山崎まさよし「影踏み」
山崎まさよし主演映画の主題歌「影踏み」
横山秀夫原作の映画「影踏み」で14年ぶりに長編映画の主演を果たし、主題歌『影踏み』及び劇中音楽も担当。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/山崎まさよし
「影踏み」というのは、地域によっては「影踏み鬼」とも呼ばれる子供の遊びです。
そのルールは鬼ごっこで鬼が体をタッチする代わりに影を踏むというもので、踏まれた人が次の鬼になるというもの。
彼がタイトルにこの遊びの名前を付けたのは一体なぜなのでしょうか。
それはこの楽曲の歌詞の意味に注目することで、判明していくことでしょう。
今回はそんな「影踏み」の歌詞の意味を解説していきます。
MVが公開中
YouTubeでは映画の本編映像を使用したMVを公開しています。
また楽曲は「影踏み movie ver.」という表記となっており、映画バージョンの楽曲であるようです。
映画と同名の楽曲ということでその世界観は共通していると考えられます。
このMVを見ることで楽曲をより深く理解できることは間違いないでしょう。
是非映像をご覧になってからこの記事を読んでいただけるとより深く理解できると思います。
子供から大人になった
永遠の意味を知ること
心が戯れるまま夢中で遊んでた
母親の呼び声 もういいかい まだだよ
夕暮れの空には 上弦のお月さま
永遠の意味なんて知らなくてよかった
出典: 影踏み/作詞:山崎将義 作曲:山崎将義
冒頭の歌詞では、子供の頃の記憶を振り返っているのでしょう。
これを読んでいる方の中にも、子供の頃夕方まで夢中になって遊んだ経験がある方がいるのではないでしょうか。
2、3行目では空が夕焼けになり徐々に暗くなっていく中、母親から「もう帰るよ」と声をかけられる光景が浮かびます。
そして4行目では、子供の無邪気さを表現していると考えられるでしょう。
「永遠」という言葉の意味を知るということは逆に永遠ではないものを知るということでもあります。
大人になるにつれて、刹那的なものをたくさん目にして逆に永遠の意味を知ることになるのです。
このことから、この1行は子供から大人になることを指していると考えることができます。
孤独を知った日
孤独が目覚めるその時まで
風も月も影も分かち合えたのに
いつから僕らは闇を見つめたの
出典: 影踏み/作詞:山崎将義 作曲:山崎将義
1行目の歌詞は大人になることを意味していると考えられないでしょうか。
自分というものを意識し始め、自我が芽生え始める年代。
思春期になって大人へと変化し始めると同時に人間は孤独を感じ始めます。
それまで夜の雰囲気をその身体で感じていたはずなのに、いつからか世界と自分に境界が生まれたように感じている。
そして3行目では、主人公の心に「闇」と呼ぶような暗い感情が生まれたのを意味しているようです。
今まではただ世界を走り回り遊んでいるだけの子供だったのに、いつの日からか社会の存在を意識するようになりました。
そしてそれと同時に私たちは悲しみや挫折といった人生の暗い面にも目を向けなければいけなくなったのです。