NHKドラマ8「バッテリー」の主題歌
「少年」は2008年のテレビドラマ「バッテリー」の主題歌です。
原作はあさのあつこさんの小説です。映画化やアニメ化もしています。
ドラマはジャニーズ事務所所属の中山優馬が主演ということもあり当時話題になりましたね。
中学校の野球少年の1年を描いた青春物語です。
野球といえば夏の炎天下を想像させられますが、
「SUPERMARKET FANTASY」収録
ドラマのタイアップがついていたのですが「少年」はシングルではありません。
ミスチルの16thアルバム「SUPERMARKET FANTASY」の5曲目に収録されています。
筆者個人的にはミスチルの中でも1位、2位を争うほど好きなアルバムです。
癖があまりなく、素直な楽曲が多く非常に聴きやすい曲ばかりです。
もし今からミスチルをアルバムごとに聴きたいという人がいたら間違いなくこのアルバムを勧めます。
このジャケットも非常にキュートでポップで素敵です。
今からご紹介する「少年」は曲調はポップではないのですが、
このジャケットから受け取れるような素直でまっすぐな想いを表した楽曲です。
それでは早速その歌詞をみてみましょう!
「君」のことを想う「僕」
「君」の内側を知りたい
足音を忍ばせ 君の扉の前に立ち
中から漏れる声に耳を澄ましたら
驚かさないようにそっとノックをしなくちゃな
ねぇそこにいるんだろう?
もう入ってもいいかなぁ?
君のその内側へと 僕は手を伸ばしているよ
出典: 少年/作詞:Kazutoshi Sakurai 作曲:Kazutoshi Sakurai
「扉」とは「君」の心の「扉」のことです。
「僕」は「君」の心が知りたくて耳を澄まします。
「君」を驚かさないようにする「僕」の優しさが伺えます。
無理に心を覗こうとするのではなく、「君」に問いかけます。
「もう入ってもいいかなぁ?」と聞いているところから「僕」と「君」の関係は短くはないのでしょう。
「僕」はすこしずつ君の内側に近づいていっているのでしょう。
そして手を伸ばして「君」の心を求める純粋な「僕」がいます。
やはり好きな人の心の奥というものは知りたくなるものですよね。
高ぶる感情
日焼けしたみたいに心に焼き付いて 君の姿をした跡になった
ひまわりが枯れたって 熱(ほて)りがとれなくて まだ消えずにいるよ
瞼の内側で君を抱きしめると 心臓の鼓動が僕に襲い掛かってくる
そいつをなだめて優しく手なずけるまで
まだ時間がかかりそうなんだ
出典: 少年/作詞:Kazutoshi Sakurai 作曲:Kazutoshi Sakurai
「僕」は「君」のことを心に焼きつくほど強く想っています。
それはまるで日焼けの跡のようだと比喩しています。
しかもその跡は「君」の姿がはっきりわかる跡です。
日焼けした時、しばらくその跡は熱がこもってほてっていますよね。
ひまわりが枯れる頃ですので、夏の暑さが緩む頃ですが、「僕」のほてりはまだとれないままです。
ずっと「僕」の中に君が焼き付いて消えずにいるのです。
恋をしたことがある人なら非常に共感できますよね。
好きな人に会った後でも、嬉しくてしばらくしてもほてりが冷めない状態です。
その人のことしか考えられず、ずっと心の中にいるような感覚がします。
そして目を閉じて「君」を抱きしめる想像をします。
そうするとドキドキして鼓動が早くなります。
その心臓の鼓動が襲い掛かってくると表現しています。
自分の中の先ほどの純粋で優しい「僕」とはまた少し違う「少年」の心がそこにいるのです。
自分ではどうしようもなく、抑えることもできないほどの強い「君」への想いを持って居る「少年」。
「そいつ」とはその自分の中の「少年」のことでしょう。
その自分の中の「少年」を自分でコントロールできるようになるにはまだ時間がかかると感じるほどに
「僕」の「君」への想いは激しいものなのでしょう。
「君」との幸せな時間
「君」の美しさ
できるだけリアルに君を描写したいと思う
そのための時間を僕にくれないかなぁ?
どんな名画よりも美しく描くから
じっとしてなくてもいいんだよ
笑ってなくてもいいんだよ
ただ君のまんまでこっちを向いてておくれよ
出典: 少年/作詞:Kazutoshi Sakurai 作曲:Kazutoshi Sakurai
ここではまた優しい「僕」が顔を出します。
どんな「君」でもいいよ、「君のまんま」でいいんだよと優しく投げかけます。
そんなありのままでリアルな「君」を描写したいと「僕」は願います。
美しいものや綺麗なものは絵にしたり写真にしたりして、どうにかして形にして残したいと思うものですよね。
それが人間の美的感覚的な欲というものです。
それを感じるほどに「君」は美しく綺麗だと「僕」は感じています。
どんな名画よりも美しく描けるという確信があるほどに君は美しいのです。