夜明けを待ちながら 見つめるその先には
探していた 未来が 微笑む 両手を 広げて
出典: 奇跡を望むなら…/作詞:E-3 作曲:E-3
彼女のいなくなった世界は、彼にとって闇夜のような世界。
でも、ずっと夜にいるわけにはいけません。
彼女にとっても、彼自身にとっても明るい方へ進むべきなのです。
遺された彼が見つめる先、それは未来であってほしいという願いが込められています。
今は見つめることしかできないかもしれません。
でも悩みながらも進んだ先には、優しく微笑むことができる明るい未来が待っていること示しているのでしょう。
病気を知ったとき
映像はまた過去に戻ります。
時代を感じる携帯電話とパソコンを駆使してたくさん治療方法を探します。
病気を知った彼は、なんとか彼女が助かる方法はないか必死なのでしょう。
月が高く昇るまで、夜中になっても調べ続け、あきらめることができません。
彼女の約束
彼女は短い命でしたが、命尽きるまで彼を愛しました。
笑顔が素敵な元気だったころの彼女のままです。
私の人生は楽しかったと伝えるように記します。
本当に思いやり溢れる可愛らしい彼女だったのですね。
サプライズ
読書する彼女は、外から聞こえる知っている声が気になり外を見ます。
するとそこには、ドレスアップした友達と中心にはタキシード姿の彼がいました。
突然のことにびっくりする彼女。
そして、ヴァージンロードに使うようなレッドカーペットが敷かれます。
手作りの心がこもった、ブーケとヴェールで彼女はすぐに花嫁さんになりました。
元気に見える黄色の小物たちに作り手の優しさが感じ取れますね。
プロポーズは断ったけど、本心ではなかったことを彼はお見通しでした。
前に医師と看護師に伝えたのは、この結婚式を頼んだのではないでしょうか。
そして、彼女に知られることなく準備を進めました。
あまりの嬉しさに彼女の目に涙が溢れます。
彼ら2人を囲む人々もうれしさと切なさに包まれました。
希望と思い出
気がつけば想ってる
ほんの少し 苦い 過ぎた日々を
出典: 奇跡を望むなら…/作詞:E-3 作曲:E-3
彼は彼女を純粋に喜ばせたいと考えて、結婚式を行いました。
そして、式を行うことで生きていこうという希望も持たせたかったのでしょう。
付き合っていた時間の中の思い出はこれだけではありません。
デートした日、笑いあった日、ケンカしたこと、泣いたこと。
いろんな感情が式の間も、今だって鮮やかによみがえります。
ちょっと甘いような苦いような不思議な感覚にさせるのです。
現実を実感する
結婚式では、指輪をつけるシーンが定番としてあるのは有名ですね。
それはとても幸せな瞬間なはずなのですが、彼にとっては現実を知るきっかけになってしまいました。
付き合っているときのサイズで作ったはずなのに、指輪がブカブカだったことに彼はショックを受けます。
彼女は指輪を嬉しそうに見つめますが、病状が進行していることを実感するきっかけになってしまったのです。
式の途中ですので、誰も口には出しませんが、複雑な気持ちにさせました。
周りの人達も気づいたのか、切なさを含みながら祝福の涙を流します。
旅立つ彼女
誰もいなくなったベッド。
遺された者の悲しみを包むような優しい日差しが病室に差し込みます。
遺される者へ
病室で過ごす最後のほうで2人が交わした会話はお互いを思いやる言葉でした。
彼だけでなく、彼女に関わる人すべて奇跡を望んだことでしょう。
奇跡を起こせるように幸せな笑顔でいられるように過ごしたはずです。
でも、彼女も彼も一生懸命だったけれども引き裂かれてしまいました。
愛してる、という言葉を残して彼女は旅立っていってしまうのです。