全編に渡るイメージカラーは赤
WILKINSONの中で最もスタンダードな飲料「WILKINSON TANSAN」。
こちらのラベルの赤をイメージしているそうです。
しかし、ラベルと比べてMVのほうが強い彩度の赤を使っています。
目に強烈な刺激を与えるような鮮やかな赤です。
実は2016年から「刺激、強め」をテーマにしているWILKINSON。
もしかするとGLIM SPANKYはWILKINSONより更に「刺激、強め」の赤を狙ったのかも?
挟み込まれるレトロな映像の数々
赤い映像が途切れ、モノクロ映像や少し色あせたカラー映像が挟み込まれています。
サーカスの自転車芸が繰り広げられたり、猿に芸をさせる人がいたり。
無声映画のワンシーンのようなモノクロ映像、レトロポップな外国人親子。
WILKINSONは日本発祥の飲料メーカーなのに、なぜ外国の映像ばかりなのでしょうか。
実は明治時代にWILKINSONに使われる「刺激、強め」の炭酸を日本で発見したのが、イギリス人なのです。
今や世界各国で行われているサーカス、その発祥の地がイギリス。
無声映画の有名俳優チャールズ・チャップリンの出身国もイギリスです。
「ハートが冷める前に」のMVに込められているのはWILKINSONという飲料へのオマージュだけではないのです。
WILKINSONの創始者とその祖国へのリスペクトも、含んでいると思われます。
色あせ気味の懐かしいコマーシャル映像
創始者と祖国へのリスペクト、そして外せないのはWILKINSONへのオマージュです。
MVには、大昔に制作されたWILKINSONの「コマーシャル」?と思うような映像が挟まれています。
今のCMが「コマーシャル」と呼ばれていた頃の、色あせたもの。
その映像に映っている人物は、GLIM SPANKYのお二人です!
いつも硬派で表情をあまり変えないイメージがあるギターの亀本寛貴。
WILKINSONのボトルを手にニッコリと笑っています。
長い髪をダウンにしている印象が強いボーカルの松尾レミ。
MVではポニーテールをしていて、まるで別人のように見えます。
実際に放映されていたCMを元にしているのかは定かではありませんが、実在していたら素敵だなと感じます。
歌詞から分かるWILKINSONへのオマージュ
MVでは見た目に分かりやすい形でWILKINSONとコラボしたGLIM SPANKY。
歌詞ではWILKINSONとの繋がりをどのように表現しているのでしょうか。
今の自分の熱量を信じて!
もし前に道がなくても 歩き出せそうな
高まった僕の心に 昇るムーンライト
ハートが冷める前に
刺激的な夜 さあ紛れ込んで
ハートが冷める前に
動き始めよう 時間はないから
出典: ハートが冷める前に/作詞:松尾レミ 作曲:GLIM SPANKY
鉄は熱いうちに打て、という言葉が頭をよぎりました。
成功する確信が持てなくても、今が踏み出すチャンスかも知れないと感じる時。
それは人が持つ第六感に似ています。
「そんな気がする」というだけで胸の鼓動が早くなり、機が熟していく。
見切り発車といえば聞こえが悪いですが、勢いのまま踏み出す一歩は大抵うまくいく気がします。
たとえ失敗に終わっても、一歩踏み出した自分は一歩成長を遂げています。
ハートが冷める前に、胸の高鳴りが止んでしまう前に、今しかない「今」を生きよう。
そんな意味に読み取れます。
熱=炭酸?
「ファーストフードの炭酸飲料は炭酸が薄くて嫌い」という声を何度も耳にしたことがあります。
渇いた喉に炭酸を流し込んだときのピリリとした強い刺激!
炭酸飲料に求めるものはあの刺激なのではないでしょうか。
ボトルのキャップを開けたら炭酸が抜けてしまわないうちに一気に飲み干す。
炭酸飲料が好きな人にとっては当たり前のことかもしれません。
炭酸が抜ける前に、「刺激、強め」が感じられるうちに、1本飲み干す。
ハートが冷める前に、月が輝いているうちに、一歩踏み出す。
松尾レミは「炭酸」と「ハートの熱」を重ね合わせて作詞をしたのでしょう。