懐かしさを感じるメロディ

テレビ大阪の新ドラマとのタイアップ

addは2019年に結成され2020年1月に1st.demoの“Telescoping”をリリースしました。

西村”コン”を中心に、黒川“バンビ”絢太、タグチハナの3名により結成されたスリーピースバンド

舌鼓はそんな彼らが2021年7月にリリースを開始した曲です。

高杉真宙が主演するTVOの新ドラマ“ホメられたい僕の妄想ごはん”のED曲として書き下ろされました。

平日はサラリーマン、夜はバンドマンという2重生活を送っている主人公の日々を描くラブコメディです。

それなりの日々を送ってはいるものの人間関係に不器用な男性の葛藤の様子が気になります。

ED曲である舌鼓も日常生活の中の少しのアクセントがドラマの雰囲気とベストマッチ。

ドラマの世界観そのままに、ささやかな日々の暮らしの中の大切な人の存在を感じられる曲です。

スリーピースバンドの魅力が詰まった1作

スリーピースバンドの魅力といえばやはりその編成のシンプルさ。

メロディ、ドラム、ハーモニーの3つの要素が際立ち個性がより強調されます。

舌鼓もメロディラインに乗せたシンプルなドラムベースの存在が良いアクセントです。

曲全体の構成はシンプルなのにどこか懐かしさを感じ心に残り続ける。

そんな1曲となっています。

君の嬉しそうが僕の全部

寝る前に少しだけ

ジョーク飛ばして
ビールもあけたなら
今日をたたむ前に
ささやかな舌鼓を 鳴らそうよ

出典: 舌鼓/作詞:タグチハナ 作曲:タグチハナ

タグチハナの透き通るような声で曲がはじまります。

シンプルなコードのささやくようなアルペジオがなんともいえないノスタルジックな雰囲気です。

ジョークを飛ばしてビールも開ける。

団らんしながら食後のお酒も終えて少しまったりとした時間が流れているのでしょうか。

すぐにベッドにいくのも勿体ないという瞬間もありますよね。

舌鼓とは食べ物を食べたときに舌がなる音のことです。

寝る前に少し食事をしたいと誘っている様子に取れます。

何か話したいことでもあるのでしょうか。

次の展開を想像させる素敵な導入です。

パーフェクトなんてない

パーフェクトなんてないけど
明日も早いけど
きみがさ 嬉しそう
それが僕の、全部だよ

出典: 舌鼓/作詞:タグチハナ 作曲:タグチハナ

人間が人間である限り完全なものなどありません

かのハリウッド俳優のジョニー・デップも完璧な人間なんていないといっています。

明日は早い、ではなく明日も早いといっているのにお気づきでしょうか。

つまり明日は休日ではなく仕事や予定のある日なんですね。

舌鼓では毎日の暮らしの中の1部を切り取った表現が多く使われています。

明日も早いという言葉で決して特別な日ではなく変哲もない毎日を表現。

予定もあるのに遅い時間まできみが話をきいてくれる。

それだけではなく“きみ”は嬉しそうにしてくれる。

そしてそんなきみを見て“僕”も幸せそうに微笑んでいるのでしょう。

不完全かもしれないけれど、現状の2人の関係が幸せ。

短い歌詞の中でも素敵な関係性が表されてますね。

頼りないけど愛しい日々

ちっぽけな憂いは窓に開け放つ

蚊取り線香
出してくれたのね
窓開け放てば
ちっぽけな憂いは
遠い夜空になる

出典: 舌鼓/作詞:タグチハナ 作曲:タグチハナ

蚊取り線香が必要ということは夏の季節なのでしょうか。

こちらが出そうと思っていた蚊取り線香を何もいっていないのに出してくれたのですね。

ちょっとしたことでも相手と意思の疎通がうまくいくとなんだか嬉しく感じます。

少しだけ不安なことでもあったのでしょうか。

窓を開け、話していたら蚊取り線香の煙と一緒に不安もいつの間にか飛んでいってしまう。

ふと空を見上げると時間がたち暗闇が深くなった夜空

そのころには話していた悩みなんて忘れてしまった。

そんな風景が浮かびますね。