進むしかない
夢を見て幾千の夜にただ流れる旅人達よ
例え戻れなくて…それでもまた歩むでしょう
出典: 月と太陽/作詞:瀧川潤 作曲:瀧川潤
2行目、戻れないとは一体どこへ?そしてそれは何故でしょう。
旅人達は夢を叶えるべく旅を始めました。
その決意は何があっても揺るがない、確固たるものなのでしょう。
「夢を叶えたら帰ってくる」などと周囲に宣言してから出発したのかもしれません。
その途中で様々な壁にぶつかり、心が折れそうになることもありました。
そんな時に思い出すのはきっと2つ。
1つは自分が出発した地。故郷でしょう。そしてもう1つは周囲の人に叶えると宣言した夢。
人は辛い時ほど楽な方へ流されがちですから、こんな時ほど自分の故郷に気持ちが向きがちになります。
もう諦めて帰ってしまおうか。そう感じる瞬間も少なからずあることでしょう。
しかしそんな旅人達を引き留めるのが、夢に対する熱い想い。
自分が決めたことをやり切れなくてどうするのだ!と、自分自身を鼓舞してくれます。
さらに戻りたかった故郷であっても、夢を宣言している以上は中途半端で帰るわけにはいきません。
戻れないのはきっと最初から、自分自身で退路を断っていたためでしょう。
その決意の固さは、旅人達にとって最も重要な要素なのかもしれません。
その覚悟が切り開くもの
哀しいから頬を濡らして
伝えたいから声を枯らして
鬱向きながら影を捜して
躓きながら空を見上げてる
出典: 月と太陽/作詞:瀧川潤 作曲:瀧川潤
ここでもまた、夢に向かう途中で心が折れそうになっている旅人達の姿が描かれています。
2行目にある通り、彼らは自分ができることすべてをやり切ったと思っているのでしょう。
それでもなかなか打破できない現状に苦しんでいます。
しかしここまで見てきて明らかなのは、「それでも旅人達は諦めることを知らない」ということ。
3行目では完全に下を向いています。前を向く気力さえ持てないほどに疲弊しているのです。
しかし、ただでは転ばないのが旅人達。下しか向けないのならそこで藻掻こう。そう考えているようです。
大きな夢が地面に落とす影。
それは言い換えれば、前だけを向いていた時には気がつけなかった夢を叶えるためのヒントかもしれません。
下を向くことで初めて気がつけたそのヒントを頼りに、4行目で再び強く歩き始めた様子がわかりますね。
旅人達のブレない信念、強い想いがまた夢への道を切り開いたのです。
窮地に陥っても諦めない
また輝くために
一人…佇む…輝きさえ失くしたとしても…
出典: 月と太陽/作詞:瀧川潤 作曲:瀧川潤
この楽曲中で最大の窮地かもしれません。
ここまでは必ず旅人「達」と解説してきましたが、ここではハッキリと孤独だと綴られているのです。
旅人同士で支え合うこともできない、助け合うこともできない、まさに窮地に陥っている状況。
しかし夢を追う過程では必ず訪れる試練なのかもしれません。
自分の力で乗り越えるだけの強い気持ちを持っているか、試されている場面ともいえるのではないでしょうか。
旅人はそれを理解しています。だから何も見えない暗闇であっても逃げだしたりしないのです。
歌詞最後に続く言葉。
あえて単純な表現にするなら「絶対に諦めない」という強い言葉だろうと想像できますね。
夢を叶えるその日まで
いつの日か旅人達よ今光に包まれて
楽園(ここ)に残したくて それでも繋いでく意味を
夢を見て幾千の夜に…傷ついた羽根広げて
例え戻れなくて…終曲へと歩む事でしょう
出典: 月と太陽/作詞:瀧川潤 作曲:瀧川潤
4行目「終曲」とは、フィナーレのこと。
これはもちろん、夢がかなった瞬間のことを意味しています。
旅人達はみな、盛大なフィナーレを迎えるべく歩き続けているのです。
1行目「光」も2行目「楽園」も全て、このフィナーレを意味する表現。
全てはこの瞬間のために…と言っても過言ではありません。
最高のフィナーレに向かって歩き続ける旅人達の姿を描いた【月と太陽】。
夢に向かって歩き始めた方はぜひ、この楽曲を旅のお供にしてみてはいかがでしょうか。