仲良し5人組
ほほえましすぎて尊い
Janne Da Arcは、メジャーデビューこそ1999年ではあるものの、最初に結成されたのは1991年という長さ。
何度かのメンバーチェンジを経て、現在のメンバーとなった1996年頃から本格的にバンド活動を開始します。
1998年にはインディーズでミニ・アルバムを発売し、翌年にメジャーデビューとなりました。
メンバーは下記のとおりです。
yasu(ボーカル)
you(ギター)
ka-yu(ベース)
kiyo(キーボード)
shuji(ドラム)
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/Janne_Da_Arc
初期のメンバーは、中学の同級生だったyasu、ka-yu、youとあと2名の同級生で構成されていました。
その後ベースのka-yu以外は同じ高校に進学し、そこでキーボードのkiyoと出会います。
さらに後、脱退したドラムの後任として同じ高校出身で親しくしていたshujiが加入し、現在のメンバーで固定されました。
よく「メンバー同士は仲が悪い」とか「あのテクがなければ解散してる」などというバンドも多いように言われていますが、Janne Da Arcにおいてはそれはまったく当てはまりません。
ライブを見たことのある方はご存知かと思いますが、「ここはツレの家かよ!?」と思うほどに、MCのトークではほのぼのしています。
前夜のホテルでトランプをしたとか、修学旅行みたいですね。
かつてはいろいろな衝突なども経験しているメンバーですが、そこで和解もし、お互いを認め合って必要とし合っているからこそ、長く続いているのだと思います。
「男の子っていいなぁ」と思うようなエピソードも多くありますが、彼らの仲の良さは本当に信頼関係が見えるようなので、ただただ尊いです。
男性にも愛される「最後のヴィジュアル系バンド」
Janne Da Arcが紹介される時によく使われる表現が、「最後のヴィジュアル系バンド」という言葉です。
あのX(エックス)から始まったヴィジュアル系ブームも徐々に下火となり、当時メジャーデビューを果たした多くのバンドも解散したりしました。
その中で、Janne Da Arcは確かにヴィジュアル系最後の世代でもあり、今でもなお活躍し(活動休止中も楽曲は売れています)、生き残っているバンドと言えるでしょう。
デビュー当時などの写真は確かにヴィジュアル系メイクですが、徐々にメイクは薄くなりつつも、ヴォーカルのyasuいわく、心はヴィジュアル系のままだそうです。
ヴィジュアル系バンドと言えば、ファンは大半が「バンギャ」と呼ばれる女性ですが、Janne Da Arcはここでも他のバンドとは一線を画しています。
デビュー当初はルックスの良さなどもあり、確かに女性ファンが多かったのですが、女性ファンが彼氏にCDを聴かせたら気に入ったので一緒にライブに行くようになったとかで、徐々に男性ファンを獲得。
まだバンドブーム自体は残っていたこともあり、男性もJanne Da Arcの楽曲を聴いて惹かれたのでしょう。
見た目だけでなく、音楽の実力で確実に人気を掴んでいきました。
男性ファンもどんどん増え、初期のライブではほとんどが女性の黄色い歓声ばかりでしたが、数年のうちに男性の野太い声も多く聞かれるようになってきます。
どのミュージシャンのライブでも、よくMCで「アリーナ!」「1階!」「2階!」と、各場所にいるファンに声を掛けますが、Janne Da Arcのライブではそこに「女の子ー!」と「男の子ー!」も入ります。
「男の子ー!」の時に返ってくる野太い「うおぉー!」という声の大きさのすごいことと言ったら!
ついには男性限定ライブも行うようになりました。
「男尻Night(だんじりないと)」と名付けられているそのライブでは、女性には見せられないような場面もあったとか……。
羨ましいですね。
客席ダイブしたyasuの「ナニ」を触ったと言う人もいます(笑)。
コンセプトアルバム『ANOTHER STORY』
小説も同時刊行
Janne Da Arcのコンセプトアルバムとしては、インディーズ時代に発売したミニ・アルバムが最初ですが、メジャー初のコンセプトアルバムが4枚目の『ANOTHER STORY』です。
今回取り上げる「霞ゆく空背にして」は14枚目のシングル曲ですが、このアルバムにも収録されています。
『ANOTHER STORY』は、ヴォーカルのyasuが執筆した同タイトルのオリジナル小説に沿った内容のアルバムで、CDのジャケットと書籍の表紙が同じになっています。
ジャンルとしてはファンタジー小説で、やや冒険譚のような雰囲気もあります。
主に歌詞はyasuが書いているJanne Da Arcの楽曲ですが、歌詞と小説ではまったく書き方が違うため、確かに小説として読めば、読書家の方からすれば拙い印象を持つかも知れません。
しかし、むしろ文学的な難しい表現を使わず、優しい言葉で語りかけるような印象があるため、内容に没頭してしまうと多少の文章力など気にならないのです。
隠されたメッセージもあり、yasuらしさが溢れている作品となっていて、「読むと聴きたくなる。聴くと読みたくなる」という中毒性があるようです。
yasuは後にソロ活動を開始し、再度コンセプトアルバムと同時に同タイトルの小説も刊行していますが、こちらはより文章力も上がっているので読みやすいでしょう。
何を言ってもやはり、内容の良さは誰も否定しません。
「自分の子供に読ませたい」というファンもいるほどです。
yasuらしい、優しさの中に考えさせられる部分もあり、とても心に響く物語です。
アルバムには16曲収録
音源CDのアルバム『ANOTHER STORY』には、3曲のインストゥルメンタルを含む16曲が収録されています。
12枚目から14枚目のシングル曲もそのまま収録されています。
このアルバムの最後から2曲目の楽曲「Rainy 〜愛の調べ〜」は、7分58秒という、まぁ8分近い大曲です。
あまりの人気に問い合わせが相次ぎ、急遽15枚目のシングル曲としてリリースされることになりました。
しかし、発売した季節が違うということもあり、歌詞の一部を変更し、尺も5分程度にまとめられています。
アルバムのラストを飾るのは、アニメ『ONE PIECE』のエンディングテーマにもなり、一躍人気に火が付いたとも言える12枚目のシングル曲「Shining ray」。
明るくハッピーに終わっているので、陰陽のある『ANOTHER STORY』というコンセプトアルバムも、非常に完成度が高くなっています。
Janne Da Arcの傾向
大きな地元愛
Janne Da Arcは何でもやります。
ファン限定ライブでは、アニソンを歌ったり、CM曲を勝手にアレンジして歌ったり(yasuではないメンバー)、コントのような場面もありました。
まぁ、通常のライブでも、半ば漫才みたいな感じはしますが(笑)。
そんな根っからの大阪人の彼らは、地元に戻ると必ずやるお決まりの挨拶があります。
これを見たいために、大阪府外からのファンもやって来るほど。
地元愛の強いJanne Da Arcは、インディーズ時代のラストライブで「言ってきまーす!」と言って羽ばたいていきました。
そのせいか、大阪公演では必ず「ただいまー!」があります。
もちろんファンも全力で「おかえりー!!!」と返します。
これだけのやりとりなのですが、やはり府外のファンからすれば羨ましい部分もあるのでしょう。
「一緒に『おかえり』をやりたい!」という理由で大阪公演に来るファンも多く、結構地元チケットは取りにくいです。
ありがとう、ファンクラブ(個人的感謝)。