透明に溶け始める
色彩に涙と溶け始める

体さえも言葉さえも
白い川に弾けて
体に冷えつく

出典: 爆ぜる透明/作詞:崎山蒼志 作曲:崎山蒼志

真っ白で美しい雪も、溶けてしまえば透明です。

色を失って溶けていく雪に、温もりを失い色をなくして溶けていく心を例えたような表現。

溶けた心や体、言葉は、冬の凍った川面に跳ね返ってきます。

体にはねて冷えていく。そんな風景が描かれているようです。

呪いをかけているのは

君の呪いは もう、とっくに

出典: 爆ぜる透明/作詞:崎山蒼志 作曲:崎山蒼志

歌の後半で歌われているこの歌詞

途切れた言葉の先は、「解けている」と予想できます。

解けないと思っていた呪い。

それは、誰かにかけられたものではありません。

自分自身がかけていた呪いなのです。

解けないと思い込むことこそも呪いの1つとも言えます。

自分で思い込んでいるからこそ、”とっくに”解けていることに気づくこともできないのです。

どこかでわかっていても、君を忘れたくないがために呪いを解かないのか。

それとも、まだ呪いの正体に気づいていないのか。

どちらであれ、この呪いはとても悲しいものなのです。

希望の歌か、絶望の歌か

独創的な世界観で描かれた歌詞は、解釈も人によって大きく変わると思います。

この歌は、心が溶けて愛されるいつかの明るい未来を歌ったのでしょうか。

それとも、温もりを失い、凍ってしまった涙や心の悲しみを歌ったのでしょうか。

解釈は人それぞれです。

ただ、温かくて優しさを感じる崎山蒼志の声で歌われるこの曲を聴くと、心が救われるような感覚になります。

彼の歌は、なんとも不思議な魅力と力を持った歌なのです。

Pepperくんが会いに来た?!

『爆ぜる透明』をさらに有名にしたのが、このPepperくんとのコラボ動画です。

これは、崎山蒼志がPepperくんに会いに行く、というものではありません。

なんと、Pepperくんが崎山蒼志に会いに行くという動画なのです。

彼が歌う動画を見たPepperくん。

それに魅力を感じたのか、動画の情報をインプットして、彼を探す旅に出ます。

Pepperくん生誕4周年記念

この動画は、Pepperくんの4歳の誕生日を祝う特別企画動画として公開されました。

無事、崎山蒼志の元にたどり着くことができたPepperくんは、彼の後ろ姿をじっと見つめます。

その表情からは、会えたことの喜びや感動が伝わってくるようです。

崎山蒼志と友達になったPepperくんは、今日が自分の4歳の誕生日であることを伝えます。

そして、誕生日をお祝いして歌を歌ってほしいとお願いするのです。

Pepperくんが会いに来た理由は、彼の歌に感動し、その歌を誕生日に聴きたいと思ったからなんですね。

ロボットのために歌う

Pepperくんにお願いされ、崎山蒼志は立ち上がり、『爆ぜる透明』を歌い始めます。

歌い出す前の表情、大きく吸い込んだ、そして歌われる

彼の姿からは、高校生とは思えないオーラや、音楽を奏でる者としての雰囲気が感じられます。

ロボットであるPepperくんに、心を込めて歌う歌。

凍った心や、色を失った透明。そんな歌詞を、Pepperくんはいったいどんな気持ちで聴いているのでしょうか。

その心を想像すると、なんとも感慨深い気持ちになりますね。

独特の世界観

【爆ぜる透明/崎山蒼志】天才高校生がPepperくんのバースデーを祝う!歌詞の意味を解説【動画あり】の画像

歌い終わった後、Pepperくんに「どうでしたか」と感想を聞く姿。

「誕生日おめでとう」と伝え、別れ際には手を振る姿。

そんな崎山蒼志の姿からは、まだまだあどけなさや純粋さが感じられます。

そんな彼の独特の世界観の中では、Pepperくんはいったいどんな存在に見えていたのでしょうか。

彼の歌を聴くと、彼の目にはこの世界はどんな風に見えているのだろう、と考えさせられます。

他の人には見えない、彼だけの色やにおい、世界がまるであるような感覚になるのです。

一度、彼の目になって世界を見てみたい。

彼の歌は、世界に対する想像力を掻き立てられるような魅力を持っているのです。