未来を向いて歩き出す
迷った遥かな日々 涙じゃなく力にして
あふれる想いを 今こそ果てなく抱きしめて
出典: 瞳がほほえむから/作詞:岩里祐穂 作曲:上田知華
「迷った遥かな日々」とは、つらく思い悩んだ長い年月があったということでしょう。
「涙じゃなく力にして」ということは、その思い悩んだ年月をこれから生きていく上での糧にするという前向きな決意です。
悩んだ月日に別れを告げ未来を向いて歩きだす、人生の岐路に立っています。
前を向く決意ができたのは、「あなた」との出会いが大きく影響しているのかもしれません。
「あふれる想い」は、おそらく「あなた」に向けられたものです。
また、過去を乗り越えようとしていることに対する自分自身への想い、感慨とも考えられます。
紆余曲折色々な経験を経て、それらの経験を忘れ去るのではなく「果てなく抱きしめて」歩いて行く。
どんなつらい出来事でも、今の自分を構成する大切な経験。
だからこそ忘れて進むのではなく、抱きしめて歩いていくのです。
運命の出逢い
ねえ憶えてますか めぐり逢いはいたずらだよね
でも遠い痛みも いつか愛の強さになる
出典: 瞳がほほえむから/作詞:岩里祐穂 作曲:上田知華
ここで2回目の「ねえ」が登場します。
この「ねえ」もやはり「あなた」に対して向けられたものでしょう。
歌詞の上では「あなた」に向けられたものでも、聴き手にとっては自分に語りかけられているような感覚に陥ります。
「めぐり逢いはいたずらだよね」という部分から「あなた」との出会いが偶然であったことを表しています。
おそらく思いもしない形で二人は出会ったのでしょう。
そのいたずらな運命を思い出し、懐かしんでいます。
「でも遠い痛みも いつか愛の強さになる」というのは、関係を築く過程で様々な葛藤があったことを示唆しています。
もうずいぶん時が経ったのにまだ心が痛むような、「遠い痛み」が残るような出来事があったのかもしれません。
その「遠い痛み」を忘れるのではなく「愛の強さ」に変えるという非常に前向きな意志があります。
「あなた」との記憶であれば、どんな事も「愛の強さ」を強くできるという、この愛への自信が伺えます。
歩き出す二人を導く光
未来へと歩き出す
歩き出す肩にとまる光が
二人やさしさへみちびく
出典: 瞳がほほえむから/作詞:岩里祐穂 作曲:上田知華
良い記憶はそのままに、つらい記憶も愛の強さに変えて歩き出そうと決意した二人。
新しく前を向くことは決して楽しいことばかりではないはずです。
でも「歩き出す肩にとまる光」という言葉が、二人が不安に駆られて歩き出しているのではないことを示しています。
歩き出す二人の肩には「光」があります。
その光は「二人やさしさへみちびく」光です。
二人の内面が穏やかでやさしい気持ちで満たされていることが分かります。
過去は過去として、新しくやさしい気持ちで、光に導かれるように未来へと歩き出すのです。
明日を乗り越える力
感じて 当たり前のありったけの心の声
さわって 繰り返す明日を乗り越えてゆくのね
出典: 瞳がほほえむから/作詞:岩里祐穂 作曲:上田知華
この部分では「感じて」「さわって」と語りかける言葉が入っています。
自分あるいは「あなた」に語りかけています。
「当たり前のありったけの心の声」とは等身大の心と解釈することができます。
素直でまっすぐな心の声に耳を傾け、自分の本当の気持ちを感じようとしています。
「繰り返す明日を乗り越えてゆく」という表現は、明日への願いが込められています。
今自分の気持ちに正直になることで明日を変えることができるという前向きな意志が感じられます。
ふたつの瞳が意味するものとは
うれしい あなただけが私だけをさがしていた
見つめて ふたつの瞳に言葉はいらないの
出典: 瞳がほほえむから/作詞:岩里祐穂 作曲:上田知華
ここで初めて「私」という存在が登場します。
「あなただけが私だけをさがしていた」というのはまさしくお互いが運命の人だということでしょう。
先に「うれしい」という言葉が入ることによって、運命の人に出会えた喜びの感情が溢れています。
「あなた」と見つめ合うだけで自然と想いは伝わる。
そこに言葉は要らないというほど二人は惹かれあい、運命を確信しています。
「ふたつの瞳」とは自分が見つめる相手の瞳、もしくは「あなた」が見つめる「私」の瞳と考えられます。
何も語らなくても、瞳だけで通じ合える。
そんな人に出会うことができた安心感や幸福感が伝わってきます。