天からの贈り物を歌うポルノグラフィティの25thシングル
ポルノグラフィティらしい明るさと、勇気をくれる優しい曲調が印象的。
「贈り物」を意味する「ギフト」のタイトルにぴったりです。
その優しさを象徴するように、公開されているMVものどかな森の中で歌うボーカルの岡野さんの姿が。
ギターを担当する新藤さんは、岡野さんの側でうろうろ。
なんだか、お二人の様子はちょっと対照的?
でも平和でなんだか微笑ましい光景です。
演奏の場面はなく、少しメルヘンチックな雰囲気で絵本のような仕上がりになっています。
まさに「贈り物」のイメージにぴったりな映像ですが、歌詞は誰もが感じる葛藤が描かれています。
「贈り物」とは誕生日やプレゼントに贈られるプレゼントだけではありません。
生まれつき持っている才能や容姿も、一種の贈り物とされます。
よく「天からの贈り物」や、「神様がくれたもの」と呼ばれるものですね。
ポルノグラフィティが歌う「ギフト」とは、その「生まれつき持っているもの」のことなのです。
いったいその「ギフト」から、どんな物語が紡がれるのでしょうか。
歌詞を一緒に見ていきましょう!
映画『フライング☆ラビッツ』主題歌
「ギフト」は、映画『フライング☆ラビッツ』の主題歌としてタイアップされました。
『フライング☆ラビッツ』は、日本航空に入社した新人キャビンアテンダントのお話です。
新人キャビンアテンダントの早瀬ゆかりは、あることをきっかけに会社のバスケットボール部に入ることに。
しかしそのチームには、同姓同名の人物も入部していたのです。
キャビンアテンダントとバスケットボールという、少し意外な組み合わせ。
彼女はどんな「ギフト」を見出すのでしょうか?
その答えは是非、映画で確かめてみて下さいね。
自分の力に悩んで
神様は誰にでも、生まれた人に「ギフト」をくれます。
たとえば容姿だとか、才能だとか。
しかしもらった側としては、「不公平なんじゃないか」と思ってしまうこともあるかもしれません。
天才と呼ばれる他の人を見ると、ついそう感じてしまうでしょう。
そしてそのような悩みは、多くの人々が抱えているものです。
誰もが共感する歌詞を見ていきましょう。
ギフトとは
生まれながらの才能のことを神様のギフトと人は
呼ぶらしいけれど僕のはちっちゃい箱だな
出典: ギフト/作詞:新藤晴一 作曲:岡野昭仁
この歌詞でいう「ギフト」とは、「天性の才能」のことのようです。
芸術やスポーツのようなものは、そんな「才能」に大きく左右されます。
そうでなくとも、才能があるとされる人は何かと注目されます。
あっという間に有名になるでしょう。
しかし、周りの人はそれを見て面白いはずがありません。
他人の幸せを素直に喜ぶのが理想だと分かっていても、複雑な気持ちは拭い切れないでしょう。
そして、自分の才能のなさに落ち込んでしまうのではないでしょうか。
主人公の「僕」がもらった「ギフト」は、小さい箱に入っているようです。
「箱」の中にあるのが「才能」と思われます。
箱が小さかったら、多くの人は「あまり才能がない」と考えるのではないでしょうか。
小さな箱に大きな「ギフト」を入れるなんて、物理的に不可能なのですから。
つまり、「僕」は「才能がなくて落ち込む側」の人間なのです。
大きな箱を持っている人を見かけて、そう思ったのかもしれません。
「僕」のギフトは恵まれない?
リボンもなくて色だって地味で みすぼらしいその箱が
なんか恥ずかしく後ろ手に隠していた
最初に空を飛んだ鳥は翼を広げた格好で
どのくらい助走をつけて地面を蹴ったんだろう
出典: ギフト/作詞:新藤晴一 作曲:岡野昭仁
大きくて豪華でカラフルな箱を持っている人を見て、恥ずかしくなってしまったのでしょう。
そんな箱を持っている人は、「僕」にとっては間違いなく「才能がある人」です。
その人の力の前で、「僕」は己の力を痛感したのでしょうね。
「あの人に比べたら僕なんてダメだ」と感じて、自信を失ってしまいます。
自信がなければ、「僕だってこんなことができるんだぞ」と張り合うことすらできません。
結局自分の力を出すことができないまま、「すごいね」と言って終わってしまうのでしょう。
三行目の「最初に空を飛んだ鳥」は、恐らく「初めて成功した人」のことだと思われます。
その成功者はどのくらい努力したら成功できたのだろうと、思いを馳せるのです。
心が重くて
自問自答きっとそこには答えがないことを
意外と前に気付いてたかも 悩んでる自分に酔っていた
明日に架かる橋はもろくも崩れそうで
今行かなくちゃ 駆け抜けなくちゃ 心さえ軽やかに行けたら
出典: ギフト/作詞:新藤晴一 作曲:岡野昭仁