歌で、力を
「うたう」意味とは
そしてもう一つ、先程も出てきたこのフレーズ。
歌をうたって
出典: でんでん/作詞:川西幸一,奥田民生 作曲:奥田民生
これはもちろん本当に「歌う」ということも含まれるでしょう。
しかしこれは単に体力に余裕があるという意味や、バンドのことを歌っているという示唆ではないようです。
映画の中の歌
映画の中でも、主人公達が歌を歌いながら作業を進めるシーンがそこここに出てきました。
このミュージカルのような様は、もちろん演出の一つではあります。
しかしそれだけではなく、過酷な作業を全員でのりきるぞ、という彼らの気風を示していたのではないでしょうか。
進み続けるために
人間は声を出すと、腹筋に力が入ります。
そうすると体幹が安定し、同時に行う作業がしやすくなるといわれています。
重い物を持ち上げる時などに「よいしょ」と掛け声をかけるのも、その効果があるからこそのようです。
つまり、歌を歌うことで、重い荷物を引きながらも進む力を自ら出そうとしているのではないでしょうか。
掛け声は一瞬で終わってしまいますが、歌は一定の間続くもの。
そしてリズムがあるので、それに乗せて足も体全体も動かしやすくなります。
歌を歌うことは、長い道のりを進むため、人生を着実に歩んでいくために、必要不可欠なことなのです。
みんなでうたう、みんなで進む
もう一つの意味
加えて、もう一つ。
「うたう」という言葉には、恵まれた幸せを皆で大いに楽しむ、という意味もあります。
例えば「謳歌する」という単語のように。
とすると「うたう」ことは、単に力を出すための手段というだけではないのです。
言うなれば、人生というこの道を歩むこと、それ自体を楽しむためのもの。
それも、周りにいる人達と一緒に、です。
リズムを一つに
当然ながらボーカルも含めて。
楽器の演奏はもちろん、メンバーの声もそれぞれ個性豊か。
ですが、だからこそそれらが合わさった時の広がりと深みは格別です。
そんな風に、音楽を“みんなで”楽しむ、“全員で”謳歌する。
その姿勢は、映画の中の主人公と、彼を取り巻く人々とも重なります。
大きな作業を成し遂げるためには、沢山の人が心のリズムを一つにし、一緒に盛り上げていくことが重要です。