「いたいのに」「いいかな」という裏声の反復が印象的なサビ。サウンドも繰り返しが目立ちます。
ただ歌詞もサウンドもループしながら少しずつ変化していくわけですね。ここがポイント!
堂々巡りのようで微妙に変わりながら前に進む音楽そのものや音楽性には中毒性が生まれます。
ボカロPバルーンとしての音楽活動を夜にたとえていると解釈するなら、沈むけれども……。
音楽愛はあふれているので須田景凪として続けてもいいですか?と呼びかけているイメージです。
サビ部分のMV映像も圧巻。鏡の前で女性が踊り始めると、鏡の中にその姿が幾重にも重なります。
完全に実写!ただし…
繊細な変化に中毒性アリ!
来たる安定と擦り切れたアイボリー 針の止まった時計
過ぎ行くだけの生活を
手離せなかった
日に日に徒然暮れてく今日は
常々僕らにまとわりついて
嗚呼 つまらない毎日だ
どうか救ってくれ
干涸びた希望で許し合っていた
この日々の仕組みを
認めたくないもんな
出典: パレイドリア/作詞:須田景凪 作曲:須田景凪
間奏では女性がベッドに横になったままじっとしています。少しずつ引きの映像になると……。
かたわらで須田景凪さんらしき人物がギターを奏でています。黒い服に青いギターです。
シルエットではなく完全に実写!ただし顔までは映りません。他に黒い服の3人の姿もアリ。
映像での人物の増殖は、音楽が広まり、安定期に入った様子を表現しているのかもしれません。
「日に日に~」の部分では、ループするサウンドにも変化が取り入れられています。
同じような音楽を繰り返すと中毒性が生まれ、安定した支持は得られますが、葛藤も……。
つまり変化が必要!MVの女性も白い服に変わり、緑の自然の中を歩きまわって帰宅します。
さらに歌詞は「愛慕に」と「アイボリー」など、繊細な変化が秀逸!
同じような音楽なのに、決して同じ歌詞の繰り返しではないところにこだわりを感じます。
群青は音楽愛の象徴?
繋がった手とは?
不関係 前夜 移り行く造形
もっと夢を見ていたいのに
この夜も滲んでいくんだね
身を焦がす様な鮮やかな群青
きっと間違えてはいないよね
繋がった手に尋ねていた
出典: パレイドリア/作詞:須田景凪 作曲:須田景凪
白い服の女性が部屋で激しく踊ります。自然の映像も美しいですね。
「パレイドリア」MVでの初めて実写は、ボカロPからシンガーソングライターへの変化を暗示。
インドアのイメージから日常的な世界へ飛び出す……ということではないでしょうか。
「群青」はバルーン名義だけでなく、変わらず続く音楽愛を象徴しているのかもしれません。
「繋がった手」とはバルーン名義の作品に反応してくれたファンのこと。
バルーン名義は沈むかもしれないけれど、須田景凪として音楽を続ける!という意味でしょう。
「間違ってない?」とこれまでのファンに確認しているイメージです。
これからも一緒に!
いつかは終わるけれど…
これから君とふたりで
覚束ない夢を語るの
それから君とふたりで
終わらない歌を歌うの
下らない理想で笑い合っていた
この日々の終わりに
隣にいたいもんな
出典: パレイドリア/作詞:須田景凪 作曲:須田景凪
「君」とは、歌物語として愛する女性のこと、さらにファンへの呼びかけでもあるでしょう。
人生にも音楽活動にもいつかは終わりがくるはずですが、それまでは一緒にいたい!ということ。
ラタンチェアに座り、ギターを奏で歌う須田景凪さんの姿が印象的です。
倒れた本が戻るなど、これまでに盛り込まれていた映像の変化も見どころ。
愛を重ねる?
夜は沈む…
不確定 今夜 変わらない関係
もっと夢を見ていたいのに
ほら夜は沈んでいくんだね
目が回るような絶え間ない堂々
ずっと此処にいて欲しいから
この愛を重ねていくんだね
出典: パレイドリア/作詞:須田景凪 作曲:須田景凪