春を1日でも早く招く踊りでしょう。
見るからに華やかな光景が広がっていそうです。
お祭り騒ぎすることで、春に早くやってきてもらおうとしているのかもしれませんね。
鳴子はよさこい祭りなどで使われる音具で、羽子板のような形をしています。
きっと作り物なのかもしれませんが、花吹雪を振り撒いて派手に踊りあかしているようです。
踊りながら、皆命芽吹く春を夢見ているのでしょう。
春が待ち遠しい
春がやってくることは、恐らく曲の舞台に暮らす人々全員の悲願。
それがよく分かりますね。
もちろん、冬がどれだけ大変な季節だったかということも。
冬の終わりと、やってくる春を祝う歌詞はまだまだ続きます。
春の足音
雪解けて土香れば
蛙も鳴く げらげらと
草は芽吹き山笑う
眠り冬を超えて
出典: 咲かせや咲かせ/作詞:ryo(supercell) 作曲: ryo(supercell)
1番と同じく、春の気配を感じさせる情景が語られています。
1行目は雪に覆われ凍結していた地面が顔を出し、土が柔らかくなってきた状態でしょうか。
蛙は土に潜って冬眠する生き物で、気温や土の変化を感じて目を覚まします。
雪の下で眠っていた草花の種も、温かさに誘われるように発芽していくことに。
一見当たり前な自然の光景ですが、春を待ち望んでいるのは人間だけではないことが分かるでしょう。
宴に夢を見る
調子よけりゃ えいさ ほいさ そこの衆
負けたらそれ飲め 目舞うまで
生生世世(しょうじょうせぜ) あらよっと
知らぬこと
今はただ餞(はなむけ)と
皆が夢を描く
出典: 咲かせや咲かせ/作詞:ryo(supercell) 作曲: ryo(supercell)
暖かくなってきたので、宴会のようなものを開いているのでしょうか。
おめでたいことですから、ついつい調子も上がっちゃう筈です。
賭け事か勝負で、負けたらお酒を飲む罰ゲームなんてまさに宴会の出し物みたい。
皆の陽気な歓声と笑い声が、この歌詞を読んでいるだけでも聞こえてきそうです。
ところで、この辺りの歌詞は聴き慣れない言葉がいくつか出てきていますね。
簡単に解説しましょう。
3行目の生生世世とは、「いつまでも永遠に」という意味で使われる言葉です。
元は仏教の言葉で、「人々が誕生と死を繰り返しながら作り上げてきた世間」を表現した言葉。
歌詞の意味と絡めると、多分後者の方でしょうか。
世間とか仕事のこととかどうでもいい、今は楽しく騒ぎたいという感じなのでしょう。
ただ、「いつまでも続く宴会」という意味にもとれそうですね。
2つの意味があるのかもしれません。
5行目の餞は餞別…つまり、贈り物のことです。
よく小説やゲームなんかで旅に出る主人公に、故郷の人が道具やお金をくれるのを見たことがありませんか?
あれを餞と呼びます。
この歌詞では、宴が春への餞別のように思えます。
どんちゃん騒ぎをささげながら、そこにいる人々も春がやってくることを楽しみにしているのです。
命が芽吹く祭り
さあさ もっと祝えや祝え
晩まで祭りあかせ
皆囲え 咲かせや咲かせ
新しき春の日来れば
心もまた息吹く
出典: 咲かせや咲かせ/作詞:ryo(supercell) 作曲: ryo(supercell)
宴で春をもっと祝おうと盛り上げているのでしょう。
お酒を飲んで会話に花を咲かせ、時も忘れてみんなで踊る。
こんなに平和で楽しいことはありません。
春がやってくるという希望が、ここまで人々に元気を与えています。
実際に春が来てくれれば、人々は仕事に精が出ることでしょう。
それが嬉しくてたまらないのです。
春は命の季節というイメージがありますが、命の誕生は元から存在する命にも良い影響を与えるのですね。
元来、春の捉え方はこんな感じだったのでしょう。
春を祝え
これでもかというほどに飛び出す、お祭り騒ぎの光景。
ですが、こんなものでは終わりません。
どうせ祝うならそこにいる全員で祝いたいものです。