部屋と大学生と私
突然ですが、皆さんは大学生という人種を知っていますか?
「俺たちは高校生とは違うんだぜ」と言わんばかりに、大人ぶって居酒屋でぶっ倒れたり。
二言目には「ウェーイ」「ウェーイ」と発して、「楽しそう」な空気を撒き散らしておいて、実は何も面白いことが起きていない「ドーナツ化現象」を引き起こしたり。
スタバにMacBookをわざわざ持ち込んでTwitterをしたりする、あの大学生です。
現大学生の方、または大学生だった方、ほんとすいません僕は偏見の塊です。
私と大学生
僕は大学生の頃、アルバイトばかりしており、学校にはあまり行っていませんでした。
他の学生たちが楽しそうに振舞う中、僕はアルバイト先のCDレンタルショップで、「あ行」から順番に目に付いたアーティストの曲を片っ端から聴く生活を送っていました。
「君達とは違うぜ」と言わんばかりに、部屋で濁った目をしてサブカル通を気取る気持ちの悪い意識低い系の大学生でした。
あれから時間がたち、大学生ではなくなった僕ですが、あの時感じた「日陰者」の自分に対するコンプレックスは、未だ消えていないようです。
「東京カランコロン」を聴いた時、それに気づかされました。
東京カランコロン
偏見九割の僕から見た「東京カランコロン」は、まさに「楽しそうな大学生」そのものでした。
キャッチーだがフックのあるおしゃれなアレンジ。
ストレートだがなにげに真理を突いてくる歌詞。
可愛らしいが芯の強さを感じさせるメンバーのキャラアプローチ。
何より、肩肘を張らずに自然にコミュニケーションを取るその楽しそうな雰囲気。性能高イヨマジデー。
光の戦士東京カランコロン
「良い感じに力を抜く」というアビリティを持たず、白ごはんに醤油を一本ぶっかけるような人生を送ってきた僕にとって、「東京カランコロン」の存在はまぶしすぎる太陽光線のようでした。
直撃を浴びれば、装甲など何の意味も持たず消し飛ぶでしょう。
けれど、なぜでしょう。
「×ゲーム」を聴いていたら、ひなたの世界を見てみたいと思ったのです。
ここは大人になったことを自覚するためにも、勇気を持って「東京カランコロン」の世界に歩を進めてみます。
×ゲーム
「×ゲーム」は、2012年に2ndシングルとして発表され、メジャー1stアルバムにも収録された楽曲です。
可愛らしさと知性、優しさと強さがふんだんにちりばめられた、とても東京カランコロンらしい曲と言えるでしょう。
人間社会の摩擦にちょっぴり疲れた私たちに、優しく諭すように「それでいいんだよ」と語りかけてくれます。悩み相談の達人のようです。
好きなあの人に相談を持ちかけられた時に、「ちょっと何言ってるかわかんないまじで」となることもあるでしょう。
そんな時、「まぁこれでも聴いてよ」とさりげなく歌い、悩みをふわっと解消させつつポイントを稼ぐために、歌詞とコードをご紹介しようと思います。
弾き語ろう×ゲーム
D A# Bm Gm A D A# Bm G
「わーん、わーん」小さな頃、くだらないイタズラしかられて泣いてたでしょ
D A# Bm Gm A D A# Bm G
「わーん、わーん」今じゃ理不尽な、お説教でもそんな風には泣かないでしょ
A G D Em D G A F#
くしゃくしゃ変顔も、たまにはどーよ?
出典: ×ゲーム/作詞:いちろー 作曲:東京カランコロン
いきなりの先制パンチですね。
心が疲れて頑なになってしまってる人にとって、「子供の頃の話」は非常に大きなダメージを与えます。
そして、説教されるかと思いきや、「たまにはどーよ?」と優しく聞かれました。
はい、完璧ですね。完璧に心が揺れました。
あまりにまぶしすぎる優しさに、僕の足元は早くも焦げ臭いです。
D G A F#
泣きたい時は泣けばいいんだよ
Bm D G Em
それをガマンして暗い顔になるなら
D G A F#
笑いたければ笑えばいいんだよ
Bm D G Em
「ハハハ」とほっぺた痛くなるまで
出典: ×ゲーム/作詞:いちろー 作曲:東京カランコロン
心に響く歌詞の特長として、「わかりにくいことをわかりやすく伝える」と言うことがあると個人的には思うのですが、「×ゲーム」の歌詞は、正にそれです。
「無理しないでいいよ」と前半部で心をほぐされ自己肯定感に包まれた僕たち。
しかし、最後のフレーズで「ほっぺた痛くなるまで」と、「無理に笑うこと」を要求されます。
そうなんですよ。肯定し続けると人間は知らず知らず甘えてしまうんですよね。
だから、僕たちが前に進めるように、僕たちのことを考えて「ちょっと頑張ろう」といちろー先生は教えてくれます。
ナイス飴とムチ、上司になってください。