誰かに必要とされるために

不確かな言葉を携えて
呼吸を揃えて初めまして
そんで愛されたのなら大歓迎
繰り返し向かえ遠く向こうへ

出典: NANIMONO/作詞:米津玄師 作曲:中田ヤスタカ

ここの歌詞は、就職面接の様子を表現しています。

少しでも印象を良くするために思ってもないことを言ってみたり……。

弊社の志望動機は?と聞かれても、本当のことなんてほとんど言えないのではないでしょうか。

お金を稼ぐためだとしても、それは面接でダイレクトには言えないですものね。

面接官の評価をもらうには好印象を与えることが重要ですが、同じスーツ、同じ髪型では個性もなにもありません。

その中から選ばれるように、少しずつ自分をアピールする手法を変えていくのです。

米津さんはこの歌詞で、採用のことを“愛された”と表現しています。

「何者」が就活の話だったから、わたしの脳ではこれは採用の事を指しているんだと思いました。

しかし、映画の存在を知らずにこの楽曲を聴いたとしたら……?

文字通りに“愛された”と受け取ったら婚活の話にも思えます。

就活と婚活は似ているという話を聞いたことがあるのですが、誰かに必要とされるという面では同じです。

就活だけでなく、人生の岐路に立つ人に共通する楽曲に感じました。

まだ分からない

結局僕らはさ何者になるのかな
迷い犬みたいでいた階段の途中で

出典: NANIMONO/作詞:米津玄師 作曲:中田ヤスタカ

不採用が続くと、自分がいったい何を目指していたのかが分からなくなります。

様々なジャンルを試したのなら尚更です。

これもダメ、あれもダメ……じゃあ何が良いのだろうか?

トンネルの中の見えない道をただ彷徨うばかりです。

こうなってしまうと少し時間がかかるかもしれません。

理想と現実

大根役者でいいとして
台本通り踊れなくて
ただまっすぐ段を登っていけ
わかっちゃいたって待ちぼうけ
みっともないと笑ってくれ
僕に名前をつけてくれ

出典: NANIMONO/作詞:米津玄師 作曲:中田ヤスタカ

まだ就活が始まっていなかった頃、なかなか決まらない先輩の背中を見て何を思っていたでしょうか。

わたしはきっと、自分はそうなりたくないからすぐに就活を終わらせよう!と考えます。

しかし、理想と現実の壁は何もせずに、ただ見ているだけでは超えられないのです。

行動して、失敗を繰り返して、学ぶからこそ成功します。

ただ見ただけ、思っていただけでは行動したことにはなりません。

なりたくなかった先輩の姿に、気づいたら自分もなっていました。

でも立ち止まることもできなくて状況はかなり苦しいんですね。

とにかく進んでいこう

踊り場の窓に背をむけて
前を見て向かえ遠く向こうへ

出典: NANIMONO/作詞:米津玄師 作曲:中田ヤスタカ

最後は、最初のフレーズからのアンサーのように感じます。

進むべき道を見つけ、あとは行くしかない!という決意です。

遠い将来も見据えつつ、何がしたいのか?を模索した結果でした。

映画の中では、仲間内から最初に就活を終えた人が出ると、みんなの心の闇が徐々に露わになります。

しかし、それが悪いかというとそうでもないのです。

汚かったとしても自分の本当の気持ちが分かることで、方向性が見つかりやすくなります。

嫉妬で人を傷つけることはよくないですが、闇を抱えた自分自身と向き合うという意味では良いのかもしれません。

映画の内容にも通じる歌詞には、米津さんの比喩表現や独特の世界観がたっぷり込められていました。

「NANIMONO」のMV

米津玄師のダンス

「NANIMONO」にはMVがあります。

都会の様々なシーンが映し出され、中田さんが普通に生活しているような描写です。

途中で幾何学模様に囲まれたモノクロの米津さんが登場します。

そして、米津さんはダンスを披露しているんです。

米津さんのダンスといえば、「LOSER」も有名ですね。