【ヒトリエ/青】歌詞の意味を解説!「僕らの青」って一体何を指している?いつまでも消えることのない色…の画像

燃やした色が放つ
光にも似た明日の匂い
言葉にならないことばかりだね
わかりきっているんだ、でも

出典: 青/作詞:wowaka 作曲:wowaka

炎の色を想像してください。赤?黄色?実は炎の最も外側は青色の要素を持っています。

炎の一番外側は外炎(がいえん)と呼ばれる。ここは酸素との接触が十分であるため、酸化反応が迅速に進行して熱を発生しており、炎の中で最も高温となっている。
(中略)
これらは主に青の輝線スペクトルを持つ光を放射しているが、この光はあまり強くなく明るい場所では目立たない。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/炎

青い炎は光溢れる場所では光と同化して青く見えません。しかし青に違いないのです。

青い炎に彼らは未来を見ているようですね。

しかし外炎の色に綺羅びやかな未来を感じても、自分たちがそこに立つ姿を今は想像できないのでしょう。

ポジティブな空気を感じているにもかかわらず、そこに溶け込んでいけない歯痒さを感じます。

あの夜の彼方
抱かれた空に溺れても、ああ
夢のまた夢だと僕らまた
笑っていいかな

出典: 青/作詞:wowaka 作曲:wowaka

濃紺の空にもまた終わりがあります。いつしか朝を迎え、明るい青空が戻ってくるのです。

もしかすると新たな青に飛び込んで、新しい恋に出会えるかもしれません。

でも彼らはその幸せを額面通りに受け取ることができないのでしょう。

自分たちには不似合いな高級ブランド品を身につけているかのように「こんなのは自分ではない」と醒めた部分が消えません。

君にしか紡げない唄がある

くだらなく
つまらない
継ぎ接ぎの唄でいいよ
誰にも似つかない
あなたのままでいいよ

出典: 青/作詞:wowaka 作曲:wowaka

唄を紡いでいるのは彼だけではありません。「あなた」、つまり恋人だった女性も同じです。

おそらくお互い消化しきれないものを残して別れを決めたのでしょう。

彼女は彼に対して不満や怒りを抱いているかもしれません。

それをひとつとして偽らずに唄として残すことで彼女のアイデンティティが刻まれるのです。

馬鹿みたく不甲斐なく
頼りないままでいいよ
嘘みたい
でも嘘じゃない
僕らを唄おう

出典: 青/作詞:wowaka 作曲:wowaka

彼は女性を引っ張っていく男性、という姿からは程遠かったのでしょうか。

しかし彼だって彼女に対して具体的な不満を抱えているはずです。

それこそが偽りのない2人の姿だといえます。

ここでも「嘘」を2度使っていますが前述では「唄」そのものの素直さを表現していました。

今回は唄の中に紡がれる彼らの素直さを表現しています。

人生で最初にして最後の色

明るい未来を生きることに、どこか引け目を感じているような2人。

ここでは、明るい未来に飛び込んでも醒めた目で見てしまう理由が語られています。

もう決して作れない青

燃やした色が放つ
光にも似た明日の匂い
言葉にならないことばかりだね
わかりきっているんだ、でも
あの夜の彼方
抱かれた空に溺れても
忘れることの出来るはずもない
色を知ってしまったんだと

出典: 青/作詞:wowaka 作曲:wowaka

光のように明るい青でもない、昼空のように幸せな青でもない、彼らだけが見てきた「青」

2人の素直さが詰まった青色は苦しくて悲しいけれど、2人でしか作れない青色なのではないでしょうか。

この青を超える色に出会えるはずがないのだと感じているようです。