世の中に疲れてしまった主人公が、いつも心を癒す場所。
それは、街中にあるバーでした。
「終電の後」といっているので、きっとこのバーは主人公の自宅から離れているのでしょう。
電車を使わないと通えない場所にあるバーであることが、この歌詞から分かります。
終電を見送って、朝になるまでバーで飲み明かす。
それが、この主人公のリフレッシュ方法なのです。
バーに通っているという設定だけで、すでに大人っぽい雰囲気を感じられますね!
素敵な男性に、主人公はどんな提案をしたのか…?
(※1)一度 抱いてみるかい?(FUFU…)
嫌なことを忘れさせてあげる
もう飲み過ぎてるわ(FUFU…)
このまま潰れてしまうのならば
愛なんて一晩くらい貸し借りができるのよ
窓の外が明るくなるそれまで
付き合おうか?
出典: 抱いてみるかい?/作詞:秋元康 作曲:西島真実
ここで、曲名にもなっている「抱いてみるかい?」という言葉が登場していますね。
これは、主人公がバーで素敵な男性と知り合ったことを意味しています。
主人公と同じように、この男性もきっと世の中に疲れてしまっているのでしょう。
主人公は、男性が自分と同じ気持ちを抱えていることに気づきました。
そして、お互いの心を癒す方法として、一晩だけ恋人同士でいることを提案したのです。
お酒の勢いにまかせて愛の言葉を囁きあえば、一時的ではありますがお互いに良い気分になれる。
そのことを知っているから、この主人公はこんな提案をしたのでしょう。
2番~ラストの歌詞
主人公が話しているのはお店の人!
さあ 看板の灯り消して 鍵を閉めよう
何にも話さなくたって
見当つくのよ
出典: 抱いてみるかい?/作詞:秋元康 作曲:西島真実
「看板の灯り消して鍵を閉めよう」という歌詞に注目してみましょう。
バーの看板の灯りを消したり、鍵を閉めたりできるのは、バーの店員、もしくは店主だけです。
つまり、この女性はバーの男性客と話しているのではなく、お店の人と話しているのでしょう。
そして、主人公以外にはお客さんがいない状態であることが、この歌詞から分かります。
じゃないと、勝手にお店をクローズすることはできないですからね。
この男性は主人公に向かって、具体的に何か相談したり、愚痴を話したわけではありません。
しかし、主人公は人生経験が豊富な人物です。
だから、具体的な説明がなくとも、相手の心の中にある闇を見つけることができるのでしょう。
なぜ「人生は長いカウンター」なの?
人生は長いカウンター
ねえ 泣き言を言ってごらん
出典: 抱いてみるかい?/作詞:秋元康 作曲:西島真実
バーのカウンターには、毎晩様々なお客さんが座ります。
上機嫌なお客さんもいれば、苛ついているお客さんもいる。
中には、悲しみでいっぱいのお客さんもいます。
そんな様々な感情が行き交うカウンターの様子を、人生に例えているのでしょう。
泣き言を言えば、きっと相手の男性の心も、少しは楽になるだろう。
そう思った主人公は、男性に向かって本音を話すように促します。
主人公の口から出てくる愛の言葉は、全てまやかし!?
(※2)今夜 抱いてやろうか? (FUFU…)
温もり思い出させてあげる
そう 冗談だよ(FUFU…)
そんな簡単な女じゃない
出典: 抱いてみるかい?/作詞:秋元康 作曲:西島真実
酔った勢いで、甘い言葉を囁く主人公。
そんな主人公の言葉を聞いて、この男性はだんだんと気分が良くなってきたのだと思います。
しかし、主人公の口から出てくる数々の愛の言葉は、きっと本心ではないのでしょう。
主人公は孤独を最も愛している女性。
男女の愛なんて面倒だと感じているような人物です。
でも一晩だけの薄っぺらい関係なら、気軽に付き合うことができるし、一時的に心を癒せます。
だから「冗談だよ」といって、相手が本気にならないようにしているのでしょう。
一晩だけなら付き合ってあげても良いと考える主人公
愛なんて信じないわ どうせ消えてなくなる
窓が揺れて始発が動くまでは
そばにいようか?
出典: 抱いてみるかい?/作詞:秋元康 作曲:西島真実
この男性と本気で恋したいわけではない主人公。
きっと過去の恋愛で、散々傷ついてきたのでしょう。
真剣に交際をすることに嫌気がさしているのだと思います。
でも始発までは暇だし、今晩はこの男性と付き合ってあげてもいいかなと感じているようです。