけるだけでなく、amazarashiが考える答えも示されているのです。

とても考えさせられる歌詞だと思います。

歌詞の意味を解釈

『メーデーメーデー』の気になる歌詞の意味を解釈していきたいと思います。

思考の停止

茫漠たる享楽の混濁する網膜を 老若男女すべからく漂白するコンダクト
思考なきマスゲーム 堕落の行進曲 反旗も空しく 価値と数の暴力 否応もなく
突き立てられる喉仏 己を殺せ 無明の権化 無能、クズも仏
色めき立つ世俗共の純粋なるアンチで 近代合理主義のここどん詰まりにて

出典: メーデーメーデー/作詞:秋田ひろむ 作曲:秋田ひろむ

『メーデーメーデー』の歌詞はヒップホップのように巧みに韻を踏んでいることが特徴です。流れるように連なる言葉の響きが格好良いですよね。

「茫漠たる享楽」の部分はさまざまな快楽が入り混じってにごった目を、誰かれ構わずに無理矢理白くするように導くという意味だと思います。

コンダクトは「指導する、指揮する」という意味です。

「価値と数の暴力」とはお金や権力で人を支配することを指していると思います。

考える間も与えられずに進まされ、個性や意見を主張しようとすれば支配するものの暴力によって抑え込まれるのです。

「世俗共の純粋なるアンチ」とは、大勢の人が賛成する意見をあたかも自分の正義のようにふりかざす人のことでしょう。

反対意見や少数の意見はさまざまなそういった「アンチ」や「暴力」にかき消され、思考を停止していきます。

テレビの向こうの多数の犠牲者には祈るのに この電車を止めた自殺者には舌打ちか
溜め息に似た自覚無き悪意が ファストフードの油の匂いみたいに飽和している東京

出典: メーデーメーデー/作詞:秋田ひろむ 作曲:秋田ひろむ

テレビのニュースで事故が起こればその「多数の犠牲者」には悲しみを感じて祈りを捧げます。

しかし、通勤途中や仕事で疲れた帰り道に「電車を止めた」1人の自殺者には舌打ちをします。その命の重さの違いとは何なのでしょう。

「溜め息」のように思わずこぼれてしまう自分でも気がつくことのない「悪意」は怖いですよね。

そのような自覚の無い悪意は「ファストフード」の店の油のにおいのようにどこにでも溢れていると批判しています。

シスター どうか慈悲を我らアウトランダー 背徳とはなんだ 善は悪を孕んだ
罵ったあとですぐ抱きすくめる「この売女」

出典: メーデーメーデー/作詞:秋田ひろむ 作曲:秋田ひろむ