あなたが 求める答えは
そこに眠る
探してみなさい
おぼれないようにね
出典: 魔法の川の子守唄/作詞:KRISTEN ANDERSON-LOPEZ,ROBERT LOPEZ 訳詞:高橋知伽江 作曲:KRISTEN ANDERSON-LOPEZ,ROBERT LOPEZ
求めるもの。作中で主人公が知ろうとしている秘密を指します。
先ほどの歌詞にあった川にその答えがあり、それを探すように言ってるのです。
身を案じるような言葉は、その秘密にたどり着くための道のりが困難であることを表しています。
子を案じる想い
歌詞を見ていると、子守唄と本編での主人公達の状況がリンクしているのが分かります。
彼女が求める秘密のありかと、進むべき方向を教えてくれているようです。
それを表すように、映画本編では子守唄が示した通りに物語が進んでいきます。
歌詞にある、溺れることを心配する気持ち。
これは単に冒険の途中で川の水に沈んでしまう危険性だけを示しているのではないでしょう。
旅の中の出来事によって自分自身を見失ってしまうことを案じているようです。
冒険を促しつつも、無事であることを願う。
我が子が困難を乗り越え成長していくことを願う母の切なる気持ちが感じられるようです。
それは映画に関係なく、どの親子にも通じる気持ちなのではないでしょうか。
覚悟を問う
過酷な運命
聞いて
耳すまして
魔法の川の歌
その秘密を知る
勇気あるのなら
出典: 魔法の川の子守唄/作詞:KRISTEN ANDERSON-LOPEZ,ROBERT LOPEZ 訳詞:高橋知伽江 作曲:KRISTEN ANDERSON-LOPEZ,ROBERT LOPEZ
主人公に聞こえる声は、子守唄に出てくる川の唄と同じのようです。
その唄を聴くように言いつつ、同時に勇気を問いかけています。
唄に耳を傾ければ秘密を知れる。歌声の方向に進めば真実が分かるということですね。
危険や困難を恐れない心があるかどうか問いかけてくるのは、その道が厳しく過酷であるからでしょう。
秘密を知ることで、その心が傷つく可能性があることを示唆しているのです。
物語では唄が表す通り、主人公達には過酷な運命が待ちかまえています。
乗り越えてほしい
これは実際の人生にも言えることです。
子供から大人へ成長していく過程には、どんなに恐ろしくても飛び込まなくてはならない試練があります。
その時に問われるのが勇気です。
傷つくことを恐れて何も行動を起こさなければ、何も得ることはできません。
乗り越えた先に、成長や明るい未来が待っています。
どんなに過酷な試練でも、大きな勇気をもって超えて行って欲しい。
そんな我が子の背中を押す力強いメッセージなのですね。
すべての答え
北風が海に 巡り合う
その川に
おいで 良い子よ
母なる川へと
出典: 魔法の川の子守唄/作詞:KRISTEN ANDERSON-LOPEZ,ROBERT LOPEZ 訳詞:高橋知伽江 作曲:KRISTEN ANDERSON-LOPEZ,ROBERT LOPEZ
辛い困難が待っていることを伝えた上で、おいでと我が子を呼んでいます。
川を母に例えているのは、全ての始まりがそこにあることを意味しているのです。
映画の物語では、冒険の果てに主人公は自らの出生のルーツを知ることになります。
全ての秘密を知った彼女は自分が何者であるかを知り、自分が生まれた本当の意味を理解するのです。
旅の果てに自分が何者であるかを知る。まるで人生そのものを表しているかのようです。
生まれたとき、人は自分が何者であるかを理解してはいません。
成長し、社会に出て、所属する組織や人間関係を築いていくことで自分の立ち位置を見出していきます。
それに加えて、挑戦や失敗やあらゆることを経験していく。
それによって心が育ち、豊かな感性が育まれていきます。
そうして生きていく中ではじめて、自分が何者であるかという答えを得ることができるのです。
映画の主人公は自分が何者かを知り、どう在れば良いかという答えを見いだしました。
迷い嘆いていたこれまでと変わり、堂々と胸を張って生きていけるようになったのです。
困難な旅の果てに、主人公はハッピーエンドにたどり着くことができたのです。
生きる意味を見いだすことは人生の最大の幸福でもあります。
自分が生まれた意味をしっかりと見つけてほしい。
唄が我が子を手招くのは、子の幸せを願う母の想いの表れなのですね。
子守唄に込められた意味
子の成長を願う
いかがでしたでしょうか。
冒頭で流れる子守唄が映画のストーリーの全てを表していました。
唄の導きのまま、主人公は秘密にたどり着き、自分が何を成すべきかを知ることができたのです。
本編の大きな伏線となったこの唄ですが、子守唄であることにも意味があります。
子守唄は子を思う母の想いの象徴ともいえるもの。
主人公達の母親も二人の娘への愛を込めながらこの唄を歌っていたはずです。
映画における子守唄は愛する娘へ母が示した道しるべになっています。
この唄があったからこそ、二人は困難に打ち勝ち一人の人間として大きく成長できたのでしょう。