海のあるこの街が好き
水彩画の中を歩いてるみたい
淡い色が重なり合って

明日もあさっても その先もずっと
いくつになっても どこまで行っても

道を渡ったら 向こう側で今日も 一度だけ君が振り返る
さよならじゃなくて 約束でもない
またねと君が手を振るたびに 大丈夫だって思えるんだ

明日もあさっても その先もずっと いくつになっても どこまで行っても

出典: Crosswalk/作詞:坂本真綾 作曲:北川勝利

彼との違いに感じる不安が、いつかは来るかもしれない別れを予感させ、心が揺れます。

それでも、別れの言葉が「さよなら」ではなく、「またね」だったことに気持ちは落ち着きます。

「またね」は終わりじゃない。だからきっと大丈夫だ。

明日も、そのまた明日も私は君が好きだと言ってくれた私でいられる。

だから君の心も、いつまでも変わらないでいてくれるはずだ。と続くのです。

このあたりは坂本真綾の真骨頂ですね。

こんなときもあったなと、「あの頃」の揺れる心模様が蘇ってくるかのようです。

大好きな君との時間が愛おしい。だけどふたりの違いに不安も募る。

そんな誰もが経験する甘酸っぱい記憶を、下校時間というありふれた日常の中に鮮やかに映し出しています。

サビにかけての「語りかけ」は鈴木みのりの新境地

そんな甘く切ない蒼き日々を唄い上げるのが鈴木みのりです。

TVアニメ「マクロスΔ」の歌姫オーディションで、約8,000人の中からグランプリの座を射止めた鈴木みのり

その経歴から、声優もこなす彼女の声は「可愛らしい」と感じる人が多いと思います。

しかし今回の「Crosswalk」ではその魅力に加え、ハイトーンで伸びやかな歌声を披露しています。

そしてその透明感にも溢れた歌声が、ダイレクトに心に届く歌詞をより深みのあるものへと変化させています。

その歌声はまるで耳元にささやくかのよう

最後のサビへの盛り上がりで鈴木みのりは、歌詞の持つ意味を噛みしめるかのように繋いでいます。

メロディラインがサビに向けてアップテンポとなっていくのに、歌声は逆に変化します。

誰かに語りかけるかのような、しっとりとした情感深いものへと変化するのです。

 そのせいか、歌詞の持つ風景描写はさらなる広がりをみせます。

まるでアニメの大海原を舞台とした日常が、目の前に浮かんでくるかのような感覚に襲われるのです。

前作の「FEELING AROUND」では発揮されなかった、語りがけの魅力だといえます。

バラードというのはこう唄うものなんだ」とまで思わせる、鈴木みのりの新しい魅力でしょう。

もっと世に知られて欲しい、魅力溢れる鈴木みのりの語りかけ

鈴木みのりは残念ながら、アニメファン以外にはまだそれほど知られた歌手ではありません。

しかしこの「Crosswalk」は、レベルの高い楽曲に仕上がっています。

アニメのオープニング曲という先入観を外して聴けば、一級品のバラードだといえるのです。

キュートで澄んだ歌声と、心に染み入るストレートな語りかけ。

そんな魅力が詰まったこの調べは、聴く人の心を温かく包み、穏やかな気持ちにさせてくれる名曲です。

アニメ「あまんちゅ!~あどばんす~」とは?

【Crosswalk/鈴木みのり】セカンドシングルのMV公開☆「あまんちゅ!~あどばんす~」OP曲!の画像

「あまんちゅ!~あどばんす~」は、天野こずえ原作の漫画「あまんちゅ!」のアニメ化作品です。

2016年に放映された同名のアニメの続編で、鮮やかな画質で描かれる伊豆半島がとても美しい作品です。

舞台は伊豆半島・伊東市

物語は伊豆に育った小日向光と、東京から引っ越してきた転校生の大木双葉のふたりのストーリーです。

物事に消極的だった双葉は、明るく前向きな光との毎日の中でスキューバダイビングとも出会います。

そして伊豆の海を舞台に織りなす日常で、勇気をもって前に歩き出す喜びを経験していきます。

いつまでも続け、かけがえのない高校生活

【Crosswalk/鈴木みのり】セカンドシングルのMV公開☆「あまんちゅ!~あどばんす~」OP曲!の画像

そんなふたりの様子と心の移ろいは、主題歌となった「Crosswalk」にも反映されています。

この楽しい毎日が、幸せがずっと続いて欲しいと願う双葉の気持ちを坂本真綾が言葉にしたのです。

そんな青く澄みきった伊豆の海を背景に描かれるアニメ、「あまんちゅ!~あどばんす~」。

ストーリーではダイビングの醍醐味はもちろん、高校生活の揺れる心模様も思い起こさせる作品です。

そしてOP曲の「Crosswalk」も鈴木みのりの可愛らしく、伸びやかな歌声でアニメに花をそえます。

光と双葉の日常を鏡に写したかのような、甘く切ない楽曲となっているのです。

MVは伊豆の街を背景に本人登場

ミュージック・ビデオはアニメの舞台となった静岡県の伊東市で撮影されています。

ロケ現場は市役所や伊東高校の屋上などで、地元の協力のもと撮影されました。

伊東といえば温泉が有名な観光地です。

しかし地元の人々が暮らす日常には、海辺の片田舎そのものの懐かしい街並みが広がっています。

そんな風景をバックに撮影されたMVは、ノスタルジーを感じさせるビデオに仕上がっています。

YouTubeMVのショートバージョンが公開されていますので、視聴してみてください。

アニメの風景がオーバーラップ