形勢は段々、逆転?

いつも怯えていたね風の音にふるえて
はき出す言葉はぐちばかり

出典: 人生の空から/作詞:松山千春 作曲:松山千春

主人公の男性の気持ちは、時間の経過とともに段々弱気になってきたようです。

勢いあまって飛び出してきたのはいいのですが、何日間も連絡を取らない不安の方が大きくなったのです。

それでも喧嘩の原因は明らかに女性の方が悪いのだから、と自己弁護するのでした。

しかし、やせ我慢も長くは続きません。形勢は段々、不利になろうとしています。

男女のもつれは、先に謝ってしまえばいいということを、若さゆえ知らなかったからです。

女性に対して踏み出してゆくきっかけがありませんので、男性は悶々とするだけでした。

「もしかしたら、もう2度と会えなくなるのではないだろうか?」。

男性は、恐怖にも似た疑心暗鬼に苛まれるのでした。

時間の経過が男性に恐怖を与える

君なら良くわかるねこんな僕の気持ちが
今なら一からやれるよね

出典: 人生の空から/作詞:松山千春 作曲:松山千春

喧嘩別れの原因が何だったかは、もうどうでもいい。

今は、一刻も早く女性の元に帰って、何事もなかったかのように振る舞いたい。

そう、元の鞘に収まりたいのです。

そういった男性の気持ちをくみ取ってもらいたいのです。

この気持ちは、男性のわがままでしょうか?

喧嘩別れの原因を女性のせいにして、一方的に旅に出ているのに、です。

男性は、時間の経過とともに焦燥感罪悪感を感じてきたのでした。

そして、自分の罪の意識を女性に許容してもらって仲直りしたい気持ちでいっぱいになったのです。

男性の素直な思いがさびの歌詞に続きます。

旅の途中で

きっかけを作って会いたい…

男性はこの旅のどこかで、女性と連絡をとって会えないか、と思っているのです。

今の時代ならば携帯電話でどこにいてもすぐに連絡は取り合えます。

しかし、この曲が発表された当時(1980年)には公衆電話くらいしか連絡手段がありません。

そこで男性は、何度か女性あてに手紙を送りました。

そこには、いついつのこんな場所に来てもらうことはできないだろうか、と書いているはずです。

旅先の宿に返信が来たなら、すぐに飛び出してゆく準備は万全なのです。

男性は、旅の後半にあたる幾日かを今か今かという心境で過ごしたのでした。

そして、歌詞はもう一度同じフレーズで終わっていきます。

イチからやり直したいから

同じフレーズを続けるのは、男性の強い思いを分かってもらいたいからでしょう。

何日間かの旅で分かったことは、自分のいたらなさでした。

もっと優しくしてあげればよかった、と心から思ったのです。

旅の途中でうまく会えるかどうかの保証はありません。

しかし、男性にとったら一日も早く女性との再会を果たしたかったのです。

それならば、たとえ遠回りになろうが女性の指定する場所ならばどこにでも行く。

そんな思いで、男性は切に願うのでした。

男性の旅も、そろそろ終わりの時を迎えてきたからです。

若い男女の恋愛模様

設定は20歳くらい?

この曲に登場する男女の年齢設定については、特に歌詞中には触れている箇所がありません。

ただ、すぐにでも旅に出れるところをみると、20歳くらいの大学生かもわかりません。

そして場所は、広大な北海道を思わせます。

旅の途中で見た空は、広大で人生そのものを思わせたのかもしれません。

若さはエネルギッシュであり、早計です。

ちょっとした気持ちの行き違いがお互いの心を疎遠にしてしまいます。

若い男女の恋愛模様は、燃えやすく冷めやすい。

それをこの男性は、初めて知ったのかも分かりません。

喧嘩の原因は何だったのか