連絡手段が限られていた時代は待つしかない時もありました。今夜彼女はきっと何時間も待つのでしょう。ちょっと用事があって、遅れているだけと信じて…立ち続けるのでしょうね。
武器はこの日のために準備をしていた
がくぶちのウラの金庫に かくしたコルトをとりだす
オレの手がふるえているのは 何もこわいわけじゃないさ
コルトはオレのパスポート 黒くてかたいパスポート
出典: アンダルシアに憧れて/作詞:真島昌利 作曲:真島昌利
ここでのキーワードは「コルト」ですね。コルトはアメリカ製拳銃の名前です。現実であれば銃刀法違反で捕まる事態ですね。
舞台はスペインですが、職業上必要としている人以外は銃の所持は禁止。 歌の世界ですからすべてを許しましょう。
コルトを手にして闘争心はMAX、スタッガーリーへ銃を向けることだけを頭に描いて家を出ます。
ドラマ仕立ての展開、Happy End を願いたい!
来ることを信じてホームで待つ踊り子の彼女。遅れても必ず行くことを信じて、ボスの命令に従った彼の結末は?
願いはむなしく、命は捧げられました
タクシーで港に着くと ボス達は青ざめていた
怪しい気配に気づくと オレ達は囲まれていた
暗闇からマシンガンが あざけるように火を吹いた
ボルサリーノははじけ飛び コンクリートにキスをした
出典: アンダルシアに憧れて/作詞:真島昌利 作曲:真島昌利
思ったより早い展開に言葉を失いました。タクシーから降りて、何歩も歩いていません。ほぼ瞬殺で闘いは終わってしまいました。
スタッガーリーのプライドは、駆け付けた彼を狙ったことで保たれたのでしょう。ちょっとドジなトニーと部下を信頼するボスも、同じ空に旅立った壮絶な場面を歌っています。
アンダルシアの空は明日も青い
うすれていく意識のなか オレはカルメンと踊った
アンダルシアの青い空 グラナダの詩が聞こえた
出典: アンダルシアに憧れて/作詞:真島昌利 作曲:真島昌利
彼の命は風前の灯です。それでも浮かぶのはカルメンと踊る姿。(カルメンはスペイン女子の名前の第3位。フラメンコに似合う名前です) 公私共々のパートナーだったんですね。
かけがえのない相手を失ったことを知らずに待ち続ける女子の姿が浮かびます。アンダルシアの空は青。自分が存在しないアンダルシアの空は、何も変わりなく青く続きます。
「グラナダ」はアンダルシア州の南にある都市。アルハンブラ宮殿が有名です。(スペイン旅行を計画するなら、まず候補に入れたい街)
仲間のために命を落とした、正義感をたたえる詩が手向けられました。
心の声は届かない、空から見守るだけ…
ちょっと遅れるかもしれないけれど
必ず行くからそこで待っていろよ
必ず行くからそこで待っていろよ
出典: アンダルシアに憧れて/作詞:真島昌利 作曲:真島昌利
もう彼は立ち上がることができません。心の中では待ち合わせ場所で待つカルメンに、必死で呼びかけています。必ず必ず行くからと叫ぶ声が、カルメンに届くことは二度とありません。
実はこんな人がカバー
桜木町からアンダルシアへ跳んだ? 意表を突かれた山崎まさよしさんのカバーCD。アンダルシアに憧れても歌ってます。板についた板前さん姿からアンダルシアが想像できません。