長渕剛の名曲「素顔」とは
長渕剛の名曲「素顔」は1979年にリリースされた2枚目のオリジナルアルバム『逆流』に収録されている楽曲です。
今から(2017)38年も前の曲ですが、いまだに多くのファンを魅了する名曲です。
ここ最近の長渕剛の楽曲とくらべてだいぶテイストが違う曲ですが、この曲がリリースされた1979年の時代背景を含め、歌詞から歌の真意を紐解いてみたいと思います。
「素顔」がリリースされた1979年ってどんな年?
アルバム『激流』がリリースされた1979(昭和54)年はどのような年だったのでしょう。
この年の1月、江川卓が阪神タイガースと一端契約を結び、巨人にいた小林繁と電撃トレードして巨人に入団、これが族に言う「空白の一日事件」と呼ばれマスコミで大きく取り上げられました。
4月には藤子・F・不二雄作、アニメ「ドラえもん」(テレビ朝日)の放送開始。
5月には「週刊ヤングジャンプ」(集英社)創刊。
7月、SONYが「ウォークマン」を発売しました。
10月、伝説の刑事ドラマ「西部警察」(テレビ朝日)と数多くのスターを生んだ「3年B組金八先生」(TBS)が放送スタート。
同月、韓国の朴正煕大統領(朴槿恵元大統領の父)が暗殺されました。
1979年の長渕剛
1978年、1stシングル「巡恋歌」で本格的に歌手としてデビューした長渕剛。翌1979年3月に1stアルバム『風は南から』、そして同年11月に2ndアルバム『逆流』をリリースしました。
この年の4月から9月まで、人気深夜ラジオ番組「オールナイトニッポン」(ニッポン放送)の水曜日第2部。
10月から1980年9月まで、金曜日第1部のパーソナリティを務め、若者から絶大な支持を得るようになりました。
アイドルとの結婚、そして離婚
1981年、当時アイドルだった石野真子と結婚(仲人は吉田拓郎・浅田美代子夫妻)しましたが、83年には離婚しました。
同年8月に放送されたドラマ「家族ゲーム」(TBS)で初主演を務め、これを機に本格的に俳優活動を始めました。
1986年放送された「親子ゲーム」で志穂美悦子と共演。87年に志穂美悦子と再婚し現在に至ります。
1988年放送、ドラマ「とんぼ」(TBS)が大ヒット、さらに主題歌「とんぼ」はミリオンセラーとなりました。
このドラマ以降「長渕剛はちょっとコワイ人(任侠キャラ)」というイメージが付いたのかもしれません。
デビュー当時はヒョロヒョロだった長渕剛
いまでこそ筋骨隆々な長渕剛ですが、デビュー当時はロン毛でヒョロヒョロした体格でした。
もともと体が弱く体力不足でライブ続行をドクターストップされるほどだった長渕剛は、40歳を境に肉体改造に取り組みます。
ライブで観客に最高のパフォーマンスを見せる!という意気込みで体を徹底的に鍛え上げました。
今年(2017)で61歳になった長渕剛。とても還暦には見えません。
そのストイックさが長渕剛の歌のみなもとなのかもしれません。
名曲「素顔」とはどんな曲?
「素顔」作詞・作曲:長渕剛
かつて交際していた男女の愛を描いた歌です。男も女も愛に不器用なタイプです。
そしてこの曲は女の問いかけに男が答えています。その答えの中にはまだ、愛情が残されているのです。
それではさっそく歌詞からこの歌の真意を紐解いてみましょう。
彼の愛を信じられない彼女
夜の顔を 鏡で映せば
なんて悲しい顔なの
強がりばかりで 素直になれない
なんて悲しい顔なの
こんな私の どこが好きなの
なぜにそんなにやさしいの
出典: 素顔/作詞:長渕剛 作曲:長渕剛
女はかつて男から手鏡をもらいました。
その鏡には、あの頃とはすっかり変わってしまった自分の顔がありました。それは時を経て大人になったとも言えるし、擦れてしまったとも言えるのです。
それでも男は女のことが好きなのです。でも女は、今の自分が男から愛されるに値しないと思っています。
だから「こんな私のどこが好きなの」と言ってしまうのです。