「ズッ友」(神聖かまってちゃん)のMVがかなりの衝撃作！？出演俳優は？歌詞の意味を考察してみた！

MVには2人の人物が登場します。

1人はの子が演じ、もう1人の登場人物は俳優、モデルとして活動する藤田富が演じました。

話題となったのは、2人が演じた内容。

「男でも女でもない存在」を表現するため、2人はセーラー服に身を包んで演技を行い、時には抱き合い、時には互いに傷つけあうなど、濃密な絡みを見せました。

監督の山戸結希も「過酷な撮影だった」と振り返るなど、全身全霊の演技を見せた、の子と藤田富。

そんな2人から、強いメッセージ性を感じるMVに仕上がっています。

衝撃的なMVで話題の「ズッ友」ですが、歌詞の意味を考察することで、曲が表すメッセージにさらに迫っていきます。

1番のAメロとなる部分です。

歌詞とMVがリンクしている箇所もあるため、ここからはMVの内容にも触れながら、歌詞を考察していきます。

「春」「初恋」というワードに着目してみてください。

神聖かまってちゃんは、ピンク色を用いることでこの2つの言葉を表現しています。

「隠れ場所を探す」「教室を出て真実を見てほしいから」という歌詞にも注目しましょう。

これまでは、教室、あるいは性という「枠」の中に身を屈めていた2人ですが、「教室を出る」ことにより新たな世界へ旅立ち、物語が動き始めます。

1番サビの部分です。

ここでは「白」というワードに着目してみましょう。

PVでも、白を基調とした映像世界が描かれています。

「白」というと、「何にも染まっていない色」と言い表すこともできます。

まだ何にも染まらず、純粋にはしゃぐ2人が描かれているといえるでしょう。

そんな2人ですが、2番以降その関係性に変化が生じてきます。

2番Aメロの部分です。

「理科室の窓」の箇所が、MVとリンクしていますね。

ここでは、仲の良い関係だった2人が、激しくぶつかり合い、互いに傷つけあうシーンが描かれています。

その原因は、「自己の芽生え」。

「ママに言えない事ができてく」とあるように、MV中では藤田富演じる人物が、赤い口紅を塗り、の子を驚かせるシーンが見られます。

何にも染まっていない「白」から、「赤」に染まっていく姿を描くことによって、「自己」の表現を表しているのです。

その「自己」の押し付けにより、2人の間に摩擦が生じてしまいました。

2番サビの部分です。

歌詞中に「冷ややかな目」「社会を隣りしてズッこけていく」とあるように、「自己」を表現した藤田富に対し、周囲から激しい攻撃を受ける場面が、MV中でも描かれています。

「社会」というのは、「異端」をはじき出すシステムになっています。

だから、自己を表現することは一方で大きなリスクが生じる、勇気がいることなのです。

そのことを理解したの子。

藤田富を抱きしめ、受け入れるシーンがサビの最後の映像で描かれていますね。

曲中、Cメロとなる部分です。

「私の白い部屋」という歌詞は、まだ何にも染まっていない、の子の心情を表しているものと考えられます。

そこに、新しい世界に足を踏み入れた、藤田富が現れた。

彼の姿は、の子の目には「とても魅惑的なもの」として映ります。

「バイオロジカルを超えてく君」という歌詞からも、「君」が性別を超えた美しい存在として描かれていることが分かりますね。

曲中でラストのサビとなる部分です。

MVでは神聖かまってちゃんの演奏シーンとなっており、登場人物の2人がどうなったかは描かれていません。

しかし、歌詞中では「君んちに行った」「ずっと一緒にいられる？」「キスしたらズッこけていった」と、再び親密な関係に戻っている様子が伺えます。

曲の終わりの部分。

MVでは、卒業証書を手にした2人が手をつなぎ、互いに喜び合っているシーンが描かれています。

このシーンでは、2人の制服の色がピンク色に変化していることも分かります。

なかなか自己を表現できず、白色のままだったの子。

一方で、「赤色」という激しい自己表現を行ったことで、周囲から攻撃を受けてしまった藤田富。

この2人が、互いを受け入れ、認め合ったことで、2人は同じ色に混ざり合うことができたのです。

また、ここでのピンク色は、歌手中繰り返し出てくる「春」「初恋」を表した色だということは1番Aメロ部分でも書きました。

何気なく登場してきた歌詞が、物語を表す重要な伏線だったということが分かりますね。