人は夢を追うあまり、自分を見失ってしまうことがあります。
それどころか、「今の自分ではいけない」「変わらないと」と焦ってしまうこともあるでしょう。
ですがそんな時だからこそ、一番大切なのは自分を持つことなのです。
全ては自分次第
誰かを当てにしても 求めるものじゃないのだから
本当の自分はここにいるって 目を閉じていないで
出典: THIS ILLUSION/作詞:芳賀敬太 作曲:NUMBER 201
目指すのも、それを得るのもまた自分自身。
他人に何かをしてもらって得られるものではありません。
夢を叶えるために、「今のままではいけない」と焦る人もいます。
しかし、自分を変えるのも結局は自分なのです。
そして、その自分は今この場にいます。
今の自分は弱くて未熟で、満足できないかもしれません。
だからといって未熟な自分から目を背けるべきではないのです。
求めるものを得るには、自分という存在を認める必要があります。
未来の自分が霞んでいく
風にまかれて ガラクタじみた 懐かしい笑顔
明日の自分なら なんて祈っても 遠ざかる解答(こたえ)は霞む
出典: THIS ILLUSION/作詞:芳賀敬太 作曲:NUMBER 201
ここで主人公以外の人物が登場します。
笑顔を浮かべるその人は、主人公の大切な人でしょうか。
その人は本当にそこにいるのではなく、風が見せた幻という可能性もあります。
主人公は守りたくても守ることができなかったのかもしれません。
または、かつて夢を叶えると約束した人とも考えられそうです。
相手の笑顔が「ガラクタ」のようなのは、今の自分ではその相手に顔向けできないということでしょうか。
明日の自分なら、今よりもっと立派になって顔向けできるだろうか。
そう思いかけますが、「できる!」といい切れる自信はないようです。
未だに自分が抱いている夢が実現できる気配はないのですから。
主人公が必死なのは、その人のためでもあると考えられます。
未来の歩き方
全く上手くいかなくて主人公は悩み絶望し、また焦っています。
これからどうしたら良いのか、どうやったら輝かしい未来を掴めるのか…先行きが見えない状況です。
と、ここまで彼は未来ばかり見ているようですね。
未来を見据えるのは大切ですが、自分の思うように進んだところで未来もまた思う通りにいくとは限りません。
未来へと進むには、未来ばかり見ていても意味はないのです。
夜を飛び超えて
凍えそうな躯と 一片(ひとひら)の想い
朽ち果てるその前に 飛び超えていけ夜を
出典: THIS ILLUSION/作詞:芳賀敬太 作曲:NUMBER 201
戦い続け、苦しんだ末に主人公の体は満身創痍の状態になっていました。
それでも彼の心はまだあきらめていません。
たとえ「一片」しかなかったとしても、「想い」はまだ確かに存在するのです。
完全に崩れ落ちてなくなってしまう前に、この状況を終わらせましょう。
「夜」という、暗くて寒くて寂しい時間を乗り切ります。
その先には、「夜明け」という希望の光が主人公を照らしてくれるはずです。
明けない夜はありません。
もっと先の未来が見えなくても、明日になったら見えることだってあります。
今のあなたで大丈夫
誰かの為に生きて この一瞬(とき)が全てでいいでしょう
見せかけの自分はそっと捨てて ただ在りのままで
出典: THIS ILLUSION/作詞:芳賀敬太 作曲:NUMBER 201
今の主人公は、よく他人を助けたり守ったりしているようです。
未来のことを考えると、この「今」に主人公が満足していないのはここまでの歌詞でよく分かっています。
しかし、今の時点で他人のために生きるなんて素晴しいことではありませんか。
なかなかできることではありません。
今こうして頑張っているだけで、十分誇って良いものです。
未来ばかり考えていると、足元を掬われてしまうことがよくあります。
いっそ、未来を考えずに「今」を一生懸命生きる生き方だってあるのです。
未来のことは未来にならないとできませんが、今のことは今すぐにできますから。
「みんなの希望にならないと」と気負う必要もありません。
繕わずに今の自分のままで生きれば、おのずと道も開けてくるのではないでしょうか。