Oh ついて来る者は Scream N shout
覚悟決めて Put your fist in the air
胸張っていけ 目覚める時だ Brave heart

出典: HEAD BANGIN'/作詞:TAKANORI 作曲:T.Kura, TAKANORI

Scream N shout」の「N」はandを省略したもの。

並べられた二つの英単語は、両方とも「叫ぶ」という意味ですが、若干のニュアンスの違いがあります。

「Shout」はただ大きい声を上げるという意味に対して、「Scream」は悲鳴、恐ろしいものを見て上げる声になります。

そして二行目は、「空に向かって拳を突き上げる」と和訳することができます。

彼は、仲間たちに『行動すること』を求めています。

最初は恐怖でもいい、理不尽に対する怒りでもいい。とにかく、黙っていないで何かを叫べと訴えています。

自分の意志を主張しろ、と言っているように感じます。

空に向かって拳を突き上げたって、誰にダメージを負わせられるわけではありません。

別に何も変わらない、無意味なポーズです。それでも、闘う覚悟を決めたことを、周りに示せと言っているのです。

彼は、自分が生活するままならぬ現実にうんざりしているのでしょう。

俺は世界と戦うぞ。お前らはどうだ。俺と同じ気持ちなら、行動で示せ

そんな彼の想いが、応える仲間たちの喚声が、響いてくるような気がします。遂に彼らの進軍が始まったのです。

そして、重低音とともに、戦いの火蓋が切って落とされます。

戦いの比喩としての「HEAD BANGIN’」

呼びかけは止まらない!

Come on HEAD BANGIN’ Now like this×3
Come on HEAD BANGIN’ Hey Leggo!

出典: HEAD BANGIN'/作詞:TAKANORI 作曲:T.Kura, TAKANORI

曲名でもある「HEAD BANGIN’」というワードは、日本語でもよく使う通り、音楽に合わせて頭を振る行為を指します。

「Now like this」は「こんな風に」、「Leggo」はスラングで「let's go」と同じ意味です。

これを楽曲内の文脈に持ち込むと、戦いの様子そのものを表していると考えられます。

長く立ち尽くしていた自陣を飛び出して、全速力で敵陣へ向かう。

いよいよ目前に迫った敵へ殴りかかり、鋭い蹴りをかわしてカウンターを叩き込む。

全ての動きを「HEAD BANGIN’」という単語にたとえているのです。

メタ的に言えば、これはライブパフォーマンスでアーティストが観客を煽る部分でしょう。

サビらしく盛り上がる音楽に合わせて、もっと身体を動かせよと、「もっと熱くなれよ!」と誘います。

この時、EXILE THE SECONDメンバー達こそが先駆けの「」であり、そのライブに集った観客は、その呼びかけに応える仲間なのです。

Warriorと反逆者

戦士とは

闘え 最強のWarrior

出典: HEAD BANGIN'/作詞:TAKANORI 作曲:T.Kura, TAKANORI

Warrior」はご存知の通り戦士を意味します。

似たような言葉に「soldier」や「fighter」がありますが、それぞれ本質が違います。

「fighter」は戦う行為をする人間全般を指し、そのなかに「Warrior」や「soldier」を含みます。

「Warrior」は単独で、自らの誇りをかけて戦う者です。中世の騎士や武士の訳語として使われることが多いです。

「soldier」は軍団に所属し、上官の指示を受け、任務を遂行するために戦う構成員を指します。

この歌の冒頭からずっと仲間を鼓舞し続けてきた「彼」は、誰かに命令されたわけではなく、自らの意志で戦うことを選びました。

まさしく「Warrior」と呼ぶにふさわしい存在と言えるでしょう。

ここで一つ疑問が

ここで複数形の「Warriors」が使われていないということは、「彼」以外の仲間たちは一体どういう存在なのでしょうか。

二行目に答えがあります。

集え Hangyakusha

出典: HEAD BANGIN'/作詞:TAKANORI 作曲:T.Kura, TAKANORI

反逆者。 なぜ、英語の「rebel」や「traitor」にせず、敢えて日本語をアルファベットで表記したのでしょうか?

それは、この反逆者=彼の仲間たちが、THE SECOND from EXILEライブを見に来たファンであり、観客だからでしょう。

「rebel」は国家権力や体制などへの反抗、「traitor」は裏切りといった意味合いが強いです。

これらの言葉は、楽曲の冒頭で示された「嘘つきで、どこかが違う世界」「理不尽な高い壁と、矛盾だらけの枠」というままならなさへの反抗とは、トーンが変わってきます。

敢えて「Hangyakusha」と記すことにより、日本のファンに向けて、普段の自分たちが直面しているモヤモヤした日常へ歯向かうのだという意味を明確に伝えたかったのだと感じます。

最強のWarriorである「」は、仲間たちをさらに鼓舞します。

挑め ネバーギブアップ
何度も立ち向かえ Challenger
We’re the pioneers

敷かれたレール 出る杭は打たれる
色褪せていくMy dream 見失うMyself

kick ass!
吹き飛ばして 闘いに備えろ Ready?

出典: HEAD BANGIN'/作詞:TAKANORI 作曲:T.Kura, TAKANORI

「闘う」には、「障害を打ち破るために努力する」という意味があります。

物理的な相手との争いのみを指す「戦う」と違い、目に見えないものに抗う際に使う言葉です。

「空気を読んで生きろ」と言われがちな日本社会で、誰かが敷いたレールに乗せられて、自分の夢や目標を押し殺して生きている人は多いでしょう。

「普通にしないといけない」という無言のプレッシャーに耐えて、出る杭にならないように気を遣って、本音を偽って暮らしている人もいるでしょう。

そんなものは吹き飛ばせ、と彼は叫びます。

敵は自分の中 やられたらやり返せ

出典: HEAD BANGIN'/作詞:TAKANORI 作曲:T.Kura, TAKANORI