ここから楽曲の1番のサビパートです。
まず1行目の歌詞が、この楽曲では何度も登場するフレーズとなっています。
何故主人公は「飽きない」と歌っているのでしょうか。
この言葉にはどのような意味が込められているのか考えてみましょう。
これは恋人と過ごす時間のことを指しているのでしょう。
2人で過ごして他愛もない話をしたり、どこかへ出かけたりすることが楽しくて仕方がないことが分かります。
主人公にとって、彼との時間がかけがえのないものであることが分かる表現です。
また、2行目では若さや気持ちの高ぶりが原因ではないかと考えていることが分かります。
一過性のものであるかもしれないという不安も感じているのでしょう。
この気持ちが本当にお互いへの愛情を示しているのかどうか。
それを知りたいと感じている主人公は、3行目で抱き合うことでその気持ちが本物かどうかを確かめようとしています。
抱き合って愛情を確かめることで、主人公は自身の不安を払拭したいと考えているのでしょう。
主人公の健気さ
あなたが振り返らなくても
姿が見えなくなるまで
気づかれないように見送る
できないことも頑張って
やってみようと思ってる
出典: 祝日/作詞:カネコアヤノ 作曲:カネコアヤノ
ここでは主人公の健気な恋人への想いが垣間見えます。
帰宅する時間になって、去っていく恋人の後ろ姿を名残惜しそうに見送る主人公の姿が目に浮かぶようです。
そして3行目では主人公が露骨に彼を見送るのではなく、盗み見るかのようにさり気なく彼を見送っていることが分かります。
自分の溢れ出る好意を彼に悟られないようにしているのでしょう。
4行目以降では恋によって前向きに変わっていく主人公の内面が表されています。
今まではできないからとやらずにいたことも、頑張れるようになったのには恋人の影響があると考えられるでしょう。
恋をすることによって生じるポジティブな心境の変化が表現されています。
2人の未来を作る
恋の効用
幸せのためなら
いくらでもずる賢くいようよ
いつまで一人でいる気だよ
出典: 祝日/作詞:カネコアヤノ 作曲:カネコアヤノ
ここではどこか棘のある言葉で自身の気持ちを語っています。
これは主人公と恋人の関係を歌っているというよりも、私たちへ語りかけるかのような言葉にも聞こえる歌詞です。
恋をすることによって幸せを手に入れることがずる賢い行為であるという捉える人もいるでしょう。
しかしそんな人々を跳ね除けるかのように、1人でいるのではなく恋をしようと語りかけているかのような歌詞。
1人でいるのは他者との親密な関係を避けることでもあります。
それによって傷つくことも減りますが、同時にそれだけ幸福を逃しているということでもあるのかもしれません。
主人公にとって幸せになるための近道というのは、大切な人と一緒にいることだと考えているのでしょう。
「祝日」が意味するもの
飽きないな
若気の至りか どうでもいいことだ
出典: 祝日/作詞:カネコアヤノ 作曲:カネコアヤノ
最後のサビで歌われるこの一節は、カネコアヤノならではの芯の強さを感じさせるものとなっています。
特に2行目の「どうでもいいこと」という言葉は一見、投げやりな言葉にも見えます。
しかしながら、彼女の歌声で歌われることによって、そんなことは些細なことだという意味に聞こえてくるのです。
2人でいることが「飽きない」ということが、もしかしたら一過性のものなのかもしれない。
そんな不安さえもうどうでもいいと思ってしまうほどに、主人公にとってこの恋は何物にも代え難いものなのでしょう。
カネコアヤノにとっての恋
これからの話をしよう
祝日 どこに行きたいとか
出典: 祝日/作詞:カネコアヤノ 作曲:カネコアヤノ
そしてこの楽曲のラストで歌われるのはこれからの予定を立てる2人の姿。
明るい未来の話をすることによって目前の不安も払拭しようとする主人公の前向きな姿勢がここには表れています。
「祝日」に行きたい場所を決めるというのは、大げさにいえば2人の未来を決めるということでもあるでしょう。
ここではそうした明るい未来を思い描くことで2人の未来を作っていこうという主人公の姿勢が感じられます。
この「祝日」という楽曲の歌詞は、カネコアヤノの恋に対しての価値観が感じられるものでした。
まとめ
今回はカネコアヤノの「祝日」の歌詞の意味を解説してきました。
「祝日」は恋する若者の赤裸々な気持ちが語られている楽曲。
カネコアヤノ節ともいえる、私小説的な雰囲気の漂う歌詞は現代の恋愛の形を鮮明に捉えています。
この記事を読んでいただいたことでより深く歌詞の意味を理解していただけていたら嬉しいです。
それでは最後に、この記事を気に入っていただけた方におすすめの記事をご紹介して終わろうと思います。
今回はカネコアヤノの「愛のままを」の歌詞解説記事と折坂悠太の「朝顔」の解説記事をピックアップさせていただきました。
カネコアヤノの「愛のままを」は彼女の愛に対しての気持ちが描かれた歌詞が魅力の楽曲です。
折坂悠太はカネコアヤノと同じく新世代のシンガーソングライターとして活躍する男性アーティスト。
「朝顔」はカネコアヤノの楽曲が好きな方はきっと気に入る美しい楽曲となっています。
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