恋に落ちたみたい
通りを駆け抜ける
ああ 君は何様なのさ
心が揺れて 調子が狂うな

出典: パレードは終わりさ/作詞:菊池遼 作曲:菊池遼

はやる気持ちのまま出掛けたら、最初からそう決まっていたかのように、主人公は恋に落ちました。

主人公が恋をした「君」は、きっと旅先で出会った相手なのでしょう。

心をかき乱す君に主人公は「何様?」なんて、またもや素直でない言葉を使っています。

自分が恋に落ちたことを、まだ認められていないのかもしれません。

思いもよらない出来事にあたふたとしている主人公の姿が目に浮かびますね。

主人公と君の関係は、これからどうなっていくのか。

胸の高鳴りが加速していきます。

君と現実を生きる

涙止まるまで
隣にいてあげる
I know パレードは終わりさ
此処から始めようぜ

出典: パレードは終わりさ/作詞:菊池遼 作曲:菊池遼

「何様」なんて言葉を使っておきながら、主人公は泣いている君の傍にそっと寄り添ってあげています。

先を急ぐ旅でもない。

だから、君が悲しくなくなるまでこうして傍にいる。

君と出会って、パレードは終わりました。

どこか夢心地のまま旅に出た主人公ですが、君の涙を見て現実感が戻ってきたのでしょう。

それはつまり、主人公が地に足をつけて生きられるようになったということです。

ここからはパレードについていくのではなく、君とともに歩んでいく。

夢から覚めた主人公は、君がいる現実の世界で楽しいことを探し始めたようです。

主人公の心境の変化

2番ではパレードが始まった時と終わった後の主人公の心境の変化が歌われています。

パレードをきっかけに主人公はどう変わったのか。

歌詞を読み解いていきます。

パレードがなくても笑っていられる

明日には
いつもの退屈な日々が戻ってくるとか
手を繋ごう
僕ら何もなくたって笑って過ごせるよ

出典: パレードは終わりさ/作詞:菊池遼 作曲:菊池遼

ずっと夢の中にはいられないのと同じように、パレードも毎日行われるわけではありません。

明日は特別なことなど何も起こらないかもしれない。

しかし主人公は、少しも悲観的にはなっていません。

パレードのような華やかで楽しい出来事がなくても、隣に君がいる。

それだけで日常は幸福に満ちていきます。

タイトルの『パレードは終わりさ』には、きっと「パレードがなくても笑っていられる」という意味もあるのでしょう。

主人公にとってパレードはきっかけにすぎません。

大切なのは夢から覚めて、現実に戻ってきた後のこと。

非日常を体験した後に日常をどう捉えるかというのが、この曲の1つのテーマなのかもしれません。

ありふれた幸福

パレードが終わった後も当然のことながら、主人公の人生は続いていきます。

楽しいことばかりでない人生。

それでも生きていこうと思えるのは、きっと大切な人がいるおかげでしょう。

パレードという特別な出来事をきっかけに、主人公はありふれた幸福を手にすることができました。

素直になりたい

声が枯れるまで
歌い続けて欲しい
ああ 僕は何様なのさ
口が悪くて ほんとにごめんね

出典: パレードは終わりさ/作詞:菊池遼 作曲:菊池遼

君の歌をもっと聴いていたい...なんて自分は何様なんだろう。

今まで君に対して使っていた言葉を、ここの歌詞では自分自身に対して使っています。

自分が素直でないことは主人公も自覚していたようですね。

天邪鬼な態度ばかり取ってしまってごめん。

この謝罪はもちろん君に向けて言ったものです。

気持ちを素直に伝えられない不器用な主人公のことが、だんだんと愛おしく思えてきましたね。

きっと君も主人公の本心に気づいていることでしょう。

小さな幸せの始まり

心晴れるまで
話を聞かせてよ
you know? パレードは終わりさ
此処から始めようぜ

探してたピースは
此処にあったんでしょう
I know パレードは終わりさ
さあ 笑ってみせて

出典: パレードは終わりさ/作詞:菊池遼 作曲:菊池遼