何かしたいのにしたくない
布団出たいのにあったかいから
私の世界で考えれば
それはそれは平和

顔の浮腫みも大したことない
鏡を見るのもめんどくさい
前世では何の徳も
積まなかったんだろうな

らんらんランデブー
明日からりーりーリアリティー
少しの間宇宙服を貸してよ
君の代わりに逃避行なんだから
だんだんメタでぶー
明日からだーだーダイエット
少しの間でいいから無重力で
君の代わりに逃避行なんだわい

出典: ランデブーに逃避行/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音

何かを成したい、しかし何もしたくない。

この部分の歌詞も現代人の心理を的確に表現しているように感じます。

布団という安寧は温かく、寝ているだけで心地良さがある。

馴染んでいる位置には安心感があり、そこにいるだけである種の安堵がある。

平和な場所には平穏がありますが、逆に言えば刺激も変化も存在しません。

布団に寝ているだけで偉業を達成できる人は、おそらく存在しないことでしょう。

世間に認められたいという承認欲求は心に根付いている。

それでも、そのための刻苦精励は大変で、できれば避けたい部分でもある。

言葉は違えども、上記した前段の歌詞と同様の心理が表現されています。

その後のサビでは、ふたたび川谷さんのワードセンスが爆発しています。

「らんらんランデブー」「だんだんメタでぶー」といった韻を踏んだ言葉。

「りーりーリアリティ」「だーだーダイエット」といった非常にリズミカルなワード。

「メタでぶー」という言葉の意味は分かりませんが、その後にはダイエットの文字が見受けられます。

そのため、おそらくは「メタボリック」「でぶ」を併せた造語なのではないでしょうか?

こうしたワードセンスは川谷さんの真骨頂といえるものになっています。

明日には現実が待っており、今日遂行できなかったダイエットも待ち構えている。

絶対に逃げることができない現実はいつも目の前に迫っている。

だからこそ、少しの間だけでも逃避したい。逃避行をしたい。

リズミカルな歌詞の中にも人間の心理がしっかりと描かれています。

生きているのは「今」という時間である

「今」という時間に明日と昨日を見ないようにしている心理

知らんふり知らんふり
明日起こることも 昨日起きたことも
全部 全部
生きるのは今だから
生きるのは今だから
関係ないこと全部投げ出してみよう

何かしたいのにしたくない
布団出たいのにあったかいから
私の世界で考えれば
それはそれは平和

出典: ランデブーに逃避行/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音

布団の中は温かく、「今」という時間に安堵感を覚えている。

だからこそ、昨日の反省も明日への懊悩も「今」だけは捨て去りたい。考えないようにしたい。

そう自分に言い聞かせ、明日を遠ざけている心情が描写されています。

努力をせず、認められるための行動に移らない。

そうした人物にとって、「今」という時間は永遠に続くのではないでしょうか?

「今」だけは不安感を忘れ去りたい。

「今」は大切な時間だから、昨日のことも明日のことも考える必要はない。

反省や奮起がなければ、怠けたままの時間は永続します。

この部分でも、承認欲求はあれど怠惰に溺れてしまう人間の心理が的確に描かれています。

「君」という自分の代わりに逃避行

ランランランラン逃避行なんだ
だんだんだんだん逃避行なんだ
ランランランラン逃避行なんだ
だんだんだんだん逃避行なんだ

逃避行なんだ

ランデブー ラララ ランデブー
明日からリアリティー
少しの間宇宙服を貸してよ
君の代わりに逃避行なんだから
メタでぶー メメメ メタでぶー
明日からだーだーダイエット
少しの間でいいから無重力で
君の代わりに逃避行なんだわい

出典: ランデブーに逃避行/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音

ラストのサビも前のサビと同様の歌詞となっています。

前のサビやラストのサビにも「君」が登場し、この歌詞の主人公は逃避を「君」のせいにしています。

おそらくですが、この「君」とは実在の人物ではなく、自分自身のことを指しているのではないでしょうか。

自分を他人と見立てることで責任を転嫁し、「君」のために逃避行をすると言い訳する。

現在を怠けたいがために自分自身を他人と考え、怠慢のための材料にする。

「君」は明日以降の自分であり、これから偉業を達成するはずの自分であるのだと感じます。

そう考えることで物事や努力を先延ばしにし、温かい布団にくるまった「今」を生きるのです。

それが明日以降に頑張るための活力を養う目的であれば良いのですが、そうでなければ問題です。

怠惰は継続し、叶えるべき夢や栄光など絵に描いた餅になってしまいます。

非常にポップながら、現代人の心理を鮮鋭に表している歌詞だと感じました。

巧みなワードセンスに加え、思わず怠けてしまう人間の心情を描いた川谷さんはさすがの才能だと思います。

 indigo la Endゲスの極み乙女。とも異なった方向の歌詞ですね。

最後に

ジェニーハイとしての雰囲気を確立させた1曲!

ジェニーハイの「ランデブーに逃避行」をご紹介しました。

テレビ番組の企画で誕生したバンドですが、完全に独自の魅力を確立したバンドだと感じます。

本業は芸人ながら、小藪さんとくっきーさんも演奏技術は抜群。

同時に新垣さんのピアノは他のバンドのキーボードとは一線を画した腕前ですね。

「ランデブーに逃避行」が収録された『ジェニーハイ』は2018年10月17日発売のミニアルバムです。

今回はミニアルバムの発売ですが、活動が継続すればフルアルバムの発売もありえるのではないでしょうか?

バンドとして非常に魅力的な雰囲気と実力を持ったジェニーハイ。

今後の活躍にも注目ですね!

最後に、ジェニーハイのメンバー情報を詳しく記載している記事をご紹介します。

川谷さんをはじめ、魅力的なメンバーのプロフィールが知れるので必見ですよ!

ゲスの極み乙女の川谷絵音さんらからなるジェニーハイが話題です!いったいどんなメンバーがそろっているのか、ご紹介します!

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