九州男が描く手紙。。
自身は長崎出身。
ジャマイカに2年滞在後、2007年にデビューを果たす。
拠点を横浜・東京に移す事になるのだが、この九州男という男、ただの九州男児ではないらしい。
歌詞を見ればその繊細さがよく分かります。
もちろん男性が持つ強い部分も十分感じられますが、歌詞の中に出てくる優しいワードが九州男の柔らかい「心」を表現しているように思えます。
都会に出てきてふと想う、九州男が描く「手紙」は一体何を、誰をその頭に浮かべているのでしょう。。
ヴォーカルのパートナーhiroko
男女デュエット曲の【手紙。。】ですが、ヴォーカルパートナーはmihimaru GTのhiroko。
高音の可愛らしい声が特徴のhirokoとのデュエットなら、コテコテのラブソングかなと思いがちだがそうではなく、せつなく夕暮れ時が頭に浮かぶ様な歌の仕上がりになっています。
メロディラインにも特徴があり、九州男自身が得意とする和風のアレンジがされています。
このアレンジがどこか懐かしく、胸をキュンとしめつけ、苦しくさせるのです。
hirokoの可愛らしい声もなんとなく、悲しげに儚く聴こえてしまうのはさすがだと感じる所でしょう。
【手紙。。】の歌詞を読み解く
若者が一人、都会に上京した心情を歌ったこの【手紙。。】という曲。
地元を懐かしみながら、少し弱気になってしまう自分。
そんな時、ふと若者はペンを取り、手紙を書きます。
手紙だから言える気持ち。
手紙だから伝わらない気持ち。
一人の若者の心情を読み解いていきましょう。
他人行儀の『お元気ですか?』から始まる
『お元気ですか?変わりありませんか?』
こんなに目の前に夢が溢れてるのに 光ってるものは後方に
全てリュックに詰め込んで来たはずなのに なぜ?
成れの果てに吹き付ける冷たい風
ショーウィンドウには息で手を暖めてる僕が映ってるだけ
どれくらい経ったんだ あれから。。
出典: 手紙。。feat.hiroko(mihimaru GT)/作詞:九州男・hiroko 作曲:九州男・hiroko
色んな希望を持って若者は地元を離れます。
荷物と一緒にたくさんの夢も持って。
若者には思い描いた明るい未来があったはず。
でも実際にはそう簡単にはうまくいかない。
現実の厳しさに、手も足も出ない自分。
なんの結果も出ないまま時だけが過ぎる。
どんなに元気よく無理に笑顔作っても
本当は会いたくて ちゃんと繋がってたくて
東京の雨は冷たく また一人にするの
あなたの声さえかき消してゆく
出典: 手紙。。feat.hiroko(mihimaru GT)/作詞:九州男・hiroko 作曲:九州男・hiroko
強がっても、つくづく思い通りにはならない毎日に弱気になる。
夢なんかよりただ好きだったあの人に会いたい。
今はそんな風に言ってしまいたいくらい孤独を感じている。
寂し過ぎて、覚えていたはずのあの人の声も思い出せないでいます。
Aサビの部分
いつでも元気だよって言うのは簡単で
無駄に強がったって寂しくなるだけで
いつでも隣に立って歩いているよって
あなたの背中に届きますように
『お元気ですか?変わりはありませんか?』
出典: 手紙。。feat.hiroko(mihimaru GT)/作詞:九州男・hiroko 作曲:九州男・hiroko
文字で強がるのは簡単。
本当は寂しくて、現状から逃げ出したい。
手紙ならそんな弱い自分を隠せる。
最後の『』に囲まれている部分は、実際に書く手紙の文言でしょう。
自分は元気だと、精一杯の演出ができる「手紙」を書く事を若者は選びます。
地元を想い懐かしむ。。
懐かしい記憶をてくてく歩いてく 淡く暖かい景色が廻る
海に山に川 いつもの道、急な階段や坂
絶えず笑い声が漏れてる我が家 肩をポンと叩いてくる仲間
またな!と君が笑ってる 輝いてる光へと消えてく
出典: 手紙。。feat.hiroko(mihimaru GT)/作詞:九州男・hiroko 作曲:九州男・hiroko
都会にも似た景色があったのでしょうか?
若者は地元を思い返します。
その景色や仲間の顔を。
くだらない事でふざけ合って笑っていた、楽しかった時代を懐かしみます。
その記憶でさえも、仲間の「またな!」という言葉で一気に現実に戻されてしまうのです。