1行目から、暑い夏にあまりにも自然な流れで「君」と出会ったということが読み取れます。
「君」に恋をした「僕」は、この夏は少しだけいつもよりも特別に感じるのでしょう。
2行目の歌詞のワード選びがとてもハマっていますね。
“カレーライス”といえば偏見かもしれませんが、楽をしたいときの料理です。
家庭でも頻繁に献立に組み込まれているのは筆者の家だけでしょうか?
“カレーライス”に失礼ですが、良い意味で特別感を持っている人は少ないかもしれません。
そんな“カレーライス”の匂いで、ほんのりスパイスの刺激に夏を感じます。
それと共に、この夏にふと現れた「君」を思い浮かべるのでしょう。
何てことのない瞬間ですら「君」を想ってしまうこの夏が特別で何もかも愛おしさで溢れてきます。
そわそわするような
恋をしたくなるんだろうな
きっと花火とか金魚のせいだ
嗚呼 今日も夢を見る
出典: 青春と青春と青春/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
暑い夏×晴れた日の海×青春ときたらもう恋をせずにはいられなくなるでしょう。
何故かというと、眩しい日差しに反射する全てがキラキラして見えてくるからです。
花火大会や金魚すくいは年に一回、夏だからこそのお楽しみです。
1年中毎日見ることが出来るわけじゃないからこそより一層特別感が増してきます。
色々な要素がすべて重なるため、「僕」は「君」に恋をするのも必然だったのかもしれません。
そんな夢のような時間にずっと浸っていたくなるのでしょう。
特別な君
あの暑い夏の日
夏期講習の憂鬱さとは裏腹に
君がスイミングスクールの日たまに会える嬉しさがある
電車の中腰を丸めて文庫本を読む姿が本当に神秘的で
つり革にぶら下がりたい気分さ
出典: 青春と青春と青春/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
学生時代に恋をしていた多くの人に響く歌詞になっています。
夏期講習は夏休みの学校に通って行うことや、塾で行われることが多いでしょう。
夏休み中に勉強をすることは苦手な人にとっては苦痛でしかありません。
しかしその通学中に「君」に会うことができる曜日があるということが読み取れます。
毎日使う電車の中に気になる人が乗っているとしましょう。
その人に会えるのは毎日ではありません。
そのため「今日はいるかな?」とつい電車の中に「君」の姿を探してしまうのです。
会えたら嬉しくてついずっと目で「君」のことばかり追ってしまいます。
「君」は電車に乗るときはいつも決まって同じ車両の同じ席に座り本を読んでいるのでしょう。
舞い上がってしまっている様子が読み取れます。
特別美しい
なびかせる髪は
きっとこのやらかい海と似合うだろうな
出典: 青春と青春と青春/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
シーンはまた海へと戻ります。
「君」は肩より少し下、セミロングのヘアスタイルをしているのでしょう。
浜風が結んだ髪のおくれ毛をなびかせる様子が読み取れます。
おくれ毛なので細い束になっていて、それが風で優しく柔らかくなびくのでしょう。
その姿が美しくてまた一段と「僕」は「君」に夢中になっていくのです。
「君」はずるい
夏風が青春と一緒に君を連れて来たんだろうか
ノースリーブにポニーテールは僕の口先がとんがってしまう
生ぬるい味の空気がより心臓を早く走らせて
嗚呼 これは恋さ
出典: 青春と青春と青春/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
「君」は常に「僕」のハートのど真ん中を射抜いてきます。
まさに理想そのものの相手だということが読み取れるでしょう。
それに気付いているのかいないのか分かりませんが、「君」はいつも完璧なのです。
あまりにも「僕」を夢中にさせるその姿に少しずるさを覚えムッとするのでしょう。
甘酸っぱくて可愛らしい気持ちになっている様子が窺えます。
これはもう「君」にこの想いを伝えるほかないと夏は「僕」を急かすのです。