あでやかで雅なEGOISTの9thシングル
MVはありませんが、この曲がタイアップされた「甲鉄城のカバネリ」のオリジナルムービーが公開されています。
EGOISTの曲といえば、シリアスでやや仄暗い印象が強い気がしませんか?
「The Everlasting Guilty Crown」や「名前のない怪物」などは、まさにそんな感じでした。
一方、「咲かせや咲かせ」は真逆の雰囲気です。
華やかで和風で、とても明るい感じ。
聞いていると、なんだかワクワクしてきます。
CDジャケットもより和な雰囲気。
これは…まさに新境地と言っても過言ではないのではないでしょうか!?
他のアニソンからEGOISTに入った人は、少し驚いちゃうかもしれませんね。
和楽器を使ったメロディは、雅で美しい日本の風景を思い起こさせてくれます。
しかし、もちろんEGOISTならではのかっこよさと疾走感は健在です!
新しいEGOISTの顔となりそうな「咲かせや咲かせ」は、いったいどんな歌詞なのでしょうか。
劇場版「甲鉄城のカバネリ」主題歌
「咲かせや咲かせ」は、劇場版「甲鉄城のカバネリ 海門決戦」の主題歌です。
劇中ではEDで流れました。
「咲かせや咲かせ」は、この作品の世界観とリンクした仕上がりとなっています。
どのような感じに繋がっているのかは、映画を観てのお楽しみですね!
「甲鉄城のカバネリ」は2016年にアニメシリーズも放送されたため、記憶に新しい人もいるでしょう。
カバネという不死の生き物と、人間との戦いを描いた物語です。
タイトルの「カバネリ」とは、カバネと人の狭間の存在のこと。
カバネに噛まれた人間もまたカバネになりますが、何かの作用で人の心を失わずにいられる存在がいます。
それがカバネリ。
主人公の生駒と、ヒロインの無名もカバネリです。
映画の「海門決戦」は、このアニメシリーズ終了後に展開される物語となっています。
「甲鉄城のカバネリ」といえば、アニメシリーズのOPもEGOISTが担当されていました。
最早、両者は無くてはならない関係となっていますね!
冬から春へ
「咲かせや咲かせ」の歌詞は、冬を終えて春の訪れを祝うものです。
冬は寒くて食べ物も手に入らず、人も動物も植物も辛い季節。
気分も暗くなってしまう人もいるかもしれません。
しかしこれから暖かくなると思うと、前向きな気持ちになるでしょう。
この春への移り変わりは、古くから多くの人々の心に希望を灯しました。
冬を乗り越えた先に、春はやってきます。
「咲かせや咲かせ」は、まさに春の訪れを今か今かと待つ人々の思いが表れているのです。
冬の終わり
今となれば名残雪
虫は歩く いよいよと
限りあるものが謡う
眠り冬を超えて
出典: 咲かせや咲かせ/作詞:ryo(supercell) 作曲: ryo(supercell)
歌詞からして、冬が間もなく終わりを迎えようとしている季節であることが分かります。
少し残った雪の上に、虫たちが這い出してくる光景が目に浮かぶようです。
同時に、冬は眠りと結び付けられているようです。
つまり動物の冬眠や、草花が種のまま地面に残っていることを言っているのでしょう。
冬が眠りの季節なら、春は目覚めの季節でしょうか。
厳しい冬を乗り越え、美しい春の季節へ。
命の芽吹きが着々と近づいているかのようで、なんだか聴いている方までワクワクします。
3行目の「限りあるもの」は命あるものとも、冬に活動を続けていたもの(人間)とも解釈できそうです。
春に思いを馳せて
待ち遠しや梅桜ハナミズキ
燻(かお)れば蝶に蜜蜂が舞う
清浄明潔(しょうじょうめいけつ)はよ来いひんかな
今はただ陽光に
誰が夢を描く
出典: 咲かせや咲かせ/作詞:ryo(supercell) 作曲: ryo(supercell)
梅の花や桜といった花々が咲き、蝶やミツバチがやってくる光景が楽しみで仕方ないようです。
まさにそれは春の光景ですね。
梅の花が咲いていないということは、今でいう1月ごろなのでしょうか。
1行目と3行目の歌詞から、春が待ち遠しいという気持ちがダイレクトに伝わってきます。
清浄明潔とは二十四節気の一つで、現在の4月上旬から中旬頃の季節を指す言葉です。
たしかに4月といえば、すっかり暖かくなって春真っ盛りなイメージ。
まだまだ寒さが残るこの時点の季節では、春に早く来てほしくてたまらないでしょうね。
ですが、それだけで春が早く来てくれるわけではありません。
だから今はただ空を見上げて、春への思いを馳せているのでしょう。
それは誰が?
これからサビで始まるお祭りで踊る人でしょうか。
春よ来い
さあさ もっと踊れや踊れ
晩まで鳴子鳴らせ
花吹雪 咲かせや咲かせ
新しき春の日来たれ
出典: 咲かせや咲かせ/作詞:ryo(supercell) 作曲: ryo(supercell)