現実は甘くない
けれど、現実はそう甘くはありません。
歌詞の二行目で早くもその望みは打ち砕かれます。
ムリだった!生き物だから それはムリだった
出典: オトナノススメ~35th 愛されSP~/作詞:増子直純 作曲:上原子友康
そう、生きてさえいれば必ず歳はとるもの。
自動的に「大人」と呼ばれる年齢になってしまうわけです。
歳をとったら…
そして歳をとるにつれ、甘くない現実はさらにのしかかります。
「働きたくないし 遊んで暮らしたい」
甘かった金もなかった 寝てるだけでも腹へるし~
出典: オトナノススメ~35th 愛されSP~/作詞:増子直純 作曲:上原子友康
社会に出たら、自分で働かなくては食べていけません。
お金を稼がなければお腹もふくれない。
子供は遊ぶのが仕事といわれるものですが、歳をとって「大人」になったらそうはいかないのです。
魅力的でない「大人」像
ここまで見てきた「大人」は、あまり素敵なものではないように聞こえます。
仕事をしなくてはいけない、好き勝手に遊んでいられない、自由がない。
子供の頃、現実にいる大人に、そんなネガティブな印象を抱いていた方も多いのではないでしょうか。
反抗の対象としての「大人」
そんなことはない、と言えるのは…
そんなネガティブなイメージに対して、彼らはこう歌い上げます。
三十かそこら辺りで つまらねェ大人へと
避けられぬ悲しきさだめ ウソだ!それはデタラメだ!
オトナはサイコー!オトナはサイコー!
出典: オトナノススメ~35th 愛されSP~/作詞:増子直純 作曲:上原子友康
なんと、「オトナ」はいいものだ、と高らかに宣言するのです。
このフレーズの二行目まではあんなに「大人」に否定的だったのに、どうしてなのでしょうか。
それは彼らの歌う「大人」と「オトナ」が別物だからです。
「大人」を信じるな
「Don’t trust anyone over 30」。
こんなフレーズを耳にしたことはありませんか。
これは1960年代の、ヒッピーとよばれる若者たちや、反戦運動家が標榜した言葉の一つです。
直訳すると「三十歳以上の人間は、誰も信じるな」。
三十代以上の「大人」が持つ古い価値観から逃れ、自由になりたい。
新しい価値観を求める若者の、強い意志の現れた言葉です。