大人気アニメのエンディングテーマ
shelaさんが2004年にリリースしたシングル【月と太陽】。
フジテレビ系アニメ「ONE PIECE」エンディングテーマ曲、という印象が強いのではないでしょうか。
夢を追う全ての人へ
背中を押すフレーズ
夢を見て旅人達よただ光に導くままに…
出典: 月と太陽/作詞:瀧川潤 作曲:瀧川潤
冒頭の歌詞では、夢を見ている全ての人を鼓舞するようなフレーズが登場しています。
「旅人」という表現は「ONE PIECE」に登場するキャラクター達を彷彿とさせますね。
ここでは人生を旅と捉えています。
つまりいま生きている人たち全員に向けて夢を持つことの大切さを訴えかけているのです。
夢を追う人たちは当然、自分の人生という限られた時間の中で目指すべき場所へ突き進んでいきます。
もちろん目的は人それぞれですが、共通しているのはそのゴールが「夢を叶える」ことであるという点。
例えばルフィの夢は「海賊王になること」ですね。
現実世界で考えればそれは「歌手になること」かもしれませんし、「小説家になること」かもしれません。
しかしここで夢という言葉が差しているのは、このように壮大なスケールで描く夢だけではないのです。
例えば「1か月後までに苦手を克服する」ですとか「この会社に就職する」といった身近なものも当てはまるはず。
これは夢というより、日常的に目標だと捉えているようなものでしょう。
もしかすると夢は大きいもの、そして目標は小さいものだと捉えている人は多いかもしれません。
ただ表現の仕方は違えども、どちらも自分自身が成し遂げたいことに変わりはないのです。
きっとゴールに向かう道中、様々な障害が立ちはだかることでしょう。
それでも乗り越えて、自分が目指す場所への旅を続けていかなければならないのです。
導くのは誰?何?
後半の歌詞ですが、「光「『に』」という表現が気になりませんか?
違和感があるのは主語が抜けているから。
光はゴール地点を表す言葉ですが、重要なのはそのゴールに導いてくれるのが誰なのか?ということ。
それはおそらく、この楽曲ではないでしょうか。
夢に向かって歩みを進めるのは旅人本人ですが、後押しする存在も時には必要です。
そんな存在が必要になったら、この曲を聴いてほしい。必ず背中を押すから。
そんな願いが込められているようにも感じられます。
苦しい時には
超えられない壁
淋しいなら声を聞かせて
届かないなら詩(うた)を聴かせて
戸惑いながら羽根を閉じて
彷徨いながら空を見つめてる
出典: 月と太陽/作詞:瀧川潤 作曲:瀧川潤
夢に向かって進み始めた旅人達の目の前に、さっそく壁が立ちはだかっているようですね。
自分だけの力では乗り越えられないように思える高い壁。1行目では孤独感を抱いているようです。
乗り越えるエネルギーは自分の内側から湧き出るものというより、外部から与えてもらうものだと感じているのでしょう。
しかしそんな願いも虚しく、孤独感は拭えません。
それはつまり自力で乗り越えなくてはいけない障害だということ。
ただネガティブな感情に支配されているときには、そんなことにさえ気がつくことができません。
3行目では1度歩みを止めてしまった様子が描かれています。
それでも空を見上げるのは
3行目で「羽根」という表現が登場したのは、自分自身を夢に向かって羽ばたく鳥のように感じていたから。
4行目で「空」という言葉が登場しているのも、こういった理由からでしょう。
しかしそんな4行目のフレーズでは、対照的な様子が描かれているのです。
彷徨っている旅人と、空を見ている旅人。ネガティブかと思ったらポジティブです。
その理由は、夢に向かう旅人達の強い決意が詰めこまれているから。
夢を追う途中で壁にぶつかり、立ち止まってしまうこともあるでしょう。
どうしたら良いかわからなくなって行ったり来たり、藻掻いているはずなのに前には進めていません。
しかしそんな中でも見つめる先は変わりません。
その見つめる先には当然叶えたい夢・目標と、その達成イメージがあります。
歌詞で「空」と表現されているのが、そのイメージのことでしょう。
どんなに苦しい時でも絶対に進むべき方向だけは見失わない。
確固たる信念を持った旅人達の様子が描かれていました。