2人でいた証

2人がすごした日々を証明するように、結婚式の写真が写ります。

いなくなってしまっても、2人がいたこと・過ごした日々は消えません。

それは、式に参列してくれた友人や協力してくれた医師や看護師も証明してくれることでしょう。

結婚式をするということには、2人だけではなくみんなのにもとして残るものになりました。

遺された者の日常

交換した指輪を見つめる彼は、彼女のいた日々にまだまだ気持ちが残されています。

彼女のくれた言葉がうれしくもあり、別れの言葉にも聞こえてしまいました。

いつになれば立ち直れるだろう

今はまだ 愛せないけど
いつになるか まだわからないけれど

君のいない現実(せかい)に
向きあわなきゃ いけなくなる

たとえ 思い出すのも
つらいことだって 消えるわけじゃない

『奇跡を望むなら 一人きりでいないで
手を伸ばせば 誰にでもコタエはあるから...』

出典: 奇跡を望むなら…/作詞:E-3 作曲:E-3

彼女のいない世界を愛せない彼は、どれほどの時間がたてば立ち直れるのでしょうか。

現実を受け入れないといけないことは頭ではわかっているのですが、心がついてきません。

思い出す時間が多くあります。

でも、思い出がつらさを消してくれるわけではないのです。

彼女は自分がいなくなったことに落ち込み続けることを望んではいません。

1人だけで立ち向かうのではなく、周りを見てほしいと願うのです。

私のいない現実も彼には下ばかり向かずに歩んでほしいという思いが込められます。

どうしても忘れられない

やはり彼女がいない現実がツラすぎます。

外に出る気もおきず、部屋で思い出して泣いてばかりで過ごしてしまうのです。

そうしていると、を遮るように荷物が届きます。

ビデオレター

自分がいなくなったら、彼がどうなるか予想していたのでしょう。

彼女はビデオレターを残していました。

そして、落ち込みから抜け出せない時期をわかっているかのようなタイミングで届きます。

彼女の想い

ビデオレターが届く頃には、自分はいなくなっていることを予想して撮影していました。

ビデオの中の彼女は、彼に語り掛けるように、時にも流しながら気持ちを伝えます。

彼には前を向いて生きていってほしいこと、歩みを進めてほしいことを話しているのでしょう。

自分がいなくなってからの彼のことを心配をしていました。

彼の背中を押したいと願い、また押せるのも彼女自身とわかっていたのです。

ビデオを見る彼から笑みがこぼれます。

彼の少し気持ちが軽くなった瞬間でした。

病気から助けられなかった、もっとたくさん会いにいけばよかったなど後悔することもあったと思います。

でも、ビデオを通じて彼女の気持ちが彼に十分に伝わったことでしょう。

彼女が彼といる時間を幸せな気持ちで過ごせていたことが感じ取れたはずです。

彼がいつまでも下をむかず、光の指す方へ向かってほしい。

そんな彼女の心からの願いを彼女自身の自分の言葉で届けられたのは幸せなことだといえますね。

前を向く勇気をもらいます。

夜明けを待ちながら 輝く明日を信じ
忘れていた 勇気を もう一度 この胸に 描くよ

ありふれた 言葉から 誓いは生まれてゆく
まっすぐに歩いて ゆけたなら…

『奇跡を望むなら 泣いてばかりいないで
シアワセには ふさわしい 笑顔があるはず...』

夜明けを待ちながら 見つめるその先には
探していた 未来が 微笑む 両手を 広げて

出典: 奇跡を望むなら…/作詞:E-3 作曲:E-3

彼女のいない世界で光を失ったような感覚の中に彼はいました。

そんな闇夜の世界で生きていた彼ですが、ビデオレターきっかけに明日を生きる勇気をもらいます。

まっすぐに歩き出せたら、きっと彼女の望むような輝く未来が待っていることでしょう。

微笑むように受け入れてくれる未来が待っていると願う。

そんなひたすらひたむきなほどの彼女の愛が彼の背中を押すのです。

まとめ