「足跡」とはきっと思い出や過去のことでしょう。

思い出をたどっていた「僕」は、やがて「君」が哀しんでいることに気づきます。

「僕」が空を見上げると、そこには「君」の哀しみを表したかのような寂しげな「ちぎれ雲」が。

そこで「僕」はあるものを「君んちのポスト」に投げ入れるのです。

届けたい「声」

そうやって僕らは声を届けよう ラ・ラ・ラ まぶたに書いた宛先
希望のような歌を 花のような願いを 涙で濡れてる さようならを
君は荒野を駆け巡る風 ラ・ラ・ラ 旅人の髪を撫でて
世界中のドアを叩いておどけては まじめな顔して ひらり 笑わせてくれよ

出典: ポストに声を投げ入れて/作詞:YUKI 作曲:横山裕章

「僕」がポストに投げ入れたもの。それは「君」に宛てた「声」でした。

「声」とはきっと手紙のことでしょう。

それは物理的な手紙ではなく、比喩としての手紙なのかもしれません

目を閉じると、宛先である「君」のことが思い浮かびます。

「声」にはたくさんの内容が込められています。

それは「歌」だったり、「願い」だったり、はたまた「さよなうなら」という言葉だったり。

そして「僕」は願います。

昔「君」が「僕」にしてくれたように、世界中の人々に笑顔を与えてほしいと。

「お守り」になった手紙

君の手紙 お守りのように 離れた今も 時々読み返してみる
夏、秋、冬、春になっても僕らは あの坂道の途中で 並んで歩いている

出典: ポストに声を投げ入れて/作詞:YUKI 作曲:横山裕章

「僕」もかつて、「君」からたくさんの手紙をもらいました。

2人は離れ離れになっても、文通をしていたのでしょう。

「君の手紙」は今では「僕」にとっての「お守り」になっています。

人からもらった手紙に元気をもらったり、ただの紙なのに大切な「お守り」のようになったり。

そうした経験は、子どもも大人も共通のものだと思います。

季節がめぐり、時間が経っても2人の心は繋がっています。

それは手紙が2人の想いを何度も繋いでくれたからなのでしょう。

思い出をお土産に

跳ね石遊び 遠くまで飛んだ 水面にピカピカ 太陽の子供たち
夜空見上げた 流れ星がひとつ いつか出会う 君へのお土産に

出典: ポストに声を投げ入れて/作詞:YUKI 作曲:横山裕章

子どもの頃の思い出が描かれた、なつかしさも感じる歌詞です。

夏休みに川で遊んだり、ちょっと夜更かしをして夜空を眺めたり。

そうしたありふれた日常も、今ではきらきらと輝いて見えます

「僕」はこうした思い出を、いつか「君への思い出」にしようと考えています。

何度も書き直した手紙

冒険は君とはじめてを つなぐ ラ・ラ・ラ むすんで ひらく 掌
未来は眩しくて 上手く描けないけど 消しゴムで消して 何度でも
僕は僕を 君のいる世界を ラ・ラ・ラ 大切にしていたいから
分け合うんだ 好きな場所 好きな人や物 書き出した便箋の文字 踊ってるみたい

出典: ポストに声を投げ入れて/作詞:YUKI 作曲:横山裕章

「冒険」、「はじめて」、「つなぐ」という歌詞「ポケモン」映画を思わせます

「ポケモン」映画ではサトシたちが「冒険」を通して「はじめて」出会う人々とのつながりが描かれます。

今回タイアップとなった作品では、サトシとボルケニオンが不思議な鎖でつながれてしまいます。

本来は人間が嫌いなボルケニオンですが、鎖のせいでサトシと行動を共にすることに。

紆余曲折はありますが、だんだんと2人の間に絆が生まれていくのです。

歌詞からはこうした「ポケモン」ならではのストーリーも連想することができますね。

「僕」と「君」はお互いの未来を模索していきます。それはまるで何度も書き直した手紙のよう

手紙に何を書こうか迷った末に、それぞれが好きなものを共有しようと思いつきます。

お互いの好きな気持ちを大切にし、尊重しようとしているのでしょう。

そうして書き始めた手紙は、文字が踊っているように見えるほど、生き生きとしています。

「ありがとう」をポストへ

勇敢な君が 今日を笑って生きてる それだけで僕は嬉しくなる
ありがとう 七色の虹をりぼんに結んで 君んちのポストに投げ入れた

そうやって僕らは声を届けよう ラ・ラ・ラ まぶたに書いた宛先
希望のような歌を 花のような願いを 涙で濡れてる さようならを
君は荒野を駆け巡る風 ラ・ラ・ラ 旅人の髪を撫でて
世界中のドアを叩いておどけてる まじめな顔して また ひらり 笑わせてくれよ
笑わせてくれよ

出典: ポストに声を投げ入れて/作詞:YUKI 作曲:横山裕章