「警告」の歌詞の意味を独自考察!~1番~
長い長い憂鬱
朝の訪れを微塵も感じない夜
闇がこの先の日本を考えるのか
TVも溜息も時計を滅多に止めない
何がこれ程迄に虚しさを呼ぶのだ?
出典: 警告/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎
普段生活している限りでは「時間の流れ」、すなわち1秒1秒の間隔というものは一定のはず。
しかしこの出だしの歌詞をみれば分かるように、日が昇っている「昼」と比較して「夜」を長く感じている主人公。
夜の不思議なテンションでテレビ番組を観ていると、何故だか面白くてついつい時が過ぎてしまう…。
時に溜息をつきつつも物思いにふけていると、気がつけば時計の針が進んでいる…。
そんな出来事も起きてくれないほどに、長い長い憂鬱な時間がダラダラと経過しているようです。
貴重であるはずの「自分の時間」が、中身のない空っぽなものとして刻まれていくことに対して思うこと。
それこそ「虚しさ」です。
多くの人は昼に必死に労働をして日本という国を動かしているはず。
しかし、これほどにまで夜が長いのであれば、むしろ昼より夜という世界が日本を動かしているのか?
そのように錯覚してしまうほどなのでしょう。
冷えたのは気温だけではない
あなたの部屋の留守番電話が
近頃まめに働いているの
何故か少しも気にならないのよ
伸ばした髪も意味ないから
出典: 警告/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎
夜間、地球から宇宙へ放射冷却によって熱は逃げていき、部屋の温度は次第に下がっていきます。
しかしどうやら冷めてしまったのは気温だけではない様子…。
もちろん人によって好みはありますが、女性の長い髪というのは男性へのアピールポイントの1つになります。
この歌詞の4行目の意味することは、「あなた」への愛情が冷めてしまったということではないでしょうか。
鳴り止まぬ留守番電話から想像できることといえば、会社からの呼び出しや、ひょっとすると見知らぬ女性からの連絡?
そんなことなど眼中にない!
「好き」の反対は「無関心」とよくいわれますが、どうやら終わりは近いようですね。
「夜」という隠喩
言葉で穴を埋めても 満たされる筈など無い
日の出を待ち切れぬまま 鋏を探し出す
あなたは全てをあたしが切っちゃっても効かない…
出典: 警告/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎
人と人、異なる2つの物体を繋ぐものは「言葉」。
意思は言葉になり、空気を振動させ、感覚器や神経を通して他の人の心へと思いを届けます。
一方で言葉は受け取る側によって解釈が異なることがあります。
もう「あなた」に対する愛情がなくなってしまっているわけですから、言葉が届いても虚しく響くだけなのでしょうね。
この歌詞の最後の1行の意味を考えてみましょう。
「あなた」との関係を明確に切っているのにも関わらず、未練がましい態度を取られることに対しての苛立ちの表れでしょうか。
かつて「あなた」に愛されようと伸ばした髪をカットし、終わりにする…。
「切る」という言葉はこのような意味も兼ねているようにも思われます。
ここで改めまして、この歌詞に出てくる時間を表す言葉に注目しましょう。
夜は、主人公と「あなた」との冷え切った状態。
日の出が訪れ太陽が照っている時間帯というのは、「あなた」と愛を育んでいる状態。
このように解釈すると、1番の歌詞の全体像がみえてきます。
それは、「あなた」とはかつての関係にはもう戻れないということではないでしょうか。
「警告」の歌詞の意味を独自考察!〜2番以降〜
1番の歌詞では女性側から男性側への冷え切った愛情が示されていました。
この後の展開はどうなるのでしょうか?
2番以降の歌詞も考察を続けてまいります!