「君」が示すのは

いまさら 少し遅いけど
君がいなければ 今日は違ってた

時々この世界で ひとり取り残されたような
抱えきれないほどの 悲しみに胸が包まれる夜も

出典: 奇跡を望むなら…/作詞:E-3 作曲:E-3

「君」が指し示すのは彼か彼女か?

そんな視点で考えたとき、どちらの立場に置き換えても考えられる言葉がつづられます。

彼女の視点に立っても、の視点に立っても思えることが歌詞に感じませんか?

闘病中の彼女も、遺された彼も感じるタイミングは違うと思いますが、同じ感情を味わうことになるのでしょう。

MVがあることで歌詞の深い意味にも気づかされました。

そんなどちらの立場にも立てる歌詞名曲と言わしめるのかもしれません。

奇跡とは

彼女が病気に打ち勝つのは奇跡に近い確率なのでしょう。

廊下ですれ違う医師と看護師をつかまえて、何かを伝えます。

涙の意味

彼女が流す涙は、いくつかの意味があります。

病気になってしまった心細さ。

社会と離れてしまった寂しさ。

未来を考えたときの悲しさ。

思ってくれる彼への感謝の気持ちと残してしまうかもしれない不安。

そして、出会えたこと、過ごした時間へも感謝の気持ちもあるのではないでしょうか。

繊細に揺れる気持ち

『奇跡を望むなら 泣いてばかりいないで
シアワセには ふさわしい 笑顔があるはず...』

出典: 奇跡を望むなら…/作詞:E-3 作曲:E-3

彼が帰った後の部屋で、彼女は静かに泣きます。

プロポーズにこたえられなかった気持ちや心細さ。

彼の前で泣いてしまいそうな状況でも、1人で静かに泣くのです。

そんな映像から彼女が芯の強い思いやりのある女性であるといえるでしょう。

そして、泣いているばかりの時間を過ごさずに今あるシアワセを感じよう。

シアワセな時間には笑顔が似合うからと歌われていきます。

元気だったころの彼女

夏のある日、彼女とのデートを思い出します。

たくさんの笑顔を向けてくれていた彼女。

まさかこんなことになるとは思わず、ただただ楽しかった日々でした。

思い出から抜け出せない

彼女が元気だったころを思い出しながら、何かを振り切るように走る彼

それは今の彼です。服装が指輪を見つめていたときと同じだからです。

遺されたとしても、生まれ変わってもまた出会いたい。

そばにいなくても彼女を思い、いなくなったことは考えたくないかのように走ります。

目の前にいる人がいなくなった悲しい気持ちは振り払いたくもなりますよね。

大切であればある人ほど、心が引き裂かれるくらいの痛みでしょう。

受け入れるまでの時間

彼女がこの世からいなくなって、を生きている彼は受け入れるための時間がほしいと願います。

彼女が自分のことを引きずってしまうことは望んでいないことを理解しているはずです。

でも、心から愛していた彼女のことを簡単に忘れることはできません。

彼女のためにも前を向きたい

自分の中の止まってしまった時を進めないといけないことは理解はしています。

だから、もう少し時間が欲しいと願うのです。

ずっと夜のような気持ちの先に