離れ、残してきた人たち
しかし、再度このフレーズがきます。
思い人はもういないかもしれません。 でも、それ以外にも離れた人たち、残してきた人たちがいるはずです。
親兄弟でしょうか。思い人の大切な人でしょうか。
もしかしたら、主人公以外にも國を出なければならない人がいる。
自分と同じ気持ちであろうその人たちの心情を代弁したのかもしれませんね。
冒頭と同様のフレーズだがその真意は?
もう一度最初のフレーズに戻ります。
天災が起こっていたのならば屋根を打つ雨も、主人公自身の悲しみをさらに増幅させるでしょう。
しかし、それ以上に郷里の歌が自分の胸を打つのです。
自分は二度と戻らない。 亡くなった思い人も戻ってこない。
それも大きな刻の流れ(=宙)と捉えているようです。
しかしそれを包んでくれる、優しい郷里の歌。
悲しみの中にある、一縷の光のような歌ですね。
郷里の存在、それは心のよりどころ
別れはいつも突然やってくるものです。
それは「家を出る」などの比較的日常感のあるものから、死別まで様々な形があります。
別れは悲しい記憶しか残さないものでしょうか。
中島みゆきさんの歌声を聴いていると、そんなことはないと感じます。
その人との思い出、楽しかったこと、嬉しかったこと。
それら全てが歌になって響いてくるようです。
もしあなたが誰か大切な人を残してきたのだとしたら…。
この歌を聴いて思いをはせてみるのも良いのではないでしょうか。
我々にとっての「離郷の歌」こそが救いの歌なのものしれません。
最後に
中島みゆきさんは「地上の星」「糸」など、今なお語られる名曲を紡がれています。
中には、今回紹介した「離郷の歌」のように歌詞がやや難解なものも。
しかし、そこが魅力的であると感じている方も多いのではないでしょうか。
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