勇気が湧きだす歌詞とグッドメロディが一世を風靡した1曲
みなさんはSomething ELseというバンドをご存知でしょうか?
もう10年以上も前に解散しているので、若い方は馴染みがないかもしれませんね。
今回紹介するのはそんな彼らの代表曲。
1998年12月23日にリリースされた6枚目のシングル「ラストチャンス」です。
CD全盛期だった当時、売り上げはミリオンセラーを記録。
前向きな歌詞と良質なメロディがヒットし、一世を風靡したんですよ!
現在は2018年ということで、リリースから約20年になります。
その間にも、数多のアーティストによって数えきれないほどの名曲が世に送り出されたことでしょう。
しかし歳月を経た今聴いても「ラストチャンス」は色褪せることのない名曲です。
今回はこの曲の魅力を記事を通して伝えていきましょう。
すでにご存知の方も「懐かしいな」なんて思いながら目を通してみてください!
名曲は破天荒な企画から
「ラストチャンス」には、実は破天荒な誕生秘話があります。
Something ELseは1998年秋までに発売した作品のどれもがヒットに恵まれず、レコード会社、所属事務所と契約切れ寸前だった。
そんな折、日本テレビの当時の人気番組「雷波少年」の企画に抜擢。3ヶ月間、3人で1つの部屋にこもって曲を作り、次のシングルとしてリリースを約束する代わりに、オリコン初登場20位以内に入らなければバンド解散・別の職種に転職しなければならないというもの。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ラストチャンス
このストイックな企画が話題となり、注目を集めたのもヒットの一因ですね。
「合宿みたいで楽しそう」と思ってしまう部分もありますが、これはそんな生易しいものではありません。
アパートの狭い部屋に3人缶詰状態でほとんどプライベートはなし。
しかもバンドの解散も掛かっているとなると、精神的な負担は相当なものだったのではないでしょうか。
そんな共同生活の中、3人はある気付きを得ます。
腹を割れていなかった
次第に共同生活に慣れていくうちに「これまで自分たちが友達ではなかった」ということがよくわかったという。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ラストチャンス
メンバーの大久保と伊藤は高校の同級生。
もう一人の今井は途中からの参加とはいえ、アマチュア時代から共に戦ってきた仲間です。
しかしこの共同生活を経て、メンバーはお互いに腹を割れていなかったことに気付いたのでしょう。
正直な気持ちをぶっちゃけられるということは、一緒に作品を作る上ではとても大切なこと。
メンバー間に遠慮があっては、本当の意味で納得の行く楽曲は作れなかったのではないでしょうか。
この経験を経て3人が作り出した楽曲が「ラストチャンス」。
その話題性を抜きにしても、3人が新境地に辿り着いたことを物語るこの曲がヒットすることは必然だったように感じます。
楽曲を考察
アコースティックスタイルのバンドと言われると、アコギと歌をメインにしたシンプルな編成が思い浮かびます。
しかし「ラストチャンス」はグルーヴィなファンクサウンド。
アナログを思わせるシンセの音色に、ワウを効かせたファンキーなギター。
ゆったりとした16ビートのドラムに、休符を活かしたベースが絡みます。
構成もAメロとサビの繰り返しを基本とするシンプルなもの。
どこか洋楽ロックの影響を覗かせますね。
サビで歌い上げる奇跡のメロディ
楽曲の良さを物語るのは何と言ってもサビのメロディです。
「give me a chance」と張り上げた声は涙腺に訴えかけてきます。
想いを連ねるかのように、その後に続く「最後に賭けてみたいんだ」の部分も秀逸。
熱くこみ上げてくるものに拍車を掛けます。
まさに感情を揺さぶるツボを抑えたようなグッドメロディ。
これは3人の想いが起こした奇跡のメロディだと言えますね。