大変長らくお待たせいたしました。

それでは「優しさの雫」の歌詞を考察していきましょう。

英語の歌詞部分はオリジナルで和訳をして意味を考えてみます。

断絶

気持ちのすれ違いはあっても
終わりは来ないと思ってたのに
けど 君はもういない
糸の先はそう、途切れてる
どんなに叫んでも 帰れない場所

出典: 優しさの雫/作詞:TAKUYA∞、Alice ice 作曲:TAKUYA∞、彰

かつての慢心と現状の絶望、そして続く後悔が強く感じられる一節から曲が始まります。

「繋がり」を感じさせる日本語表現はたくさんあります。

「心と心」という目に見えないものであったり、「手と手」といった直接触れるものであったり…。

他に使われる表現といったら、この歌詞にも出てくる「糸」でしょう。

糸というのは細く、ハサミなどによって簡単に切れてしまいます。

しかし細いが故に長く伸ばすことができ、遠くにいても相手の存在を微かながら感じられるアイテム。

何重にも縫いつけてしまえば、これ以上なく強固なものにもなることでしょう。

その糸が切れてしまうと、相手を知る最後の手段がなくなってしまいます

縫われていたとしてもやがてはほどけていき、形が崩れていくことが予想できますね。

矛盾?いや、そんなことはない

いつものように手を繋いで歩いてる時だけで
こんなに愛しいと 思っていても
夢が近づくほど ふたりは離れてく
おたがいの為に叶えようねって
言ってたのに

出典: 優しさの雫/作詞:TAKUYA∞、Alice ice 作曲:TAKUYA∞、彰

「近づく」ことに比例して「離れていく」という一見矛盾しているような表現

しかし、これはある意味必然的なものと言えるかもしれません。

人生の道というものは一本ではなく、人の数だけ、願望の数だけ無限に選択肢が存在します。

言葉遊びをしてみますと、「道」と同じひらがな表記ができるのが「未知」。

それぞれの道がどのような行き先をとるかなんて誰にも分かりません。

人それぞれに別々の夢や目標を掲げているのであれば、二人の距離が離れていくのも不思議ではありませんね。

他のことを考えられない

Yo, Listen to me.
I found a drip in my heart
and I called it "forever"
Oh, フェイク そして
募る word つまり
Crack in the middle of that passion
Because 'cause I want you

出典: 優しさの雫/作詞:TAKUYA∞、Alice ice 作曲:TAKUYA∞、彰

表面上は「もう戻れない」と言いつつも心の底で思っていること。

「いつか戻ってきてくれる」という希望を捨てきれていないのがこの歌詞に滲み出ています。

独自和訳すると、次のようなものに感じました。

『あのね、僕の心から何かがしたたり落ちたんだ。』

『その正体は、こないだまで"永遠"という名で呼んでいたものだったよ。』

『夢の情熱の核となるものにヒビが入っちゃったよ。』

『君を愛していたから。もう一度戻ってきてほしい。』

したたり落ちた"永遠"などの言葉の数々こそ、この曲名が示しているものなのかもしれませんね。

"永遠"とは優しくも儚く残酷なものです。

同音・同字・異義である語

Live alone Live alone Live alone

出典: 優しさの雫/作詞:TAKUYA∞、Alice ice 作曲:TAKUYA∞、彰

同じ言い回しが3度続けてなされていますが、それぞれの意味が違うかもしれません。

1つ目はそのまま『一人で生きていくことになっちゃった。』と淡々と事実を述べているとします。

2つ目では『一人で生きていくことなんてできないかも…。』と暗に否定や拒絶の感情が混ざる…。

最後の3つ目では『(一人なんて嫌だ。)戻って来て。』と遠回しに懇願しているようにも聞こえます。

状況が変わり混乱しているときや気まずいときは、ありのままの言葉を伝えるのが億劫になることも。

同じ言葉を繰り返すということは、それだけ本人にとっては大切なことであるはず。

今紹介した訳はあくまでも一例にすぎません。

あなたも表面上には現れてきていない真意を推測してみてはいかがでしょうか。

思わぬ言葉の暴力を痛み分け…

小さな言葉が君につけてた傷が今
こんなに痛みの音を立てる
優しさの雫 最後の一雫
それはもう血の様に紅く 僕を打つんだ

出典: 優しさの雫/作詞:TAKUYA∞、Alice ice 作曲:TAKUYA∞、彰