苦しみから解放されるためには自分を信じること
愛するのは、自分だけ。
目で視て耳で聴いて
鼻で嗅いで指で触れて、
そして舌で味わった
私の体験こそが、
何にも代え難く尊いのである。
出典: 鶏と蛇と豚/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎
少し話を戻しますが、この曲には般若心経が使われています。
般若心経とは、悟りの境地にいくための方法を記したもの。
その内容を超簡単にまとめると
「物事や形には実体がない。
実体があるのは頭の中であれこれ考えるからだ。
目で見る光景、耳で聴く音、鼻で嗅ぐ香り、舌で感じ取る味、肌で感じる温度や触り心地。
そんなものは実際に存在しない。
自分の感覚や心に捉われるな。
それが悟りというものだ。」
といった感じでしょうか。
これに対して「鶏と蛇と豚」では真逆のことを歌っています。
自分が体験したこと、それが何よりも一番尊いのだ!
つまり悟りを開くことは不可能だから、できることはこれだけ。
他人と比べることにこだわらず自分を信じること。
それが何よりも苦しみから逃れられる生き方だよ、と伝えたいのではないかと思います。
最後に
昔から人々を苦しめてきた三毒。
三毒から解き放たれる答えは既に分かっているのに、私たちは未だに三毒を大きくしていくばかりです。
承認欲求を満たすためにSNSで過激な投稿を繰り返す。
現実逃避のために違法薬物に何度も手を出してしまう。
賭け事にハマり、どんどん借金を重ねていく。
「鶏と蛇と豚」は、そんな現代の膨れ上がっていく三毒を上手く表現しているMVです。
最終的に、私たちは三毒とどう向き合っていくべきか。
今まで気にも留めていなかった自分の煩悩について、深く考えさせられる作品でした。
毎日生きていることがしんどい、つらい。
そう感じている人は、この仏教ならぬ林檎教の世界に浸かってみては?
椎名林檎のおすすめ楽曲
数々の名曲を世に生み出してきた椎名林檎さんですが、独特な世界観を持っているのです。
歌詞の意味が深く、何度も聴きたくなってしまう中毒性を感じるのは一体どうしてなのでしょうか。
なぜここまでみんなを虜にしてしまうのか、そんな彼女のおすすめ楽曲を紹介いたします。
それぞれの楽曲のポイントだけ簡単に説明してありますので、続きが気になった方は関連の記事をご覧ください。
丸の内サディスティック
1999年に発売されたアルバム『無罪モラトリアム』に収録されている「丸ノ内サディスティック」。
リズムに乗りやすい軽快な音楽と、色っぽさを感じる椎名林檎さんの歌声が印象深い楽曲です。
この楽曲は、丸ノ内線をモデルに製作されています。
そのため、丸ノ内線の停車する駅が歌詞の中に登場しているのです。
椎名林檎さんが行う作詞には、意味が深いものが多くその意図を探るには要素が多すぎます。
この「丸ノ内サディスティック」という楽曲もその意味深ソングの一つで、じっくり読み解いていく必要があるでしょう。
下記の記事では、その意味について詳しく説明しています。
是非参考にしてみてください。
椎名林檎【丸ノ内サディスティック】歌詞の意味を解説!警官ごっこって何?ピザ屋の彼女になりたい真意とは - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
妖艶でアーティスティックなその独特の世界観でデビューから絶大な人気を誇っている椎名林檎。その代表曲ともいえる「丸の内サディスティック」での”ピザ屋の彼氏になってみたい”等の歌詞はどういう意味なのでしょうか。
ここでキスして。
椎名林檎さんの3枚目のシングル「ここでキスして。」は1999年に発売されました。
同年に発売した『無罪モラトリアム』にも収録されています。
欲望が溢れる歌詞と色気のある歌声が特徴の楽曲です。
PVを観てもわかるように、その色気は世の中に衝撃を与えました。
当時の同年代シンガーたちより群を抜いて色気を感じさせるこの曲は、椎名林檎という歌手の魅力を主張しているように思えます。
「ここでキスして。」というタイトル通り、この楽曲は好きな男性にアプローチするような内容です。
甘えたような歌声と歌詞に、こう思われたいと思った男性も多いはず。
そして同時に、この曲の主人公に共感する女性も多くいたのです。
男女ともに人気のある楽曲だということがわかります。
椎名林檎「ここでキスして。」の歌詞検索&動画視聴はこちら♪歌詞の意味が気になる!! - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
「濃厚で芳醇」。こんな言葉が似合う椎名林檎。独特の世界観を持ち、聴く人を選ぶ面があると思いきや、2016年リオ五輪・パラ五輪のフラッグハンドオーバーセレモニーに携わるなど、幅広い活躍をみせています。今回はそんな彼女の3rdシングル『ここでキスして。』について歌詞を含め深~くご紹介します!
シドと白昼夢
2001年にリリースされたシングル「真夜中は純潔」のB面「シドと白昼夢」。
Aメロまでは、バラードのようにしっとりと歌い上げている様子が印象的です。
しかしサビの部分では少し激しさを加えたポップな印象になります。
タイトルもそうですが、歌詞の内容にも疑問が残る作品です。
まるで物語を読んでいるような感覚に近い、椎名林檎さんの楽曲は、とても奥が深いと感じます。
ただ読んで聴いているだけではわからないものが、隠れているのでしょうか。
しっかりと考えて聴くことで、この楽曲の伝えたいことがわかるようなイメージです。
ぜひたくさん聴いて、その内容をじっくり考えてみてください。