美しすぎる!ボカロPバルーン初の実写MV
「パレイドリア」は須田景凪(すだけいな)さん1st EP「teeter」(2019年1月16日)収録曲。
ボカロPバルーン名義の「シャルル」が大好きな人も多いでしょう。
このボカロPからシンガーソングライターへ……という流れは確かに米津玄師さんと同じです。
ただ、そう言われてもご本人たちは困惑するばかりかもしれません。何しろ音楽性はそれぞれ。
「パレイドリア」MV
パレイドリアって?
MV解説の前に、タイトル「パレイドリア」の意味を確認しておいたほうがいいかもしれません。
うっかり「カレードリア」と聞き間違えて、美味しそうな食べ物を連想した人はいませんか?
とにかく食べ物のドリアとはまったく関係がありません。パレイドリア現象のことになります。
パレイドリア(英:Pareidolia)とは、心理現象の一種。視覚刺激や聴覚刺激を受けとり、普段からよく知ったパターンを本来そこに存在しないにもかかわらず心に思い浮かべる現象を指す。パレイドリア現象、パレイドリア効果ともいう。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/パレイドリア
具体的には月にウサギが見えるとか、音楽を逆再生するとメッセージが聞こえるとか……。
もちろん本物のウサギと、月に浮かんで見えるウサギの区別はついているわけです。
日常的に「あの雲の形は何に見える?」なんて考えたりすることもあるでしょう。
ちなみに「パレイドリア」を「カレードリア」と聞き間違えるのは……そのまま聞き間違えです
錯覚というか想像というか、常識的な範囲の話であって、超常現象のことではありません。
ただし「パレイドリア」のMVでは日常的に起きないはずの現象も見受けられます。
もちろん編集することによって不思議な映像に仕上がっているわけですが、それにしても不思議。
その辺りを突っ込んで解説します。
MV考察!
黒い服の美しい女性が真っ白なベッドに横になり、物憂げな表情を浮かべる映像から始まります。
キャッチーなリフとともに須田景凪さんのギター演奏シーンがカットイン!ただシルエットです。
女性と同じ白い壁の部屋にいるようですが、須田景凪さんの居場所や背景の色は次々と変化。
おしゃれなラタンチェア(籐椅子)など家具は少なく、カーテンが揺れているのが印象的です。
さらに本が床に転がったり、花瓶が割れたり、照明や椅子が倒れている映像も挟まります。
ただし、すぐ後にはもとの部屋に戻っているので、まるで錯覚。パレイドリアかもしれません。
そして一瞬、須田景凪さんのいない部屋が映った後、須田景凪さんがたくさんいる映像も……。
須田景凪さんが増殖している……ように見えます。ここまでがイントロ。既に芸術的ですね。
部屋全体の色は赤や緑など美しいトーンで様々に変化しますが、青っぽい色が印象的。
須田景凪さん自身はあくまで黒っぽいシルエットで登場しています。
超常現象を想像?
揺れるカーテンと有り触れた映画が 心地好かったから
消えゆくままの群青を
横目に映した
募る哀情と移り気な愛慕に
身体を預けては
過ぎ行くだけの生活を
幸せと呼んだ
下らない理想で笑い合っていた
この日々の終わりを
見据えたくないもんな
出典: パレイドリア/作詞:須田景凪 作曲:須田景凪
女性が洗面台に向かい、鏡の中を覗き込みます。歩く途中で女性の体が一瞬ぼやける映像もアリ。
何かが起こりそうな予感です。場面が切り替わると、女性は壁に浮かびながら本を読んでいます。
さらにベッドに飛び込むと、部屋中に羽根が飛び散り、女性が宙に浮かんだりするのです。
テーブルから水の入ったグラスが落ち、椅子や本も倒れます。既に超常現象のような有り様。
本当は起きていない現象を想像しているのでしょう。
美しい言葉が並ぶ歌詞からは、ボカロPバルーンとしての活動を「群青」にたとえていると解釈。
「カーテン」は揺れる波長のイメージからサウンド(音)、「映画」は動画の映像になりそうです。
夜な夜なアップした動画を楽しんでくれる人もいたので、幸せを感じた……ということ。
この音楽活動の終わりを想像したくないので、須田景凪として続けていく……と受け取りました。
もっと夢を見たい?
音楽活動を続ける意気込み
不確定 深夜 変わらない関係
もっと夢を見ていたいのに
ほら夜は沈んでいくんだね
目が回るような絶え間ない堂々
ずっと此処にいてもいいかな
この愛は溢れていくんだね
出典: パレイドリア/作詞:須田景凪 作曲:須田景凪