赤い頬

確固たる個性が確立された代表曲

情景を歌うバンドmol-74のおすすめ曲6選の画像

公開されたのが2013年と、彼らの作品の中では一番古いMVです。mol-74初の全国流通盤ミニアルバム「越冬のマーチ」に収録されています。

この頃からmol-74の個性が既に確立されてると分かります。

ファルセットで透き通るボーカル、シンプルに淡々と刻むリズム隊、繊細で緻密に曲の展開を作るリードギターの絡みはこの時点で完璧な調和を見せています。

肌寒い早朝のひんやりとした空気が画面越しに伝わってくるようです。

冬の景色の中にいるようで、でも凍えるような寒さはなく優しく包まれるような不思議な温もりも併せ持っている曲だと感じました。

グレイッシュ

映像も合わせて味わいたい世界観

同じくミニアルバム「越冬のマーチ」に収録されている一曲です。

徹底してシンプルに研ぎ澄まされたサウンドとその上で優しく響く歌声に聴き入ってしまいます。

ただ声が高いのではなく、結晶のように透明で綺麗なボーカルです。

歌詞はもう届かない人への想いを歌っているのでしょうか。静かに盛り上がっていくサウンドと相まって胸が締め付けられるような切なさを掻き立てます。

MVもそんな楽曲の世界観を明確にして引き立てています。

寒くて寂しげな昼の風景と、明かりに包まれるどこか夜の光景の対比が綺麗です。物語の中にいるような不思議な異世界感があります。

エイプリル

もの悲しい情景が見える春の歌

ミニアルバム「kanki」に収録されています。4月1日にMVが公開されたこの曲は、「エイプリル」というタイトルの通り4月の切ない辛さを綴った春の歌です。

前述した2曲に漂う「冬の空気」とはまた違う空気が曲中に流れています。新しい出会いの季節である一方で別れの季節でもある春の切ない一面を描き出しています。

誰かとの別れだけでなく、環境やそれに伴う自分の変化についても歌われているように思えます。

今までの生活や自分との別れというのも本人にとっては大きな変化のはずで、そこにももの悲しさ・寂しさを感じてしまいます。

静かに感情を掻き立てるピアノやギターの旋律で、息が詰まるような懐かしくてしんみりとした気持ちになります。

もう別れてどこかへ行ってしまった昔の自分、友人、恋人、生活を思い出します。

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未来への可能性

「エイプリル」と同じく「kanki」に収録されている曲です。これまでのmol-74の曲調と比べるとポップで「今風の売れ線の曲だな」という印象を受ける人も多いのではないでしょうか。

一見耳障りの良いポップソングですが、キャッチーなメロディの裏では重たくどこか不気味に鳴り響くドラムやハンドクラップ、mol-74らしいシンプルな楽器構成など彼ららしさが詰まった曲です。

MVの舞台になっているのは大学の講義室でしょうか。「大学」という一番可能性に溢れていて未来への期待も不安も併せ持った世界は、未来へのチャレンジを歌うこの曲の舞台に相応しい場所です。

「%」というタイトルも、可能性について歌っているこの曲をこれ以上なくぴったりと表していますね。

切ないだけではなく希望が見えるような、mol-74の新しい一面です。そしてまぎれもなくmol-74だと分かる個性も込められています。

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