身勝手な親のせいで……。
「ぼくは今どこにいるのだろう」
そんな立ち位置など
たいして興味はない
対になる棘たち
頼りなど はじめから
持ち合わせていない
穏やかさなどは きっと
味わうことはない
出典: 影/作詞:柴咲コウ 作曲:渡辺未来
自分の家で店員松浦との情事を楽しむ亮司の母。そしてお金のために、自分の娘に売春を強要する雪穂の母。
居場所のなかった2人は図書館で静かな放課後を過ごすようになります。そんな2人を優しく見守る図書館員の谷口さん。
そして雪穂の売春相手が亮司の父だという皮肉な真実。
ある晩、雪穂を守るため自分の父を刺してしまう亮司。そんな亮司を守るため自分の母に罪を着せ、無理心中を装う雪穂。
身勝手な大人なんて最初から頼りにしてない亮司と雪穂。2人はお互いに庇い合いますが、この先穏やかな日常を過ごすことはできないでしょう。
ah そうして重みを伏せても
交わうことはできぬ
愛すべき 連れ人
出典: 影/作詞:柴咲コウ 作曲:渡辺未来
お互いのため、生きて行くために、真実を隠して知らない者同士になった亮司と雪穂。
時効を迎える15年後まで会わないことを約束して別れる2人。
お互いを最も理解し合えた者同士なのに、一緒にいることができない皮肉な運命。
愛する者を守るために
悲しみもつのはそう 僕の
残るわずかな強さ
君の幻見る
一人など怖くない
…そっとつぶやいた
出典: 影/作詞:柴咲コウ 作曲:渡辺未来
雪穂を守るため、亮司を守るため、知らない者同士になった2人。
雪穂の悲しみを半分背負って、雪穂を思いながら生きてゆく決心をする亮司。
それが、何もできない亮司が唯一できること。
高校生になった孝司と雪穂。
別れた駅のホームに佇む亮司を電車の中から見つめる雪穂。雪穂が乗るのは亮司が佇む駅には止まらない特急電車。亮司のいる駅に降りてしまわないように……。
昔、僕の母が言ってた
「ここには なにもない
探し物は 私達
なにも持っていない」
出典: 影/作詞:柴咲コウ 作曲:渡辺未来
今、目の前にある現実は偽りの世界。
過去の事件を知る松浦に利用され、違法な仕事に手を染めてゆく亮司。
過去の事件が原因で苛められながらも、唐沢家に引き取られ明るく振る舞う雪穂。
そんな2人を過去の事件に疑問を持った刑事笹垣が執拗に追いつめてゆきます。
2人の夢は、ただ太陽の下で手を繋いで一緒に歩きたいだけなのに……。
せめて底へ 沈まぬためにも
未知なる種をもった
君の後ろ姿…
出典: 影/作詞:柴咲コウ 作曲:渡辺未来
運命的な再開を果たした2人ですが、過去の事件から逃れるため更に罪を重ねてゆきます。
雪穂を守るため次々と手を汚す亮司。
雪穂には幸せになってほしい……雪穂を幸せにするためなら何でもやります。
壊れかけてた 夢を繋ぎ
今日を無事に終わろう
君を取り囲んで
唯一の糧にする
…そっとつぶやいた
出典: 影/作詞:柴咲コウ 作曲:渡辺未来
このままでは”太陽の下を手を繋いで一緒に歩きたい”という夢が壊れてしまう。
2人のささやかな夢を守るため、追いつめられた亮司は雪穂のために……。
君が幸せ掴むように
偽日になり 祈ろう
少しの念こぼし
その先に残るのは
呼吸のあとだけ…
出典: 影/作詞:柴咲コウ 作曲:渡辺未来
君が幸せになれるように太陽になって祈るよ……偽物の太陽だけどね。
全ての罪を被り消えてゆく亮司。
ラストシーンはドラマの最初のシーンに戻ります。
亮司の気持ちをちゃんと受け取って最後までウソを突き通す雪穂。
彼女は永遠にやすらげる場所を失ってしまったのですね。