Creepy Nutsのミニアルバム
「助演男優賞」
「助演男優賞」はCreepy Nutsが2017年2月にリリースしたミニアルバムです。
“助演男優賞”というワードを聞くと、アカデミー賞などの名誉ある賞のイメージが浮かんできます。
主役を引き立たせるための、影の立役者的存在が助演なのです。
バイプレイヤーと呼ばれる俳優さんの中にも作品にいい味を出す人はたくさんいます。
助演でありながらも、時には主役よりも目立っている人もいたり……。
Creepy Nutsの楽曲「助演男優賞」にはさまざまな感情が込められています。
今はまだ主役にはなれない……けれどいつか来るチャンスを虎視眈々と狙っているのです。
これは、Creepy Nutsの2人のリアルな感情も込められているように感じました。
R-指定の渾身のリリックは心に突き刺さってくるようです。
雲の上の存在だと思いつつも、彼らは確実に下剋上の瞬間を待ちわびています。
いろいろな意味を持つ歌詞にも注目して、解釈していきたいと思います。
巧みな言葉遊びが散りばめられたリリック
あくまでも助演!だけど…
俺らは助演男優賞のノミネート候補
現場に急行
それでもどこか期待してる
夢見がちなBoysメンタル中坊
いつかは主役の座を奪う
ためにもMake Say Bow Wow
遠吠えが宙に舞う(Wow!)
記憶の引き金 カウントダウン3,2,1,0
出典: 助演男優賞/作詞:R-指定 作曲:Jordan Tarlow(ASCAP)/Bernard Yin(BMI)
R-指定のラップが序盤から炸裂します。
韻を踏みつつ、意味もしっかり込められた歌詞は本当に秀逸です。
この歌詞の主人公は、まだ主役ではなく、あくまでも脇役に徹している身です。
そんな状況でもやはりいつか主役になりたいと思っているのです。
歌詞からは、正統派なルートで主役を奪いにいくのではなく、棚からぼたもちを狙っているようにも見えます。
つまり、主役が何らかの事情でダメになったら、後釜に自分が入るようなニュアンスです。
もちろんそれなりの実績も必要ですが、後は運任せになります。
自分は本来ならばまだ主役にはなれない……。
でももしかしたら不慮の事故でそのポジションがまわってくるかもしれない。
そんな意味が込められているように感じます。
イケメンは何をしてもイケメン
笑われてこうぜ
立ってる 黙ってる
歌ってるだけでも絵になる奴らを
蹴散らすバース
手を変え品を変え Bounce Bounce
外様の分際でお邪魔します
群雄割拠 跳梁跋扈
口八丁 with 手八丁
チェケラッチョ のエキスパート
ギターよりタンテとデスペラード
Let' s Go!!
出典: 助演男優賞/作詞:R-指定 作曲:Jordan Tarlow(ASCAP)/Bernard Yin(BMI)
見た目のアドバンテージは表舞台に立つ上では重要です。
同じことをしているのに、ちょっとスタイルが良いだけでカッコよく見えたりします。
実力は圧倒的に優れていたとしても、見映えを優先されると負けてしまうのです。
そんな不公平を感じながらも、自分なりの個性を活かして戦っていきます。
この辺りの繊細な感情は、後ほどご紹介する「助演男優賞」のMVを見ると分かりやすいです。
脇役のままでは終わらない!
どうあがいてもしゃあない
俺ら主役の玉じゃない…
でもチャンスは頂戴
いつか主役の座が奪いたい…
Six Manで上等 助演男優賞
芸達者な名脇役 現場に急行
Hey Party People Everybody 注目!
正統派のベンチウォーマー毎回大逆転
出典: 助演男優賞/作詞:R-指定 作曲:Jordan Tarlow(ASCAP)/Bernard Yin(BMI)
自分は主役を張れるような見た目でもないし、変えられないものはしょうがない……。
そう思いながらも少ない自分の出番を最大限に活用していくのです。
画面に映る回数は少なくても、そこにインパクトがあれば印象に残ります。
そして誰かの目にとまれば評判になり、チャンスが巡ってくるかもしれません。
運に任せながらも、実力は着々と伸ばしていきます。
地道にコツコツと努力している様子も伺えますね。
田岡の不安要素とは?
Hey Come On! Do it like this
主役の小粋な計らいで
「見せ場はこん位、君の分 」と
頂いたパスなら決めたいぜ
しかも決勝点 スリーポイント
田岡が見逃した不安要素
見くびるな 見下すな
出典: 助演男優賞/作詞:R-指定 作曲:Jordan Tarlow(ASCAP)/Bernard Yin(BMI)