ウミユリ海底譚
n-bunaの一番の代表曲
n-bunaさんの作品の中でおそらく最も有名な曲です。
ニコニコ動画では300万再生を突破しています。メジャー1stアルバム「花と水飴、最終電車」にも収録されています。
サウンドやメロディともにとてもポップで明るく頭に残る曲です。
その一方でn-bunaさんの独特の調声で囁くように歌う初音ミクの声が曲に少しの寂しさや切なさを加えていて、キャッチーなだけではないより印象的な雰囲気が作られています。
歌詞も決して明るいだけのものではなく、独りで夢を追う葛藤や苦悩といった負の感情が心に刺さる言葉で歌われています。その苦しさの中にも先に進む意志が見られる、そんな歌詞ではないでしょうか。
あわしまさんによるまるで手作りの絵本の中に飛び込んだようなMVも、曲の世界観を体現していて見入ってしまいます。
アイラ
爽やかさと疾走感が魅力のロックソング
先ほどのウミユリ海底譚と比べるとこちらはロック寄りでかっこいい印象の曲です。
イントロやサビの4つ打ちのドラムや重いギターなど、疾走感溢れるサウンドが特徴です。
n-bunaさんらしい爽やかなシンセサウンドも合わさり、より爽やかで突き抜けるようなイメージも増しています。
歌詞も「空」や「宇宙」などのワードが多用されていて、Aちきさんのイラストも相まって澄みわたるような空を思い浮かべさせられます。
力強さ、駆け抜けるような疾走感、そんな言葉が連想される曲ではないでしょうか。
花降らし
哀しげなメロディと壮大なサウンドが生み出す世界観
壮大なサウンドや美しいメロディの中にどうしようもない悲しさを感じさせられる曲です。
童話「赤い靴」をモチーフに作られたそうです。
「赤い靴」とは、美しい赤い靴に魅入ったあまり舞い続ける呪いにかかってしまった少女が苦悩を経験し、でも最期には救い(赦し)が与えられるという、少し怖くて悲しくて、強いメッセージ性を持った物語です。
曲中の歌詞には、そんな物語の一場面を連想させるようなワードが散りばめられています。
聴いていると感情を揺さぶられてどうしようもなく切なくなってしまうような力のある曲ではないでしょうか。
一度聴いただけでずっと心に残ります。
背景、夏に溺れる
ノスタルジーがこみ上げる夏の曲
子どもの頃の夏の夕暮れを思い出すような、ノスタルジーに満ちた曲です。
ゆったりとしたテンポで進む曲の中で、絡み合うギターフレーズが哀愁を誘って懐かしい気持ちにさせてくれます。
感情を揺さぶってくるようなメロディもn-bunaさんの特徴の一つですが、この曲ではその持ち味が特に引き出されていて、いわゆる「エモい」雰囲気が溢れています。
心の中から夏の思い出や風景が呼び起こされて胸が締め付けられるような曲です。
その群青が愛しかったようだった(feat.ヤギヌマカナ)
n-bunaらしさとボーカルの個性がマッチしたポップソング
少し趣旨が変わって人間のボーカリストによる歌唱の曲です。
「CHUNITHM」という音ゲーへの提供曲として作られました。
作曲はn-bunaさんで、歌唱を務めたのはバンド「カラスは真っ白」のボーカリストであるヤギヌマカナさんです。
飛び回るようなリズムとポップなサウンド、高揚感のあるメロディに、ヤギヌマさんの明るい少女のような独特の歌声が映える曲に仕上がっています。
普段のn-bunaさんとは少し雰囲気の違う曲調の中でもn-bunaさんらしいビート感やキャッチーなメロディセンスが発揮されていて、ボーカロイドジャンルでなくてもこれほどハイクオリティな楽曲を作れるn-bunaさんの作曲技術の高さが垣間見れます。