努力が実る瞬間を表す歌詞に“田岡の不安要素”を持ってくるところが素晴らしい発想です。
バスケ漫画のスラムダンクを読んだことがある方はご存知かと思います。
主人公の桜木花道が所属する湘北高校バスケ部のライバル校である陵南高校。
“田岡”というのはその陵南バスケ部の監督なのです。
湘北VS陵南戦にて、田岡監督は湘北の目立つ選手にばかりマークをつけていました。
他の選手のことは完全に見くびっていたのです。
その結果、マークしていなかった選手に決勝ポイントを取られて負けてしまいます。
ポイントを決めたのは、地味ながらも3年間しっかりコツコツバスケを続けていた選手(木暮)でした。
湘北の不安要素だと思っていたことは、結果的に田岡監督にとっての不安要素になってしまったのです。
スラダンを読んでいても見逃してしまうエピソードを「助演男優賞」の歌詞にうまく当てはめています。
間違いなくこの瞬間のスラダンは木暮君が主役だったでしょう。
主役よりも人気のあるもの
マイナスをプラスに変えるマスター
We are 蕎麦屋のかつ丼 牛丼屋のカレー
またはバナナワニ園のレッサーパンダ
ダークナイトで言えばジョーカー
ブラックレイン 松田優作
ロックフェスでのクリーピーナッツ
時として主役を喰っちまう
そんな 音楽響かしてこうや兄弟
出典: 助演男優賞/作詞:R-指定 作曲:Jordan Tarlow(ASCAP)/Bernard Yin(BMI)
主役よりも目立つ存在…それは意外と身近にもあったりします。
特に松田優作さんが出演した『ブラックレイン』。
彼は、脇役でありながらも迫真の演技が世間から注目されていました。
ここに登場する全てのものが主役よりも目立っている人気のものばかりです。
多くのアーティストが出演するフェスで主役の座を勝ち取りたいCreepy Nutsの気持ちがよく伝わってきます。
待ちに待った日が来た
虎視眈々と狙っている
準備はいつでも出来ている
「変わりなんていくらでもいる」
なんて言われ過ぎて もう慣れている
今か今かと待ちわびた結果
今ここに立って歌ってる
誰も待ってないかもしれないけど
お・ま ・た ・せ!!
出典: 助演男優賞/作詞:R-指定 作曲:Jordan Tarlow(ASCAP)/Bernard Yin(BMI)
ついに努力が実り、主役の座を勝ち取ることができました。
苦しい時期もあったけれど、脚光を浴びることへの喜びの方が大きいと思います。
「助演男優賞」は、いつか1番になりたい人に勇気を与えてくれるような歌詞でした。
まさに助演男優賞!なMVに注目
最初に画面に登場するのはいつもと違うCreepy Nutsのアーティストロゴ。
そしてR-指定とDJ松永に似ているイケメン2人が現れます。
なんと彼らがCreepy NutsとしてTVに出演しているのです。しかも1位!
それを本物のR-指定とDJ松永がポカンとした表情で見ています。
何故このイケメン2人がCreepy Nutsになっているのでしょうか?
それには理由があるのです。
舞台は某レコード会社に移ります。
Creepy Nutsをオリコン…ではなくオリゴン1位にするための会議中です。
テーコ喜多川という謎の女性が登場し、Creepy Nutsが売れるための秘策を発表します。
それは、アーティストロゴや服装、そしてR-指定とDJ松永を全てスタイリッシュに変える作戦でした。
もはや別人なんですけどね(笑)
この時点で「助演男優賞」の意味がなんとなく伝わってきます。
イケメンにすり替わったCreepy Nutsは若い女性に大人気のアーティストになりました。
CDもグッズも雑誌も売れまくりです。
本物のCreepy Nutsの2人は完全にイケメンの影武者になってしまいます。
助演というよりは、まるでゴーストDJ&MC状態ですね。
イケメンCreepy Nutsはどんどん売れて、世界的アーティストのジャスティン氏にも認められます。
ところでこの話、どこかで聞いたことありませんか?(笑)
これは、ピコ太郎が配信した「PPAP」の動画にジャスティンビーバーが“いいね”をしたエピソードのパロディです。
世界でも宇宙でも人気になったイケメンCreepy Nuts。
しかしとんでもないニュースによってその地位は一気に転落してしまいます。
まずイケメンRが薬物所持というニュースが報道。
そして、イケメンDJ MATSUは不倫報道。
彼らをCreepy Nutsに仕立てた張本人のテーコ喜多川は脱税疑惑報道。
これも、近年のワイドショーでよく見るニュースのパロディのようです。
もちろんイケメンCreepy Nutsの人気は急降下してしまいました。
なんの罪もない本物のCreepy Nutsの2人は残ったグッズの在庫とともに事務所を追い出されます。
しかし、彼らの心にあるのは怒りではなく、イケメンCreepy Nutsに対する“ざまあみろ”という気持ちだけです。
自分が表舞台に立つならば、やはり主役の座にのし上がらなければなりません。
このMVの場合は、主役の座をイケメンに奪われたCreepy Nutsがそれを取り戻すストーリーです。
下剋上感は歌詞だけでなく、MVにも分かりやすく表現されていました。
MVに出てくるCreepy Nuts役のイケメンは誰?
本家Creepy Nutsを困惑させた、イケメンCreepy Nutsはいったい誰なのか?
気になったので調べてみました。
R-指定役を演じていたのは?
イケメンCreepy NutsのRを演じていたのは俳優の中村織央(なかむらおずの)さんです。
映画『永遠の0』や『グラスホッパー』など多くの有名作品に出演されていました。
ワイルドな雰囲気が魅力的な俳優さんです。
髪型やヒゲの感じが本物のR-指定になんとなく似ていますね。
DJ松永役を演じていたのは?
イケメンCreepy NutsのDJ MATSUを演じていたのは俳優の上原一翔(うえはらいちか)さんです。
『黒子のバスケ』など舞台作品を中心に活動されています。
シュッとした正統派イケメンで、スーツがとっても似合っていました。