アコースティックな調べで始まるせいか、愛しい人を失った寂しさを感じさせますね。

秋にリリースされ、「この秋に贈ります。」と謳われているように、風も冷たくなってきていて、心も寒くなりそうです。

それでも懐かしい匂いをまだ感じられるから、まだ「君を捜して」しまわずにはいられないのでしょう。

季節はずれの サーフボードに
あの夏はきっと生きてる

出典: I remember you/作詞:YUI 作曲:YUI

よくサーフボードを持って海に出掛けていた孝治。

薫にも夜明け前の海を見せてあげたものでした。

もしかしたらもう、孝治はサーフィンをしなくなってしまうかも知れませんが、思い出のサーフボードを捨ててしまったりはしないはずです。

太陽はずっと 覚えていたはずさ
ねぇ 聞こえてる

出典: I remember you/作詞:YUI 作曲:YUI

「太陽」は薫の天敵であり、結果的に彼女の命を奪ってしまいましたが、映画の終盤では防護服に身を包んだ薫が、太陽の下で無邪気にはしゃぐ場面があります。

もちろん太陽自身には敵意などはありませんから、きっと「あの日」の薫のことは、みんなが覚えているよ、と伝えたいのかも知れませんね。

涙はみせないって 君はそう言って 僕たちは ふたり手をふった
さよならは言わない だから手をふった 夕焼けに消えた
I remember you

出典: I remember you/作詞:YUI 作曲:YUI

サビです。

YUIボイスの本領発揮の部分とも言えるでしょう。

死んでしまうこと、離れてしまうことがわかっていたからこそ、さよならは言わない。

ただお互いに手をふり合って、本当なら「さよなら」ではなく「またね」と言いたい気持ちだったのではないでしょうか。

だから「I remember you」──君を忘れない、と。

錆びたギター抱えるたびに あの歌が 胸の奥を掴むけど
今もまだ さえない日々 この場所で 僕は過ごしてる

出典: I remember you/作詞:YUI 作曲:YUI

薫の使っていたギターは、孝治の手に渡ったのかも知れません。

「あの歌」というのはもちろん「Good-bye days」のことでしょう。

そちらの歌詞では、最後に「かっこよくない優しさに会えてよかったよ」と歌われています。

けれど孝治は、まだ同じ場所でさえない日々を過ごしている自分に、若干の情けなさを感じているのかも知れませんね。

だけど思うんだ 誰かのために
きっと僕らは生きてる

出典: I remember you/作詞:YUI 作曲:YUI

この部分の歌詞にはYUI自身にも思い入れがあるようです。

映画出演という経験を通して、またこの映画を観たり「Good-bye days」を聴いてYUIを応援してくれる人が増えたことで、「誰かに支えられて、誰かの支えになっているということをすごく実感した」と語っています。

あれからの僕は 相変わらずだけど
ほんの少し自信があるんだ yeah…

出典: I remember you/作詞:YUI 作曲:YUI

この部分も、孝治の気持ちとYUIの気持ちが重なっているところでしょう。

一見変わっていない、成長していないように見えるかも知れないけれど、結構自信あるんだよ、と鼻の下を指でこすりながら照れ笑いしている……そんな姿が浮かびそうですね。

そして最後にもう一度サビが繰り返されて、静かに曲は終わります。

まとめ

映画を観たり、前作を聴いたりしなくても、十分に聴きごたえのある楽曲の「I remember you」ですが、機会があればやはり映画を観て、雨音薫の「Good-bye days」を聴いて欲しいな、とも思う次第です。

家族、友人、恋人……もちろん、そんな特別な間柄だけでなく、普通に職場の人や、行き付けのお店の人でもいいのです。

ささやかな気遣いや言葉、仕草や視線だけであっても、生きているならば多くの人との関わりを持つでしょう。

だからこそ、生きているのならどんな「絆」も大切にしたいと伝えたかったのだと思います。

YUIも、雨音薫も、藤代孝治も、きっと。

I remember you (通常盤)
YUI
ソニーミュージックエンタテインメント
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